ひとくちに屋根といってもその形状は様々。色々なデザインがあるのは分かるけど、見た目以外に違いはあるの? 今回はそんな屋根の種類について説明します。
屋根の形についていうと、まずは大きく、平らな陸屋根(りくやね、ろくやね)と屋根が坂状に傾斜している傾斜屋根(勾配屋根)の2種類があります。
陸屋根は1種類しかなく、土地によって形は変わるかもしれませんが、防水方法や機能はほぼ変わりません。
対して、傾斜屋根、勾配屋根には様々な形があります。
まずご紹介するのが切妻屋根。
読みかけの本を伏せたような形をした屋根です。
一番シンプルな形の屋根なので、ほかの屋根の形に比べて、工事価格が安いです。ほかにも、水流を妨げるものが少ないため雨漏りが発生しにくかったり、雪が積もりにくかったり。ソーラーパネルを乗っける面積も大きいです。
また切妻屋根は、棟や屋根がない壁面などに換気口を設けられるので、通気性が高いです。そのため、屋根裏の結露や、結露による雨漏り、カビを防ぐことができます。
短所は、屋根が2面しかないため、屋根面がない部分の壁面にひさしをかけられない(またはかける面積が小さい)こと。屋根がない面の壁は、ほかの面に比べて、傷みやすい傾向にあります。
次は、東西南北に屋根面を持つ寄棟屋根です。
寄棟屋根の中でも、ピラミッド型のものを方形(ほうぎょう)屋根と呼びます。
寄棟屋根の長所は、見た目の重厚感。また2面しか屋根面がない切妻屋根と違って、4面とも屋根があるので外壁を保護する点でも優れています。
短所は、屋根裏の通気性を改良しにくいところ。
大棟(屋根の一番高いところの棟)と軒先に換気口を設けて煙突効果で空気を流せば問題ありませんが、切妻屋根のように、壁面に換気口をつくって直接空気を流すことはできません。
上記の切妻屋根と寄棟屋根を合体したものが、入母屋(いりもや)屋根です。
上部が切妻、下部が寄棟となっており、古民家やお城などでよく見かけます。
入母屋屋根の特長は、寄棟をさらに超える重厚感。由緒正しき家をアピールするならば、断トツ入母屋屋根がおすすめです。
ほかにも、
・通気性が高い
・屋根裏の結露や、結露による雨漏り、カビを防げる
・外壁を保護できる
といった切妻と寄棟それぞれの長所を両方持っています。
短所は、屋根の形が複雑なため、つなぎ目ができてしまい、そこから雨漏りが発生する可能性があるところ。屋根職人の力量が試される箇所です。
また複雑な分、手間がかかるため、工事価格が高くなりがちです。
また切妻屋根の派生形として最近流行しているのが、片流れ屋根。
ソーラーパネルを乗っけるのならば、南面に向いている片流れ屋根がベスト! とは「太陽光発電(ソーラーパネル)に向いている屋根」でもお伝えしました。
しかも真っ平らな陸屋根と違って、傾斜があるため、防水性も高いのです。
片流れ屋根同様、ソーラーパネルという点で人気なのが、冒頭にも登場した陸屋根です。
陸屋根は傾斜がない分、防水性は片流れ屋根より劣りますが、メンテナンスしやすいという利点があります。
陸屋根ならば、施主が階段で屋上に上がって、ソーラーパネルのガラス面を掃除するなんてこともできるのです。
陸屋根の短所は、傾斜屋根に比べると水の流れが悪く、防水性に劣るところ。
進化してきているとはいえ、水がたまりやすいフラットルーフや屋上は、10年に1度は大規模メンテナンスが必要です。
ソーラーパネルも設置しやすくて、防水性の高い片流れ屋根ですが、片流れ屋根にも注意点があります。
それが、屋根裏の換気が非常に難しいことです。
不可能ではありませんが、屋根面がないほうの壁か、棟部分に換気口をつくるしか手がありません。
防水といった面でも、陸屋根よりは高いというだけで、切妻屋根よりは低いです。
見た目の良さ以外にも、屋根の形状にはそれぞれ長所と短所があります。
そこを押さえた上で、皆さんも我が家にぴったりの屋根を選んでくださいね。
次回は、「雨漏りしやすい屋根の場所」についてお話しいたします。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜昭和二十六年創業。屋根に関する製造・販売・工事の全てを経験。
屋根専門石川商店の三代目、1級かわらぶき技能士
石川弘樹(いしかわひろき)です。
【趣味】 ワンピース(マンガ)
【目標】 瓦割り世界チャンピオン
【ブーム】 なんだか断りそうだな、、、
【困り事】 寝ても寝ても眠い病
屋根専門石川商店HP:riverstone-roofing.com
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