屋根材のパンフレットを見た時に、「なぜ瓦屋根はほかの屋根材より、初期費用がかかるのだろう?」と思う人もいるかもしれません。 その理由について、今回は説明したいと思います。
1.製造工程が複雑
瓦は60年近く長持ちする長寿の屋根材。
そのためには「高温で焼き切る」という工程が必要になります。
スレート屋根材などは、セメントを薄くのばして、塗装をかければ完成しますが、それでは塗装がはげてしまうと見た目も悪くなってしまいますし、耐久性も落ちてしまいます。
強度のある瓦の屋根材を製造するには、エネルギーをかけて「焼き切る」という工程が欠かせません。そのおかげで、長い年月に負けない強い瓦ができあがります。
2.多くの部材を使っている
瓦は1枚当たりの大きさがほかの屋根材と比べて小さいため、部材が多くなりがちです。
例えば、同じ100平米の屋根でもスレートの屋根材だと800枚ぐらいで済むものが、瓦だと2000枚近く必要になります。
その分、瓦屋根は耐風性に優れています。
たとえ、突風や台風が来ても、1枚1枚の瓦が小さいため、風の被害を大きく受けることがありません。
金属屋根材のように、1枚の大きな屋根材を貼り付けてしまうと、強風時に屋根ごとはがれてしまう危険性があります。
3.職人の高度なテクニックが必要
瓦屋根は、瓦をただ運んで、並べれば終わりではありません。
釘で打ち付けるのは当然のこと、雨漏りの危険性から守るため、職人がさまざまな工夫を凝らしています。
詳しくは「雨漏りしないための屋根の工夫」をご覧いただきたいのですが、脈々と受け継がれ、進化し続けている技術の価値は、目に見えにくいかもしれませんが、非常に高いものがあります。
最後にお伝えしたいのが、「瓦屋根の長所と短所」にも書いてある通り、瓦屋根は30年以上使用し続ける場合、ほかの屋根材よりも格段に安くなります。
なぜなら、メンテナンス費用がほとんどかからないからです。
初期投資費用がかからない屋根材のほとんどは、30年以上使うとなると、途中ですべてを交換する必要が出てきてしまいます。
しかし、60年近くほぼメンテナンスが不要な瓦屋根は、その費用が発生しないのです。
瓦屋根の初期投資費用がかかる理由は理解してもらえましたか?
良いものであるからこそ、最初はお金がかかっても、最後まで安心して使うことができる。
そのことを理解してもらえたら、屋根屋さんもうれしいです。
次回は、「太陽光発電(ソーラーパネル)に向いている屋根」についてお話しいたします。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜昭和二十六年創業。屋根に関する製造・販売・工事の全てを経験。
屋根専門石川商店の三代目、1級かわらぶき技能士
石川弘樹(いしかわひろき)です。
【趣味】 ワンピース(マンガ)
【目標】 瓦割り世界チャンピオン
【ブーム】 なんだか断りそうだな、、、
【困り事】 寝ても寝ても眠い病
屋根専門石川商店HP:riverstone-roofing.com
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
石川商店からのお願い
記事を最後まで読んでいただきありがとうございます。
お客様の率直な感想をいただくため「役にたった」「役に立たなかった」ボタンを設置しました。
また、もしもっと知りたいこと、分かりづらかったことなどあれば下のコメント欄にご意見いただければと思います。
日々屋根にお困りのお客様にとって必要な情報をお伝えするために、ご参考にさせて頂きます。