冬になると「雪止めを付けたい」というご依頼が大変多くなります。
「雪止め金具」とは、屋根に積もった雪が滑り落ちるのを止めるための金具で、戸建て住宅における傾斜屋根の軒先近くに設置されているものです。
東京では昨年の11月、実に54年ぶりの積雪がございましたが、このときに屋根からの落雪によってお隣様との間でトラブルになったケースも報告されております。
ここで問題となるのは「雪止め金具はついているのに...」といった場合です。
これは特に瓦屋根において発生するケースが多く、その原因は屋根勾配(傾斜角度)が急になればなるほど積もった雪が滑り落ちてくるのです。
今回は、平板瓦(F形)において、すでに軒先付近に雪止め金具がついているのに落雪でお困りのお客様からのご要望により、後付け用の雪止め金具を取り付けさせていただきましたので、その模様をご紹介したいと思います。
□中段及び上段位置に雪止め金具を設置し滑り落ちる雪を止める...
まずは施工前の状態です。
軒先付近に雪止め金具は取り付けられているのですが...
軒先から本棟まで距離がある場合、滑り落ちてくる雪を止めるためには軒先付近の金具だけでは不十分なのです。
そこで滑り落ちる雪を防ぐために「後付け用雪止め金具」を設置することにしました。
こちらが今回取り付ける後付け用雪止め金具です。
瓦は三州野安「セラフラットⅢ」という平板瓦で、雪止め金具はメーカー指定の後付け用雪止め金具です。
下の金具を瓦の裏に差し込み、ナットを締め付けることによって瓦を挟み込むように取り付けます。
平板瓦は1段ごとに互い違いに施工される瓦なので、写真のように2段に渡って金具を設置することで、より落雪を防ぐことが可能になります。
また軒先から本棟までの距離がある場合、屋根勾配によっては中段及び上段位置に設置することで、屋根からの落雪をより防ぐことが可能です。
□雪止め金具は瓦によって形状が異なります
後付け用雪止め金具は様々な形状のものが発売されております。
設置をご希望される場合、まずはご自宅屋根にどの瓦が葺かれているかをご確認ください。
スーパートライ110 タイプⅠ(鶴弥)
スーパートライ110タイプⅡ(鶴弥)
セラ・マウント(三州野安)
ローマンLL-40R(丸栄陶業)
設置工事には大変危険が伴いますので、取り付けをご希望される場合は必ず屋根専門業者にご相談ください。
屋根専門75年 石川商店
林 洋道(はやし ひろみち)です
【趣味】鉄道写真、旅行、西部警察、ネコ
【特技】洗車、タイヤ交換、他クルマのメンテナンス
【最近】鉄道の写真撮影に目覚めたかも...
【出身地】鳥取県米子市
屋根専門石川商店HP:riverstone-roofing.com
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教えれください。和瓦雪止めを、一列に間を開けないで取り付けましたが、雪が落ちてしまいました。金具を増やしてみたいとと思います。取り付け方、取り付け間隔を教えてください。埼玉県本庄市在住です。
五十嵐さま、ご質問ありがとうございます。
雪止めには3種類あって、そのうちの雪止め金具の長所短所について少しご説明します。
▼長所
・費用が一番安い
▼短所
・雪止め金具は、雪を点で止める道具なので、どうしても金具同士の間をすり抜けることがある
・屋根の軒先(傾斜の先端)の最先端には取り付けることができない、というか通常は2,3段目に設置するので、金具より先端に降り積もった雪は落ちてしまう
落雪が、上記短所のどちらが原因かによって対応が変わりますが、基本的な対策は以下のようになります。
▼対策
1,金具を屋根の中段、もしくは軒先側に1列追加する。
2,軒先の金具に『 雪止めアングル 』を設置する。
3,軒先の金具からさらに先端部に『 雪止めネット 』を設置する。
上記、各対策の費用は、
▼雪止め設置費用 1mあたり
1,3000円
2,1.1万円
3,2.5万円〜
※別途、安全対策は必要です。
以上になります。
こちらの記事が参考になるかもしれませんので、よろしければご確認くださいませ。
http://riverstone-roofing.com/test2020/basic/20160224_snow/