ニチハの屋根材パミールを塗装してしまうと、数年後には剥離がより一層進行し信じられない光景が広がってしまします。リフォーム前には必ず屋根を点検しましょう。
こんにちは、石川商店の林洋道です。今回は昨年施工させていただいたニチハ・パミールからケイミュー・コロニアルグラッサへの葺き替え工事の模様を皆様にご紹介したいと思います。
☑塗装工事で表面が反り上がったニチハ・パミール
今回のご依頼は茨城県にお住まいのお客様からでした。築13年で5年程前に塗装工事をされたのですが、屋根が反り返っていることに気付かれたことがきっかけでご相談をいただき、現地調査から数回のお打合せを経て、屋根の葺き替え工事に着手することになりました。
ただ、今回は屋根の南面に太陽電池モジュールが設置されている屋根です。既存の屋根材を撤去する前に、まずは太陽電池モジュールと設置架台を撤去しなければなりません。
【1日目】
新築当時に設置されていた太陽電池モジュールです。
屋根面に直付けしない架台を使用していました。早速太陽電池モジュールを撤去していきます。
鉄骨で組まれた太陽電池モジュールの課題です。
さすがに13年も経過すると、鉄骨に錆が発生しています。
5年ほど前に屋根の塗装工事をされているのですが、さすがに太陽電池モジュールの下までは塗装されていません。
ただこれが後々興味深い結果をもたらしてくれることになるのです。
【2日目】
屋根材の撤去作業に入ります。
寒い時期になりますと、夜露で屋根表面は濡れていることが多々あります。こちらは太陽電池モジュールが設置されていた南面です。
そしてこちらは北面です。屋根材表面の反り上がりがこんなにも発生していたんです。なんとなくですが炙ったスルメのような感じにも見えますよね。というワケで...
パミール表面の反り上がりがスルメの反りと似てます。
思わず八代亜紀さんの「舟歌」を思い出しちゃいます。
♪お酒はぬるめの~ 燗がいい~
肴はあぶった~ イカでいい~♪
冗談はさておき、まずは棟板金の撤去から...
棟板金と下地の材木を撤去しました。棟部分の屋根材固定用の釘(ラスパート釘)は、ほとんど錆が発生していることはありません。
パミールを剥がすとラスパート釘の錆と屋根材表面の水滴は、必ず目の当たりにします。
では剥がした屋根材の裏側がどうなっているのか?本邦初公開の貴重な動画です。
ルーフィング材(緑色)の状態です。こちらは太陽電池モジュールが設置されていたところと設置されていないところの違いがよくわかる1枚です。
こちらが太陽電池モジュールの設置されていたところの屋根材及びルーフィングの状態です。屋根材が重なっていたところは綺麗な状態です。そしてルーフィング材も綺麗な状態が保たれています。ちなみに屋根材固定用の釘が1本留まっていないところがありますが、これは新築施工当時の屋根業者さんの言わば「手抜き工事」の証拠です。
ニチハは「ラスパート釘(屋根材「パミール」付属品に関するお詫びとお知らせ」というプレスリリースを公表していますが、これはあくまでも「釘」のメッキ処理の問題であって、屋根材の様々なトラブル(層間剥離等)についてはあくまでも「経年劣化である」と主張しています。
しかし今回、太陽電池モジュールの下で13年経過したパミールについては、太陽の光も雨も直接あたる状況ではありませんので、釘の錆どころか屋根材の劣化も見られませんでした。
これらのことから下記のことが言えます。
屋根とは主に建物を覆う構造物で、外の天候の変化、例えば雨や雪、強風や太陽の強い日差し、気温の変化、大気中の粉塵を防ぐ役割を担っているものです。
ニチハ・パミールというスレート屋根材は、直接雨にあたったり、太陽の強い日差しがあたらない屋根であれば、その性能を維持できる。
しかし「雨や太陽の日差しを直接受ける屋根だとその性能は維持できない」ということになります。
パミール発売当初
「厳しい日本の気候から家を守り、安心して暮らせる環境を生み出します」
なんて言ってるんですが、この状況を見る限り、
どこが?( ̄Д ̄;)
って思ってしまいますよね。
屋根材の性能については以前ニチハの担当者が「雨漏りしてなければ性能は維持できている」なんて言っていましたが...
雨漏りしていなければ問題ないの?
パミール発売当時のプレスリリースでは「時代を超えて残していきたい街並みのため、美しく安全な住まいを描き続けます」とあるんです。
10年前後でボロボロになる屋根材を製造しておいて「時代を超えて残していきたい…」なんて…
南面の屋根材の撤去が終えたところです。ルーフィング材の変色具合から、どこに太陽電池モジュールが設置されていたのか一目でわかる1枚です。
全ての屋根材の撤去を終えると、新規ルーフィングの施工に入ります。
ルーフィングが終わると新しい屋根材を荷揚げします。
新たに施工させていただく屋根材は、ケイミュー株式会社より発売されております「コロニアルグラッサ」です。
【3日目~】
3日目以降は新規屋根材を施工マニュアルに沿って施工していきます。
☑屋根工事完了、そして太陽電池モジュールの設置へ
無事に屋根工事が完了しました。
いつもならこの後足場を解体してお引渡しとなるのですが、今回は太陽電池モジュールの再設置工事も承っておりますので、引き続き工事の様子をご覧ください。
屋根工事は完了しましたが、今回は太陽電池モジュールを再設置しなければなりません。
新たに設置する架台システムはNICEグループの太陽光発電システムに採用されている「VIP工法」を採用しました。
特許申請中の架台システムの部材です。
太陽電池モジュールの設置を終え、全ての工事が完了致しました。
これでしばらくは屋根の事に悩まされることなく、安心して暮らしていただくことができます。
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屋根専門60年 石川商店
林 洋道(はやし ひろみち)です
【趣味】旅行、F1チームのウェア集め、西部警察、ネコ
【特技】洗車、タイヤ交換、他クルマのメンテナンス
【最近】マクラーレン・ホンダ2015年支給品Tシャツをゲット!
【出身地】鳥取県米子市
屋根専門石川商店HP:riverstone-roofing.com
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