石川商店

教えて、屋根屋さん!第89回「屋根の寿命は何年?」

一度購入したら一生メンテナンスしなくても大丈夫! と思われがちな屋根。
しかし、屋根にも寿命はあります。今回は屋根材ごとの寿命をみていきましょう。
※ここでの寿命とは、「メンテナンスなど一切せず、放置し続けた場合、最低限使える年数」を指しています。

 


まず屋根界のご長寿さんが瓦。一般的に寿命は40年といわれていますが、現在の技術を用いてつくられたものは、60年は長持ちします。中には、1400年近く利用され続けている瓦もあります。

 

銅板(厚め)
瓦以外の長寿屋根材が、銅板。こちらも60年ぐらいは使えます。しかし、薄いものはダメです。厚めのものを選んでください。

 

銅は水に触れると、緑青(ろくしょう)と呼ばれるさびが発生します。一般的に金属はさびると耐久力が下がりますが、銅だけはさびが発生するほど耐久力が増します。自身のさびがコーティングになって、他のさびを受け付けなくなるからです。

 

しかし、金属材は他の金属などと接触すると化学変化を起こします。例えば、銅板に鉄の釘を打ったり、油を垂らしたりすると、それが原因で穴が空いたりします。
瓦屋根でも部分的に銅板を使うことがありますが、鉄釘などの影響で穴が空いて雨漏りしていることも多々あります。

 

日本は湿気が多い国です。そのため、水分が一番の敵である金属材にとっては、理想の環境とはいえません。

 

 

上記二つ以外の屋根材の寿命は、基本30年といったところでしょうか。

 

スレートやコンクリートなど塗装してあるセメント材は、長く使うにつれて、塗装がはげていきます。塗膜がある状態では水をほとんど吸わない屋根材も、塗膜が薄れると、水分を多く吸ってしまいます。水を含んだ状態で凍ってしまうと、水が膨張して、屋根材がひび割れてしまうことも。そのため、屋根材は吸水率が低い方が長持ちするといわれています。

 

ただし、一部の瓦には、逆に水分を多く吸って、すぐ排出する屋根材もあります。これらは、凍る前に内部の水を発散するため、吸水率が高くても長持ちします。そのため、単純に吸水率ですべてを語れるわけではありません。あくまでも、指標の一つと捉えてください。

 

屋根にも寿命があるなんて、意外に思われる方も多いかもしれません。
しかし、家電製品や洋服などにも寿命があるように、屋根にだって寿命はあります。
屋根が少しでも長生きできるよう、皆さんメンテナンスを忘れないようにしてくださいね。

 

 

次回は、「瓦屋根に初期投資がいる理由」についてお話しいたします。

 

「教えて、屋根屋さん!」の連載記事の目次はこちら。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜昭和二十六年創業。屋根に関する製造・販売・工事の全てを経験。
屋根専門石川商店の三代目、1級かわらぶき技能士
石川弘樹(いしかわひろき)です。
【趣味】  ワンピース(マンガ)
【目標】  瓦割り世界チャンピオン
【ブーム】 なんだか断りそうだな、、、
【困り事】 寝ても寝ても眠い病
屋根専門石川商店HP:riverstone-roofing.com
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