ー教えて屋根屋さん! 第111回ー
新築で家を建てるとき、「屋根の色をどうしようか」と迷う人もいると思います。
屋根の色は何色がベストか、専門家がアドバイスします。
まずデザインを考慮せずにいうならば、屋根の色は薄めの色がおすすめです!
なぜなら、屋根は直射日光を浴びます。
黒や焦げ茶、緑など濃い色を選んでしまうと、70~80℃くらいまで屋根材の温度は上がります。
対して、白や薄いグレーなど薄い色でしたら45℃くらいまでしか上がりません。
これは、屋根材の健康にとって、とても良いことなのです。
例えば、食器も高温になるとひびが入ったり、割れたりします。
屋根材も同じく、温度の変化が激しいと、劣化しやすくなります。
屋根材は野ざらしのため、東京にある家でも、-5~80℃くらいの温度変化に耐えなくてはなりません。
夏は、日が当たるかどうかで、1日の中でもかなりの温度差が出ます。
この温度変化を抑えてくれるのが薄い色です。
残念ながら白は自然素材にはないため、塗装が必要になります。
そのため、自然素材にこだわるなら、なるべく薄い色が好ましいです。
実際は、薄い色の屋根材を選ぶ人は少なく、施主さんの8~9割は茶色、緑、黒などの濃い色を選びます。
これは、重厚感や格式の高さをアピールしたいなどの理由もありますが、最大の要因は、カタログにこれらの色の屋根材しか掲載されていないというのがあります。
屋根材メーカーも、人気のない屋根材は作りたくないので、どうしてもカラーバリエーションに偏りが出てしまうのです。
また最近、流行のデザイナーズ物件では、屋根をスタイリッシュに見せたいと考えるデザイナーさんが多く、金属系のグレーが選ばれることが多いです。
ですが、機会があれば、ぜひ薄めの色にもチャレンジしてみてください。
なかには、壁も黄色やクリーム色、アイボリーなどの薄い色なので、屋根も薄い色ではデザイン的に合わないのでは? と考える人もいると思います。
しかし、現代は箱形といった屋根のないデザインの家も流行っています。
それらの家は上から下まですべて同一の色でまとめられていますが、さほど違和感を覚えません。
そのため、壁の色を考慮するのは大事ですが、薄い色の屋根でも別段、印象が悪くなることはないと思います。
屋根は家全体の1~2割の面積しか占めていませんが、家の外観に大きな影響を与えます。
リフォーム時、施主さんとお話ししていると「我が家の屋根の色って何色だったっけ?」という発言を聞くこともあります。
しかし、家に愛着を持つためにも、ぜひ屋根の色もこだわりを持って決めてくださいね。
次回は、「屋根(雨樋含む)掃除の仕方」についてお話しいたします。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜昭和二十六年創業。屋根に関する製造・販売・工事の全てを経験。
屋根専門石川商店の三代目、1級かわらぶき技能士
石川弘樹(いしかわひろき)です。
【趣味】 ワンピース(マンガ)
【目標】 瓦割り世界チャンピオン
【ブーム】 なんだか断りそうだな、、、
【困り事】 寝ても寝ても眠い病
屋根専門石川商店HP:riverstone-roofing.com
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