まず、どんな場所にコケは生えているイメージですか?
じめじめしたところ? 鬱蒼としたところ? 水辺や川の近く?
色々な回答があると思いますが、実はコケは日当たりが良い場所にしか生えません。
日光浴をしないと、成長できないのです。
ご存知の通り、屋根の日当たりの良さは抜群です。
また水はけも悪いです。
そのため、適度な日光と水分が残っている北面の屋根にはよくコケが生えてきます。
(南面は日当たりが良すぎるため、水分が残っておらず、コケは生えにくいです)
また公園の近くや裏山がある、神社の横で木がたくさんあるなど緑あふれる環境にある家のほうが、よりコケは生えやすいです。
屋根材ですと、素焼きの瓦(ガーデニングの鉢植えのような無塗装の瓦)や塗装がはげて表面がざらざらしているスレートの屋根材にコケは生えやすいです。
逆に、釉薬を塗っていたり、いぶしてあったりする瓦にコケは生えません。
金属の屋根材にコケが生えているところもあまり見たことがありません。
表面がつるつるしているので付着しにくいのかもしれませんね。
また屋根の「谷」(谷折りに折れている箇所)と呼ばれる部分も注意してください。
水がたまりやすいところには、土やゴミもたまりやすく、コケが発生しやすいです。
特に北面は危険です。
たまに屋根に枯れ葉をたくさん乗っけた神社を見かけますが、一般の家でもそのような状態になると、枯れ葉が朽ちて土に還り、そこからコケや草が生えてしまいます。
屋根だけでなく、雨樋に土や枯れ葉が堆積した結果、草が生えてきてしまうこともあります。
これらの事態を防ぐには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
枯れ葉や土を除去し、清掃することで、草やコケが生えてくるのを防止します。
最初から自然由来の劣化しない高品質な塗料を使用するのも効果的です。
しかし、塗装も数年経てばはげてしまいますので、忘れずに塗り直してください。
もし屋根がすでにコケに覆われてしまったら、業者に連絡して、高圧洗浄でコケを落としてもらいましょう。
キレイに生まれ変わった屋根材に塗装を施すことで、表面はつるつるになります。
日本では屋根や雨樋の掃除といったら、「もう無理、限界!」というところまで来ないとしない人が多いです。
しかし、日本の倍近くリフォーム投資をする、リフォーム先進国・ドイツでは、雨樋を定期的に掃除するだけでビジネスが成り立つほど、家に関心が高いそうです。
家が汚いと、愛着も薄れてしまいます。
屋根がコケや草に支配されないためにも、定期的にメンテナンスしてくださいね。
次回は、「 J形、S形、F形。各瓦の違いは?」についてお話しいたします。
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屋根専門石川商店の三代目、1級かわらぶき技能士
石川弘樹(いしかわひろき)です。
【趣味】 ワンピース(マンガ)
【目標】 瓦割り世界チャンピオン
【ブーム】 なんだか断りそうだな、、、
【困り事】 寝ても寝ても眠い病
屋根専門石川商店HP:riverstone-roofing.com
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