現代で一軒家を購入する人の多くは、子育て世代の家族、夫婦、中年以降の単身者のどれかだと思います。
子育て世代の家族が一軒家を買う時は、4人家族など家族構成が決まっている場合が多いです。そのため、子供のことを念頭に置きながら間取りを組み、部屋を割り当て、設計します。
夫婦の場合も同じです。子供が産まれた時のことを考えて、家を購入します。
家族構成は、家族によって違います。
子供が男女2人の家もあれば、男の子しかいない家もあります。人数も性別も家族ごとに異なり、同じ家族構成にはなかなかなりません。 その結果、家族ごとにフルカスタマイズされた家が建てられます。それが現代の家の特徴です。
一昔前は、家の間取りは全部決まっていました。人が増えたり減ったりしたら、仕切りを作ったり、一つの部屋に寝たりとライフスタイルを家に合わせていました。 そのため、家族ごとにカスタマイズされた家などありませんでした。
でも、今は家族ごとにカスタマイズされている家しかありません。
なぜ、そうなったのか。
個人的には、「一つの家に長く住む」という概念が薄れつつあるのではないかと思っています。
日本の建築寿命は27年。これは約30年すると、家は壊されるということです。ぼろぼろになって住めないから壊されるわけではなく、住む人がいなかったり、家族の事情に合わなかったりするため、建て替えられてしまうのです。 家族ごとにフルカスタマイズされた家は、その家族にとっては良いですが、別の家族が住むには不都合が生まれます。
建て替えなくても、フルリフォームすれば一つの家に長く住める、と考える人もいると思います。しかし、今の建築業界では、リフォームよりも建て替えの方が工期も短く、安価なことが多いため、建て替えが主流です。
リフォームですと、古いパーツを新しいパーツにつなげなくてはならない、以前の施工者の方法に合わせないといけないなど、様々な制約が出てきます。 新築でできても、リフォームでできないことなどもあります。 そこを考えるより、建て替えた方が早いし安いのが現実です。
3千万円かけてフルリフォームするより、3千万円で新築を建てた方が良い家ができてしまうのです。
またリフォームしたくても、どうすれば長く住める家にリフォームできるか知識がなく、結局建て替えるというケースもあります。
例えば、世の中の99%の人は、屋根が軽い方が家は長持ちすると思っているでしょう。
でも、それは間違いです。
このように建築業界には、専門家と一般人の間に情報格差があり、良い家を建てたいと思っても長い目で見るとそうならない場合があります。
個人的には、日本人は全体的に、衣食住の中で、住に関する知識が最も欠けていると思います。 衣食に関しての情報があふれていることは明白です。食べものや着るものに関しては、何が良いかある程度の判断もできます。
でも、家はそうはいきません。
あなたの家の、右隣と左隣の家、どちらが高価か分かりますか?
何を基に判断すればいいか分からない、という人がほとんどではないでしょうか。
日本では、住まいに関する情報を積極的に取り入れる文化がありません。そのため、業者と買い手の間に情報格差が生じ、結局なぜそれだけの値段がするのかもよく分からず、皆さん家を購入してしまいます。
本当にその家は5千万円の価値があるのか。 隣家となぜ500万円も値段に差があるのか。
ほぼ分からないのが現実です。
しかし、ここから直していかないと、「家を大切にする」という文化を日本で根付かせるのは難しいでしょう。
最初から30年で壊すつもりで家を建てる人はいません。
できるだけ長く、できれば子供や孫の代にまで引き継げる家を建てるにはどうすれば良いか。
一人ひとりが考えるようになったら、日本の住宅事情も大きく変わると思います。
次回は、「理想の家を建てるには」についてお話しいたします。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜昭和二十六年創業。屋根に関する製造・販売・工事の全てを経験。
屋根専門石川商店の三代目、1級かわらぶき技能士
石川弘樹(いしかわひろき)です。
【趣味】 ワンピース(マンガ)
【目標】 瓦割り世界チャンピオン
【ブーム】 なんだか断りそうだな、、、
【困り事】 寝ても寝ても眠い病
屋根専門石川商店HP:riverstone-roofing.com
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