このたびの熊本地震において被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。一日も早く復旧されることと、皆様の健康をお祈り申し上げます。
過去には1995年の阪神・淡路大震災、2000年の鳥取県西部地震、2001年の芸予地震、2011年の東日本大震災、そして今回の熊本地震でも多くの住宅の瓦屋根に被害が出ているのですが、これらの震災が起こるたびに「瓦は危険」というふうに思われがちですが、瓦屋根業界もただ手を拱いてるいるだけではありません。
「地震大国」と言われる日本にかかせない先進の耐震工法を、瓦屋根の業界団体でもある全日本瓦工事業連盟他が多くの実験・研究を繰り返し確立された「ガイドライン工法」をの一例をご覧に入れたいと思います。
今年2月に発生した地震で...
今年の2月5日の朝、神奈川県東部を震源とするM4.6の地震が発生したのですが、実はこの地震で都内のお客様より「屋根から瓦が落ちてきた」とのご連絡がございましたので、早速調査に伺ったのですが...
この地震では神奈川県の川崎市で震度4を記録したのですが、都内はそれと同等、又はそれ以下だったのですが、それでもここまで崩れてしまっていることに大変驚きました。
ここまで崩れてしまったのは、築年数が40年近く迎えていることに加え、これまで屋根のメンテナンスを一度もしていなかったために発生したものです。
瓦屋根はカラーベストコロニアルなどで行われる塗装工事等のメンテナンスは不要なのですが、地震に備え「耐震化工事」をしておくことで、被害を最小限に抑えることができるのです。
日本瓦における「耐震化工事」の一例
まず、既存の棟瓦を全て撤去し「耐震棟金具」を設置します。
設置した棟金具に鉄筋を通します。これは日本瓦の棟を組むときに使う「のし瓦」を固定するための下地となるのです。
棟際に納まっていた瓦はステンレス釘を用いて固定しておきます。
1段目となるのし瓦を施工します。
のし瓦の緊結状況です。下地となる鉄筋に銅線を使って固定していくのです。
最上段はのし瓦同士を銅線で緊結します。
最後に被せる棟瓦(5寸丸)は、鉄筋に緊結した長めの銅線で固定します。
日本瓦の耐震化工事が完了です。
棟が劣化して崩れやすくなっているサインとは
大きな地震で崩れてしまう棟も多くみられたのですが、今回ご紹介したように小さな地震でも崩れてしまう危険性がある棟もございます。
原因はやはり「中の漆喰の劣化」と言えますが、屋根の上でなかなか分かり難いのが現状。
ですが、一般の方でも「これはおかしい」と気がつかれるポイントがございます。
①漆喰の剥がれ・崩れ
②棟の歪み・ズレ
どちらも漆喰が劣化し、棟自体を固定する力が弱くなっているサインです。
ベランダや窓から屋根をご覧いただける場合は、一度見てみてはいかがでしょうか。
よくある間違ったメンテナンス
訪問営業の業者さんによく指摘される箇所でもある棟。
間違ったメンテナンスで多額の費用が発生してしまったり、安く済んだとしても意味のない工事である事も多いのです。
代表的なものが次の通り。
①ラバーロック工法
建材用の接着剤(シリコン)で瓦を留めてしまう工事です。場合によっては水はけが逆に悪くなり、崩れる崩れないの前に雨漏りの原因になったり、瓦の機能を損なうことにも。
②漆喰の塗り直し工事
剥がれ・崩れてしまった漆喰を上から塗り直す工事。見た目はよくなりますが、中の劣化を直せません。逆に、厚塗りによって雨漏りの原因になる可能性も。
いかがでしたでしょうか。
また、築20年以上経過していて一度も点検やメンテナンスをなさっていないお宅も要注意。何故か、といいますと、
漆喰の劣化があるだけでなく、耐震ガイドライン工法が確立して一般化される前のお宅である可能性があるからです。
今まで屋根を気にしたことなんて無い、という方は一度ご覧になられてはいかがでしょうか。
もし、「自分でなんて見れない!」という方は、お気軽に弊社へお問い合わせくださいませ。
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屋根専門75年 石川商店
林 洋道(はやし ひろみち)です
【趣味】旅行、F1チームのウェア集め、西部警察、ネコ
【特技】洗車、タイヤ交換、他クルマのメンテナンス
【最近】レッドブル・レーシング2016年のピットシャツゲット!
【出身地】鳥取県米子市
屋根専門石川商店HP:riverstone-roofing.com
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