石川商店

長期優良住宅とは、具体的にどんな家?

ー教えて屋根屋さん! 第137回ー

 

今、注目を浴びている「長期優良住宅」とは?

現在、増えつつある長期優良住宅。
名前からなんとなく想像できても、正確にどんなものか理解している方は少ないのではないでしょうか。
今回はそんな長期優良住宅とは何か、メリット等をご紹介します!

 

長期優良住宅とは

長期優良住宅とは、簡単にいうと、長期にわたり住宅を良好な状態で長持ちさせるために、必要な基準をクリアした住宅です。
長期優良住宅になるには、以下の条件を満たす必要があります。

 

1.耐震性

まず地震に強く倒壊しづらい建物でないと認定されません。
もし大きな地震が発生したとしても、損傷を抑えられ、容易に改修できる建造物のみ長期優良住宅とみなされます。

 

2.耐久性

構造や骨組みが通常の家よりしっかりしている必要があります。
100年程度(3世代)継続して使用できる耐久性があるかどうかが、基準となります。

 

3.維持管理の簡単さ

メンテナンスが簡単で、高額な維持費がかからない施工を採用する必要があります。

 

4.可変性

住む人のライフスタイルに合わせて、間取りの変更が簡単にできるよう工夫する必要があります。

 

5.バリアフリー性

バリアフリー対応、もしくは将来のバリアフリー改修に対応できる必要があります。

 

6.住戸面積

住みやすく、必要な広さが確保されている必要があります。

 

7.省エネルギー

地球や家計にあまり負担をかけない施工である必要があります。

 

8.居住環境

地域の街並みと調和のとれた景観である必要があります。

 

9.維持保全

定期的に点検を行い、それを履歴として記録に残しておく必要があります。
具体的には、家に関する設計・施工・維持管理などの履歴をすべて記録した「住宅履歴書」を作成します。

 

なぜ今長期優良住宅が増えている?

これまでの日本は、経済発展や人口増加で都市開発が進み、新しい家をどんどん建ててきましたが、経済成長率の低迷、人口減少といった課題を抱えている現在、家を長く使うことが推奨されるようになりました。

 

現在、日本の住宅が利用される期間は約30年
アメリカの平均55年、イギリスの77年に比べて、とても短いです。
そのため、日本ではせっかく建てた家なのに一代限りしか住まないという事態が往々にして発生しています。

 

使われなくなった家は、解体するにも費用がかさむため、結果、空き家として放置され続けています。
この問題は深刻化しており、空き家の数は800万戸以上になるといわれています。

 

現在、定期的に管理されていない空き家の数は560件近くといわれており、なかには、地震などの災害時に崩落の危険性がある、ホームレスが住み着いている、景観が損なわれるなどの問題を抱えている物件もあります

 

この問題を解決するためにも、次の世代まで住める長持ちする家を建てましょう! という気運が高まり、長期優良住宅を促進するための法律が2009年に定められました。

 

長期優良住宅のメリット

では長期優良住宅を建てると私たちにどんなメリットがあるのでしょうか?
以下、家が長持ちすることで発生するメリットです。

1.高い資産価値

今までは平均22年で建物の資産価値はゼロになっていましたが、厳しい基準を満たした長期優良住宅は、家が長持ちする「お墨付き」となるため、資産価値が下がりにくくなります
また、投資目的で購入した場合も長期での家賃収入が見込めます。

 

2.減税額が高い

住宅ローンの減税額が高く、固定資産税の減税措置期間が長いです。
他にも数々の減税優待があります。

 

3.売却価格が高くなる

築年数が経っても高価値なため、売却価格が高くなります。

 

4.お金が貯まり、節約になる

今まで毎世代家を購入していたのが、2世代、3世代と住めるため、長期的な節約になります。

 

個人だけじゃない! 国にもメリットが

長期優良住宅は上述の通り、国が推進しています。そのため、普及することにより、個人だけでなく、国全体としてのメリットもあります。

1.中古住宅流通の活性化

中古物件を買うという風習がない日本。
住宅市場全体を占める中古住宅の割合は、アメリカが78%、イギリスが89%に対して、日本は36%しかありません。

 

シェアの低さの一因として、質より量が重要視されていたため、住宅の質が欧米ほど高くないというのがあります。
資産運用として物件を買う場合もマンションがほとんどで、22年で資産価値が無くなってしまう一軒家に投資をする人はおらず、マーケットが回らないのが現状です。

 

ですが、今後本格化していく人口減少、少子高齢化社会への対応としても、これからは今ある住宅を有効活用していく必要があります。

2.空き家にかかる費用の節約

現在、日本に存在する空き家は800万戸以上。
大量生産して、20~30年で価値がゼロになるを日本全体で繰り返した結果、500兆円近い損失に膨れあがったという試算もあります。

 

この損失を減らしていくためにも、長持ちする家に何世代にもわたって住んでもらい、将来、住宅が空き家になってしまうのを防ぐ必要があります。

 

これから家を建てる人は長期優良住宅に注目してみて!

今後、数が増えていくであろう長期優良住宅。
しかしまだ身近でないだけでなく、申請に時間と費用がかかる、初期コストが高い、対応できるハウスメーカーが限られているなどの問題もあります。

「長期優良住宅」は品質が高いため、高度な技術を持ったハウスメーカーでないと理想通りの家を建築できない可能性もあります。
そういった事柄も考慮した上で、信頼できるハウスメーカーに依頼するようにしましょう。

 

 

 


創業75年、屋根専門石川商店の三代目。
1級かわらぶき技能士
石川弘樹(いしかわひろき)です。
【趣味】  ワンピース(マンガ)
【目標】  瓦割り世界チャンピオン
【ブーム】 ブラッククローバー
【困り事】 正月食べ過ぎた

DIYで作った個人ブログはじめました。
37歳おっさんのチャレンジを綴っています。
http://hiroki-ishikawa.info/wp


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