ー教えて屋根屋さん! 第114回ー
新築やリフォーム時、屋根材や屋根のデザインを決めるとき、やっぱり気になるのが値段。
屋根にかけるコストを下げたいときは、一体どんな屋根材・形状を選べば良いのでしょうか?
形状では、2面のシンプルな形が、技術力も屋根材の枚数もさほど必要としないため、コスト削減に向いています。
業界用語でいうと、4~6寸勾配の切妻屋根がおすすめです。
屋根材は、初期費用のことだけ考えれば、コロニアルやカラーベストなどスレート系が安価です。
しかし、これらの屋根材は、10~20年に1度、塗装などの大規模メンテナンスが必要になりますので、ランニングコストがかかります。
ところで、一般的に住まい手はどのように屋根の形状や種類を選んでいるのでしょうか。
99%の人は、「営業マンに勧められたもの」を選んでいると思われます。
営業マンは、初期費用が安い屋根材を大抵勧めます。
でもそれらの屋根材が、必ずしも家にとって良いとは限りません。
現在、日本の家の寿命は約30年。
しかし、政府はヨーロッパ同様、約90年住める家を建てる方向で政策を立てています。
ですが、現場サイドからすると、3世代が住める、約90年もつ家は初期費用が高く売りにくいです。
そのため、長持ちしないことやランニングコストがかかることなどを隠して、30年しかもたない家を売る傾向にあります。
現状を打破するのに重要なのが、買い手の知識です。
残念ながら、家を建てる段階になっても、屋根に関する話題が出ることはほとんどありません。
そのため、屋根業界は売り手に都合の良い製品ばかりが売れていく傾向にあります。
多くの住まい手は、家の中の設備のことで頭がいっぱいで、外観についてまで考える余裕がありません。
営業マンもそこを見抜いて、安価な屋根材を勧めてきます。
でも、そこで買い手が「この屋根材はメンテナンス費用がかかるんでしょ?」と言い返したら、営業マンの売り方も大きく変わるはず。
それを目指して、我々屋根業界の人間も、いまは情報発信に力を入れています。
食材や化粧品、サプリメントなどは「安すぎると、何か裏があるのでは?」と感じる人たちも、屋根に関しては、無頓着なことが多いです。
屋根も他の業界と同じく、値段が安すぎるものには大抵リスクがあります。
屋根の場合、初期費用が安い屋根は、ランニングコストやメンテナンス費用などがかかり、トータルの金額は高くなってしまいがちです。
情報さえあれば、そのような知識を知ったうえで、営業マンと接することもできるはず。
屋根を選ぶときも、ただ営業マンの話にうなずくだけでなく、自分の意志で最も良いと思う製品を選択するようにしてくださいね。
次回は、「よく使われる屋根材」についてお話しいたします。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜昭和二十六年創業。屋根に関する製造・販売・工事の全てを経験。
屋根専門石川商店の三代目、1級かわらぶき技能士
石川弘樹(いしかわひろき)です。
【趣味】 ワンピース(マンガ)
【目標】 瓦割り世界チャンピオン
【ブーム】 なんだか断りそうだな、、、
【困り事】 寝ても寝ても眠い病
屋根専門石川商店HP:riverstone-roofing.com
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