『屋根専門店ならではのこだわり』
を屋根専門石川商店の三代目、屋根バカ、石川弘樹が、お伝えしていくために、
前回は、屋根専門石川商店の第2のこだわり
ホールレス通気工法の3つの特徴
について、
【ホールレス通気工法】屋根の次世代標準工法の3つの特徴を実棟現場で解説。
という記事で、紹介しました。
今回は、地震に弱いと思われがちな瓦の屋根の棟部の正しい耐震工事をご覧いただき、
屋根専門石川商店オリジナル
【耐震&通気】棟瓦工法=LIVER2
ここまで工事する会社もあるのであれば、
地震に弱いのは、工事の仕方が悪いだけ
ということを感じて頂けばと思います。
この動画を見てスゴイ!と思ったら、詳しく解説を呼んでくださいね♪
※屋根が可哀想で、こんなことしたくないのですが、分かりやすい表現として、派手に壊そうとしています。
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蹴り飛ばしてもビクともしない瓦の屋根の棟工事とは?
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1,「LIVER2(リバー)」とは?
2,今までと大きく違う2つの長所
3,オリジナルって大丈夫なの?
4,どうやって工事してるの?
5,まとめ
☑頑丈な社寺の技術を一般住宅にも使えないか?
一般住宅では、古い瓦の屋根の棟工事は、土やしっくいだけで瓦の固定をしています。
土やしっくいが長い年月の経過とともに劣化すると、瓦の保持力がなくなるので、
一度もメンテナンスしなかったり、間違ったお手入れをすると、
雨漏りの原因となったり、地震や台風で瓦が落ちたり飛んだりしてしまいます。
Q.ではなぜ、お寺や神社の瓦はビクともしないの?
A.建物と一体化した強固な下地に、棟瓦を直接固定しているからです。
お寺や神社のリフォームは50〜100年以上の周期で行うのが一般的で、
その間にほぼメンテナンスが要らないように施工しなくてはなりません。
その為によく使われているのが「箱棟工法」という工事の方法です。
この技術を一般住宅に応用することが出来ないかと、思案した結果生まれたのが、
軽量・通気・耐震棟「LIVER2(リバー)」
です。
長持ちさせるための「通気性」
地震に強くするための「軽量化」と「頑丈さ」
一般住宅でも気軽に使える「経済性」
という、相反する機能性を持つことができる、石川商店の完全オリジナルです!(エッヘン)
LIVER2という名前は、この優れた機能性を表す単語の頭文字を繋げたものです。
L = Light = 軽い
I = Inexpensive = 値段が高くない
V = Ventilate = 換気する
E = Earthquake-resistant = 耐震
R = Ridge = 棟
最後の「2」は、resistantのRもあるので、2乗という意味で正しい表記としては、右上に小さく書きます。
ちなみに、日本語表記の「軽量・通気・耐震棟」でも、
英語表記の「LIVER2(リバー)」でも読みにくいので、
LIVER = リバー = 肝臓 = 肝 = 大事なこと
という意味から肝が2つで
「きもきも」
とカワイク呼んでいただけると嬉しいです♪
☑最大で10分の1の軽量化に成功!
☑既存の瓦が再利用できて経済的!
