ー教えて屋根屋さん! 第123回ー
屋根のコケはDIYで除去できる?
ふと見上げてみたら、自宅の屋根に緑や黄色のコケがびっしり……!
新築時はあんなにキレイだったのに、と思うとがっかりしてしまいますよね。
コケさえなければ、素敵な屋根なのに、と思うと、自力で屋根の上に登り除去してみたいと思う人もいるかもしれません。
果たして、そんなことが素人にできるのでしょうか?
DIYでのコケ取りは非常に危険! その理由は?
まず屋根のコケをDIYで除去するのは、デッキブラシでこすったり、金だわしで削り取ったりしたらできると思います。
しかし、屋根の専門家からしてみると、DIYでのコケ取りはおすすめしません。
というのも、屋根の上でのコケ取り作業は非常に危険だからです。
屋根は勾配があるため、ただでさえ転落のリスクがあります。
そのうえ、コケの生えている、とくに雨の日の翌日のスレート、セメント瓦、アスファルトシングルなどの屋根は大変滑りやすいです。
水を含んだコケの上を歩く姿を想像してみてください。
バナナの皮より、滑りやすそうな気がしませんか?
またコケを削る作業をしている間に、コケの粉末が空中を舞います。
それがさらに転落のリスクを高めるのです。
細かなコケはDIYでは除去できない!?
先ほど、デッキブラシや金だわしでコケ取りはできると言いましたが、それは大きめのコケ限定の話です。
屋根のコケは、屋根材との間など、小さなすきまに埋め込まれているかのように生えていることが多いです。
それを除去するには、高圧洗浄が必須!
テレビ通販などで販売している機械で十分ですが、先ほどお伝えしたとおり、屋根の上に水をまくのは非常に危険な行為です。
水浸しの中、素人がコケ取り作業を行うと、最悪、命を落とす危険性もあります。
屋根のコケを除去したい場合、どうすればいい?
そのため、もし屋根のコケを除去したいならば、屋根の専門家に依頼しましょう。
屋根のプロである屋根屋さんは、屋根の原理を熟知しています。
そのため、踏むと危険な箇所や、割れやすいポイントなど、感覚的に把握しているのです。
勉強しているからこそ、一般の方では危険な屋根の上の作業も難なくこなせます。
弊社でも、点検の依頼などを受けたときに、施主様に「どうすれば屋根に登れますか?」とうかがいます。
「電気屋さんが来たときは長いはしごをかけていました」「バルコニーから脚立をかければ大丈夫です」などの回答が一般的ですが、中には「バルコニーからちょちょっと登れちゃいます」なんて答える方もいます。
実際、その現場を拝見しますと、屋根のプロからしてみると、絶対につかまりたくないところに手をかけていたり、今にも割れてしまいそうな屋根材を平気で踏んづけていたりと、ハラハラ&ヒヤヒヤしてしまいます。
「前回、登ったときも大丈夫だった!」という経験を元に判断しているのでしょうが、前回が安全だったから、今回も安全とは限りません。
一瞬の油断が、どんな危険につながるかわからない! それは屋根の作業全般にいえることです。
屋根のコケは見た目が汚くなるだけで、雨漏りなどのリスクは発生しないです。
そのため、放置しても何の問題ありません。
でも、「どうしても気になる!」という方は、DIYでなく、プロの屋根屋さんに依頼するようにしましょうね。
次回は、「必見!『良い屋根屋』と『悪い屋根屋』の見分け方」についてお話しいたします。
創業75年、屋根専門石川商店の三代目。
石川弘樹(いしかわひろき)です。
【資格】 1級かわらぶき技能士
瓦屋根工事技士
全日本瓦工事業連盟認定 瓦屋根診断士
全日本瓦工事業連盟認定 耐震化講師
耐震プランナー
増改築相談員
古民家鑑定士
ホームインスペクター(住宅診断士)
ジュニアリフォームソムリエ
リフォームスタイリスト1級
リフォーム提案士
ライフスタイルプランナー
【趣味】 ワンピース(マンガ)
【目標】 2級建築士
瓦割り世界大会初代チャンピオン
【ブーム】 ブラッククローバー
【困り事】 いくら寝ても眠い
DIYで作った個人ブログはじめました。
37歳おっさんが残りの半生での日々のチャレンジを綴っています。
http://hiroki-ishikawa.info