瓦屋根は重くてキケン?震動で家が倒壊する本当の理由

井上 利里子
井上 利里子
  • テレビで受ける印象は強烈なメッセージ性があるものです。なので地震や台風で瓦が飛び散っている映像は『瓦=危ない』となってしまっているのが残念(>_<) ほんとは日本の風土にあった経済的なスバラシイ屋根材なんですけどね。

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家は瓦の重さでつぶれるのか

よく大きな地震の後映るテレビのニュースには瓦屋根の家がつぶれている映像が映り、お問合せでも「瓦は怖いから軽い屋根に葺き替えたい」というご要望が増えます。
果たして重いから押しつぶされてしまうのでしょうか。

大掛かりな実験により証明された地震で破壊する原因

独立行政法人防災科学研究所が450億円かけて造った世界最大級の震動台『実大三次元震動破壊実験施設(通称:E-ディフェンス)』によって、二つの移築した木造住宅2棟で倒壊状況を比較実験したそうです。

この実験の目的としては、現在の耐震基準を満たさない木造住宅の耐震性能と、耐震補強した場合の効果を調査するため。
なのでリアル築30年の木造住宅を震動台に移築するという!!

実際の築30年の木造住宅を移築しての実験

一つは現在の耐震基準を満していない移築してそのまま手を加えない無補強住宅、もう一つは耐震補強を施した補強住宅。

阪神淡路クラスの震度7で同時に揺らした結果

無補強の住宅は十秒足らずで2階が1階を押しつぶし激しく倒壊。かたや現在の耐震基準を満たした補強住宅は、一部の壁が崩落するも倒壊はせずという結果に。

 

耐震実験

全日本瓦工事業連盟HPより

大切なのは壁や柱の耐力

つまり屋根材の重さが原因ではなく、屋根材の重さに見合った住宅本体(躯体)の強さにあることがわかりました。

耐震基準が厳しくなる1981年(昭和56年)6月以降に建築許可を得て建てた家はこの基準をクリアしていますが、実験でもわかる通り旧耐震基準の場合でも適切な補強をすれば耐震性を確保できます。

まずは耐震診断をお勧めします!!

 

この実験で注目なのはガイドライン工法の瓦屋根

補強している住宅としていない住宅2棟とも屋根はガイドライン工法で施工だったそうですが、両方とも崩れていない!!

 ガイドライン工法とは

平成13年、最新のデータに基づいて研究・実験を繰り返しできた工法で「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」といいます。震度7にも耐え耐震力が飛躍的にUP!!

台風などの強風にも強い工法

風が通り過ぎるときに生じる「瓦を巻き上げるカ(内圧)」にも、風が瓦屋根の表面に当たったときの外圧と、持ち上げようとする内圧を緻密に計算して施工してあるため、地震だけでなく強風にも強い耐風性で安心です。

ガイドライン工法を施工できるのは屋根屋

このすばらしい施工は、全日本瓦工事業連盟に所属する工事店または有資格者のみとのことなので、瓦屋根のガイドライン工法のご相談はご近所の屋根専門業者へお問合せください。

 

 

全国どこからでも、分からないことや質問などありましたらお気軽にお問い合わせください。

それではまた

 

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日々会社に舞い込むお困り事や作業内容を基に、
いつか立派な屋根屋スタッフになれる日を夢見て勉強中。

井上 利里子(イノウエ リサコ)
【ニックネーム】 Ri-chang
【最近】  本を読むとき立って読むと進む

いのうえりさこです

屋根専門石川商店HP:riverstone-roofing.com


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