石川商店

私契約しちゃったけど大丈夫?屋根の訪販14の定番パターンと解決法【リフォーム詐欺・飛び込み営業】

日差しが暖かくなってきて花の蕾も膨らんでくると、気分も良くなってやる気も出てきます。

ですが、厄介な花粉と共に様々な飛び込み営業の業者さんが動き出す時期でもあります。

 

最近頂戴するお問い合わせも、「知らない業者に指摘されて不安」と言った内容が増えています。今の時期は知らない業者さんの飛び込み営業にお気をつけください!と注意させていただきたいところ。

とはいえ「ウチに来るわけない」「そんなの来たらすぐに気がつくし…」という方も多いですよね。ですが、品川区の消費者センター窓口の方曰く…実際のところ被害に遭われる方のほとんどは「私は大丈夫」と思っていた方だそうなんです。

 

さて、そんな屋根リフォーム・修理の訪販。弊社にお問い合わせいただく内容や職人さんがよく耳にする話を聞いていますと…だいたいパターンや内容が決まっています。もうほとんど定番と化してます。

 

今回は、屋根の訪販でよくありすぎる「11の営業・指摘パターン」を注意点と共にまとめてご紹介!

と同時に、「やばい契約しちゃったんだけど」「とは言っても不安は不安」という場合の解決法をお送りしたいと思います。

 

工事をお願いしてしまったけど、本当に契約してよかったのかな…と心配になっているあなたの判断材料にしていただけますと幸いです。

屋根の訪販・11の定番営業、指摘パターン

  1. 11の営業・指摘パターン
    ■「近くを工事するので挨拶に来た」
    ■「ちょっとお宅の屋根が気になって」
    ■「無料で点検しますよ」
    ■「今ならキャンペーン中です」
    ■「〇〇なのですぐ工事しないと雨漏りします!」
     ・屋根材(瓦)の割れ
     ・てっぺんの金属(板金)の釘抜け・剥がれ
     ・漆喰の剥がれや崩れ
    ■「保険を使って無料でリフォームしませんか?」
    ■「屋根を塗装すると耐久性が上がって長持ちします」
    ■「瓦がズレてます!接着剤で耐震化・メンテナンスフリーにできます」
    ■「瓦は地震に弱いんです。下ろせば家が地震に強くなります」
    ■「屋根が傷んでます。カバー工法なら安く早くできます。」
    ■「ガルバリウム鋼板は軽くてメンテナンスいらずの屋根材です。」
  2. 契約目的を隠して訪問するのは法律違反
  3. 契約してしまった時の対処法
  4. まとめ

 

11の営業・指摘パターン

「近くを工事するので挨拶に来た」

近所を工事中で、挨拶しに来たという見知らぬ業者。とはいえ、これだけでは悪い業者さんかどうか判断はつきません。

工事中は大きな音を立ててしまいますし、埃が舞ってしまう可能性もあります。弊社でも規模の大きいメンテナンスをする時は必ず挨拶まわりをさせて頂いておりますので、むしろ怪しいと決めるのは早いでしょう。

ですがこの時、「実際は工事をしない」業者さんや、挨拶だけのはずが屋根の指摘から契約まで迫る業者さんまでいらっしゃるので、十分に確認が必要です。

「ちょっとお宅の屋根が気になって」

たまたま近くを通りかかった時、あるいは近くで工事をしていて目に止まったと言う方が多いです。

確かに、瓦屋根の棟が大きく曲がっていたり、屋根材のズレ落ちが尋常ではなかったりと、あまりにも気がかりな点があれば気になってしまいます。

しかし実際に指摘されるのは「漆喰が剥がれてません?」「釘が抜けそうですよ」と、下からどころか隣の屋根からも小さすぎて肉眼で見えにくい場所の指摘をする業者さんがいらっしゃいます。

「どこから見たのか」「どうやって見たのか」が曖昧な時は、ご自身でも下からご覧頂くか、改めて別業者に依頼をかけた方が安心です。

業者から指摘され不安を覚えたお客様宅の点検事例はこちら

「無料で点検しますよ」

 

無料だったら、せっかくだから見てもらった方がお得に感じますよね。今屋根業者のほとんどが点検有料です。ですが、いくら無料とはいえ見に来ている人の人件費は発生しています。

そうすると、中にはその元を取ろうとしつこく契約を迫ったり、似ているけど違う家の写真を見せる業者、

さらには屋根の歩き方も知らない「プロを装った業者」や業者が自分で壊して治すという「自作自演業者」までおります。

 

訪販業者が原因で起こった雨漏り事例はこちらから

「今ならキャンペーン中です」

宣伝割引、ご近所割引、角地割引、期間限定……数百万と提示された後に、こんな割引を提案されたらもっとぐらついてしまいますよね。相場もわからないような部位の工事ならなおさら。中には、同じ工事が最初に提示された金額の半額以下になるというありえないキャンペーンも。