LIVER2は上で説明したように、昔の瓦の屋根の棟の、重い、高い、換気しない、地震に弱い「棟」とは正反対の強みを持っているのが特徴です。
また、「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」で例示されている工事方法は、
昔からすると圧倒的な進化を遂げて、強化金具、鉄筋、銅線固定などを使った耐震工法となり、
東日本大震災以降は特に積極的に採用されていますが、その主流は「土」を多く使って重い湿式工法。
そこで弊社のLIVER2は土の代わりに「木」を使うので軽量化でき、
バージョン1は、一部に土を使う半湿式工法、
バージョン2は、一切土を使わない乾式工法で、
試験した丸共7段の重さで比較すると、バージョン1で2分の1、バージョン2だと最大で10分の1の軽量化となります。
また、例示されている工事方法の中には、
専用の特別瓦や、専用の特別金具などを使わないと換気が出来ないものもあり高価になりがち。
弊社のLIVER2は、金具は最小限、専用瓦は一切使う必要がないので、材料面で高価にはそこまでなりません。
☑試験場での標準試験をクリアした安心の工法です。
正しい瓦の屋根のお手入れ方法は、10年に一度くらいは点検して、メンテナンスしていきます。
そのメンテナンス方法も度重なる大地震の度に強度を増していると上でお話しました。
その変遷の詳細はこちらの瓦屋根標準設計・施工ガイドラインの変遷をご覧くださいませ。
「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」の中で、棟の工事の方法が例示されており、
強化金具、鉄筋、銅線固定などの、棟瓦の耐震化工事を、例に習って施工する屋根工事店も、東日本大震災以降は確実に増えています。
その中に例示されるには、
「試験体は図Ⅱ−2−27に示すように、棟部の瓦を棟方向の長さを棟補強金物の間隔の2倍分ないし、2m分を実際と同様に野地板上に施工したものを標準とする。
なお、このとき平部の瓦を両側に2段分を実際と同じように葺くものとする。なお、試験には室内で1週間程度養生したものを用いる。
試験体を図Ⅱ−2−27に示すように回転板に取り付け、90度傾け回転させる。横軸の回転速度は棟部に加速度が生じない3rpm程度とする。
試験の合否は10回転の加力で冠瓦、のし瓦が脱落、浮き上がり、異常なずれが見られない場合、水平加速度1Gに対応した地震力に対する耐力があると判定する。」
という試験を通過しなくてはなりません。
ちなみに1Gとは、震度7が0.4G以上となっているので、2倍以上の揺れに耐え得ることになります。
この試験にLIVER2の完全乾式工法のバージョン2で合格しています!
試験の動画はこちらをご覧くださいませ。
上の動画で模擬屋根の組み立てを早回しで紹介しましたが、
少し分かり難いので、実際の工事の様子をご覧いただきましょう。
LIVER2のバージョン1 半湿式工法です。
まずは土台の「箱棟」をつくり、そこに透湿性のある防水シートを貼ります。
隅棟も同じように「箱棟」を設置します。
下地が完了したら、棟以外の瓦を施工します。当然ですが、棟際の瓦も全て固定します。
ここから「棟瓦」を設置していきます。
「棟瓦」と一括りに言っていますが、実は、
・熨斗瓦 のしがわら
・鬼瓦 おにがわら
・丸瓦 まるがわら
という3種類で基本的に「棟」は構成されています。
まずは鬼瓦を設置します。台に使う瓦も鬼瓦もすべて箱棟にビスと銅線固定します。
続いて熨斗瓦を施工します。こちらも箱棟に1枚1枚ビスで固定します。
最後の仕上げに丸瓦を乗せます。こちらも当然ビスで箱棟に固定します。
これで全ての瓦がビスで固定され、完成です。
弊社オリジナルの軽量・通気・耐震棟、LIVER2こと「きもきも」はいかがでしたでしょうか?
古民家のリフォームは、現在の最新工法を取り入れながら、
いかに古民家の良さを損なわないようにするかがポイントです。
屋根専門としてのこだわりを十分に発揮できた工事となり、
お客様にも家にも喜ばれ、大変やりがいのある仕事でした。
今回でこの連載はお終いです。
この連載で、
・自然素材で堅牢な瓦を使った屋根で家を守り、家族のために、長持ちする家にしたい!
・和風の瓦は日本の伝統文化であり、後世に世界に伝えるべき、日本の財産だ!
・でも瓦って、地震とか大丈夫なの???
という疑問をお持ちのあなたのために、
・国交省が推奨する長期優良住宅における、屋根の最新工法である「ホールレス通気工法」で
・日本の神社やお寺などの伝統工法の良いところは損なわずに、地震や台風や噴火にまで耐えられる堅牢性で
・家族の愛を最大限に屋根で表現した屋根リフォームの方法
をお伝えしました。
屋根専門店ならではのこだわりがうまく伝わっていれば幸いです。
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屋根専門石川商店の三代目、1級かわらぶき技能士
石川弘樹(いしかわひろき)です。
【趣味】 ワンピース(マンガ)
【目標】 瓦割り世界チャンピオン
【ブーム】 ルフィ、いけるのか、、、
【困り事】 寝ても寝ても眠い病
屋根専門石川商店HP:riverstone-roofing.com
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