阪神・淡路大震災、東日本大震災など大型地震が起こるたび、「我が家は大丈夫だろうか」と不安に駆られる方もいると思います。
そんな方々のために、今回は「地震に強い家づくり」についてお伝えします。
まず、これから新築で家を建てる方は、耐震について深く考える必要はほとんどありません。
というのも、現在、建築基準法が改正され、厳しい審査を通過しないと、業者は家を建てられません。値段にかかわらず、数値上の耐震強度は、どの家も必ずクリアしています。
そのため、極端なことを言えば、一般的な住まい手が、耐震について心配しなくても、ある程度の地震に耐えられる家は完成します。
しかし、現在の建築基準が、本当に東日本大震災クラスの地震に耐えられるかは分かりません。
そのため、建築基準よりももっと高い耐震性を保ちたい、また今の家の耐震リフォームをしたいという方は、以下の事柄について気を付けていただければと思います。
1.基礎部分を増し打ちする
増し打ちとは、コンクリートを厚くすること。新築だけでなく、すでに建てられた住宅でも、追加で増し打ちして、耐震強度を上げられます。
2.壁に筋交いを入れたり、柱を太くしたりして、構造部分の強度を上げる
昔の家は、壁や柱がすかすかだったりすることがあります。そのため、筋交いという部材を壁に入れたり、柱を太くしたりすることで、耐震強度を上げていきます。
3.屋根を軽くする
屋根を軽量化するため、瓦屋根から金属屋根に変えたいというニーズは多いです。
確かに、耐震面では、屋根が軽い方がいいのは事実。しかし、瓦屋根を金属屋根に変えると、耐震と引き換えに、
・2階の部屋が今までよりも暑くなる
・雨音がうるさく聞こえる
・結露するようになる
などの事態が生じ、日々の生活レベルが圧倒的に下がるおそれがあります。
このことを知った上で、屋根材を変更するのならばかまいませんが、知らずに変えてしまい後悔しているという事例は何回も聞いています。
そのため、弊社では、まずお客様に上記について説明し、ご理解いただいた上で工事を行っています。
地震は怖いですが、私たちの生活を根本から変えてしまうレベルの地震が、年に何回起きているでしょうか?
その危険度と日々の暮らしに対するストレスを比較した上で、変更するかどうかを決める必要があります。
それならば、1・2を行い、3の屋根には触れないリフォームも良いかもしれません。
また新築の場合、屋根を軽くするとともに、柱を細くしてしまう業者がいます。
そうすると、値段が下がるわけですが、同時に耐震強度も下がってしまいます。
もちろん、数値上の耐震強度はクリアしているため問題はありませんが、せっかく耐震のために屋根を軽くしたのならば、柱のグレードも下げずに、そのままにした方がいいです。
家を購入する時、つい後回しになりがちですが、内装と異なり、基礎・構造部分は建築後に簡単に変えることができません。
トイレ、キッチン、お風呂などの水回り部分は、新製品がすぐ発売されることもあり、20年に1度はフルチェンジした方がいいと言われています。それに比べて、基礎・構造部分は、基本的には建築寿命まで一生付き合う必要があります。
そのことを踏まえた上で、地震に負けない、次世代までつながる家を建築してもらえると嬉しいです。
次回は、「瓦屋根の長所と短所」についてお話しいたします。
創業75年、屋根専門石川商店の三代目。
石川弘樹(いしかわひろき)です。
【資格】
1級かわらぶき技能士、瓦屋根工事技士、全日本瓦工事業連盟認定 瓦屋根診断士、全日本瓦工事業連盟認定 耐震化講師、耐震プランナー、増改築相談員、古民家鑑定士、ホームインスペクター(住宅診断士)、ジュニアリフォームソムリエ、リフォームスタイリスト1級、リフォーム提案士、ライフスタイルプランナー
【趣味】
ワンピース(マンガ)
【目標】
2級建築士、瓦割り世界大会初代チャンピオン
【ブーム】
ブラッククローバー
【困り事】
受験資格がないことが発覚
DIYで作った個人ブログはじめました。
37歳おっさんが残りの半生での日々のチャレンジを綴っています。
http://hiroki-ishikawa.info
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