教えて、屋根屋さん!第99回「L字型の家を建てる時の注意点」

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一言で“家”といっても、様々なスタイルがあります。
土地を有効活用したい、家族全員の希望を叶えたいなどしていくうちに、L字型やコの字型など少し変わった形の家になることもあるでしょう。
では、これらの家を建てる前に気をつけるべきことは何でしょうか。

 

私が考える、最も気に掛けるべきことは、地震です。
L字やコの字型の家は、開口部が多く、地震に弱いです。

 

特に1階の基礎部分に開口部があり、2,3階に住居がある家は要注意です。
開口部がある分、基礎が脆弱になるため、真四角の家よりも耐震性が落ちてしまいます。

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またL字やコの字型の家は、家の形が複雑なため、地震を受ける角度により、揺れる方向が変わります。
L字の縦部分と横部分が異なる揺れをすることで、ぶつかったり、ひずみが生じてしまったりするのです。
そのため、たとえ耐震基準を満たしていても、このような複合的な要素によって、大きな被害を受ける可能性が高まります。

 

また中央部分に中庭のあるロの字型の家もありますが、基礎がつながっていない場合、中庭または外側に建物が倒壊する危険性があります。
しかし、基礎がつながっている小さな中庭でしたら、真四角と大して変わらないので、過剰な心配は不要です。

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新築時だけでなく、増築または減築時に、L字やコの字の家になることもあります。
例えば、真四角の家に部屋を一つ付け足したら、L字の家になります。
すると、以前と地震時の揺れ方が変わります。その結果、耐震性が落ちてしまいます。

 

また一部屋増設するときは、既存の家と行き来できるよう、壁を壊す必要があります。
壁は地震に対して一番耐久性を持つ基礎です。
深く考えず、多数の壁をくりぬいてしまうと、先ほど述べたような1階部分が開口部といった地震に弱い家をつくってしまいます。

 

また1階の一部分の壁をそっくり抜いて、サンルームをつくる方もいますが、その場合も、サンルームのために撤去した壁の分の耐震性は以前より落ちます。
そのため、増築・減築も信頼できる業者に依頼して、耐震性が極端に低くならないよう気をつけてもらいましょう。

 

日本人の多くは、住み心地や快適性を求めてリフォームを行います。
しかし、家の根本的な役割を突き詰めて考えると、私は家とは一種の“シェルター”みたいなものだと思うのです。

 

現在の日本は平和なため、あまり感じないかもしれませんが、昔は「家に逃げる」という感覚があったような気がします。

 

先日、パプアニューギニアに行ってきました。
パプアニューギニアは外務省が渡航危険エリアに指定するような治安の悪い国。
首都のポートモレスビーは世界の住みにくい都市ランキングベスト3に入っています。
(参照サイト:世界の住みにくい都市ランキングベスト10発表 | 世界を旅するガイド Photrip フォトリップ

 

このパプアニューギニアの家ですが、治安が悪いためか、家もお店もテントもすべて柵や塀で囲まれています。それを見たとき、家の本来の機能は、「家族を守る」「家に避難する」ことではないかと思い至りました。

 

地震のことばかり考えて家を建てるわけにはいかないかもしれませんが、「家に避難できるか」についてもぜひ考えてもらいたいです。

 

「家に避難できるか」という観点で見ると、耐震診断を受けることなども重要です。
家が崩壊してしまったら、最悪、家族がバラバラになってしまいます。
そうならないためにも、事前の対策を心がけましょう。

 

 

次回は、「 2020年以降はコレで決まり! ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは」についてお話しいたします。

 

「教えて、屋根屋さん!」の連載記事の目次はこちら。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜20141125_profile_01昭和二十六年創業。屋根に関する製造・販売・工事の全てを経験。
屋根専門石川商店の三代目、1級かわらぶき技能士
石川弘樹(いしかわひろき)です。
【趣味】  ワンピース(マンガ)
【目標】  瓦割り世界チャンピオン
【ブーム】 なんだか断りそうだな、、、
【困り事】 寝ても寝ても眠い病
屋根専門石川商店HP:riverstone-roofing.com
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