瓦業界でよく耳にする“役物”。では役物って一体どんな瓦なのでしょうか?
簡単に答えると、役物は「特殊な役割を果たしている瓦」。
いってしまえば、一般的な波形の平瓦(桟瓦)以外はすべて役物です。だからといって、平瓦が何の役割も果たしていないというわけではありませんよ(笑)。
今回は、代表的な役物たちを紹介します。
鬼瓦、しゃちほこ、シーサー
一番分かりやすい、代表的な役物。
基本的には魔除けや火事防止、商売繁盛などの願いを込めて飾られる。
それとは別に、棟の端に葺くことで防水の役割を果たしている。また斜めの棟では、のし瓦や丸瓦が崩れないよう堤防としても機能している。
軒瓦
軒先にある瓦。
目に入りやすいため、見た目の上でも重要な役割を果たしている。
ただ丸が付いているだけのものもあれば、家紋が入っていたり、垂れの部分が一という数字のようにまっすぐになっていたりするなど様々な種類がある。
機能的には、雨樋に水を落とす役割がある。軒瓦の中央部分はへこんでおり、その垂れ伝いに水を流し、丸みの先端から必ず水が落ちることで、雨樋や犬走り(雨だれで地面に穴が空かないように敷く瓦や石のこと)に必ず水が落ちるようになっている。
袖瓦
建物の妻(下図を参照)に付く瓦。
壁側に水が流れたり、屋根の内側に水が入ったりしないよう壁側に垂れが付いている。
袖瓦にも様々な種類があり、施工の仕方によって、見た目のイメージを変えることができる。
雪止め瓦
雪が滑り落ちないよう止めておく瓦。
のし瓦
雨が棟の内側に侵入しないよう、水切り・雨よけの役割として使用されている瓦。
のし瓦を半分ずつずらして、2段以上重ねることで、2段目のつなぎ目から入った水を1段目の中央部分で受け、受けた水を平瓦に落とすことができる。
瓦割りの時に使われる瓦でもある。
以上、代表的な役物をご紹介しました。
これらに限らず、もっと屋根用語に関して詳しく知りたい! という方は「難しい屋根の専門用語をやさしく解説。今日の屋根用語!」もチェックしてみてくださいね。
次回は、「現代の家の特徴」についてお話しいたします。
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屋根専門石川商店の三代目、1級かわらぶき技能士
石川弘樹(いしかわひろき)です。
【趣味】 ワンピース(マンガ)
【目標】 瓦割り世界チャンピオン
【ブーム】 なんだか断りそうだな、、、
【困り事】 寝ても寝ても眠い病
屋根専門石川商店HP:riverstone-roofing.com
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