とても魅力的に見えますが、工事の料金も他の商品と同じで原価となる材料費・工事費があります。

そうすると大胆な割引の裏に見え隠れしているのは「元々の金額がその金額」「部材のグレードがダウン」「あらゆる面の手抜き工事」。家を守る屋根の工事はそう簡単に割引出来るものではございません。

「〇〇なのですぐ工事しないと雨漏りします!」

今まで頭の上の出来事だった屋根の事なのに、「〇〇しないとすぐ雨漏りしますよ!」と言われると途端に不安になります。

もしも電化製品の上に垂れたら買い換え、こだわった内装に雨染みができたら台無しですし多大な修理が…と、生活圏に影響が出るものですから、急いでなんとかしなきゃ…!!と焦ってしまいます。

しかし、よく考えてみればそれは昨日今日起こった不具合ではないはず。言ってみれば、雨漏りしているならとっくにしているでしょう。

早めの対応が必要とはいえ、焦る必要はございません。逆に、問題がなかったはずなのに下手に手を出されたことから本当に雨漏りが起こってしまった事例もございます。

 

このパターンでよく聞く指摘は次の3つです。(タイトルをクリックすると詳しい記事に飛びます)

・屋根材(瓦)の割れ
 …割れているものを放置しておけばいずれ雨漏りにつながりますが、すぐに雨漏りするわけではございません。不具合が多発しているスレートや年数の経っている屋根材でない限り1枚の交換でも十分。

・てっぺんの金属(棟板金)の釘浮き、剥がれ
 …早めの対応は必要ですが、すぐ雨漏りはしません。さらに、釘浮き・板金浮きに至っては遠くから普通に見えるはずのないものです。また、工事をするなら築15年くらいで棟だけ交換する工事で済みます。

・漆喰の剥がれや崩れ
 …漆喰の剥がれは、棟瓦の中に入っている土自体の劣化している証です。とはいえ雨漏りにすぐは繋がりません。ですが、この時「漆喰の上塗り・厚塗り」は無意味だったり、逆効果だったりしますので要注意。もし工事をするなら積み直しが必要です。

「屋根を塗装すると耐久性が上がって長持ちします」

とくにスレート屋根の方が言われることの多いこちらの訪販。外壁を塗るなら屋根もいかが?という業者さんも多いですよね。

 中には「塗装をしないと雨漏りします」なんて仰る業者さんも。

しかし、塗装をすることで「防水性が上がる」「耐久性が上がる」「遮熱塗料で熱くならない」ということはありません。

 屋根の塗装はあくまでも「美観の保持」のみ。下から屋根が見えにくいなど、見た目をあまり気になさらないなら塗らなくとも問題はないんです。

 

実際にスレート屋根材メーカーに聞いてみた記事はこちら

「瓦がズレてます!接着剤で耐震化・メンテナンスフリーにできます」

築年数が20年以上だと、今のように耐震工法で施工されていないお家の方が多く、屋根材もズレが発生してきたり棟が歪んできたりと不具合も発生します。

でも瓦は60年保つから交換はいらずとても長持ち。なので全部接着剤でくっつける「ラバーロック工法」で屋根全体を一体化させれば一生保つ!ずれ落ちないから地震が来ても安心!と勧められるかと思います。

全くもって違います。中でもメンテナンスフリーというのはありえません。

確かに接着剤(コーキング)の接着効果はとても強力で長持ち。ですが、防水性は壁に使うものと一緒で15年程度でなくなります。

そうすると逆に雨漏り・結露のリスクが高まったり、瓦以外の部材が劣化した時や一枚割れの差し替えといったメンテナンスがしにくい、そして何より瓦の再利用ができなくなるとデメリットが多くございます。

 

ラバーロック工法について詳しくはこちら

「瓦は地震に弱いんです。下ろせば家が地震に強くなります」

地震のニュースやドキュメンタリー映像を見ていると、屋根から瓦が雪崩落ちる映像や家が潰れる映像が十中八九流れますよね。

そこに「瓦は重いから地震が来たら家が潰れる。危ない。下ろして金属の屋根材にした方がいい」と言われてしまうと急いで葺き替えの見積もりを契約してしまいます。

ですがそもそも、新築の時から瓦屋根ならその分家も丈夫に作られています。さらに、瓦を下ろしたからといって地震が来ても安全かというと一概にそうとは言えません。

本当に地震のことを考えるのであれば、瓦うんぬんではなく家全体のことを考えることが先決です。

本当に家を地震に強くするための基礎知識はこちらから 

「屋根が傷んでます。カバー工法なら全交換より安く早くできます。」

元々の屋根に新しい屋根を被せるカバー工法は「全部交換するより安くて早く綺麗になる!」と言われると思われますが、実はそうでもないんです。

工期は全部交換する葺き替えとあまり変わりません。また、同様に「ガルバリウム鋼板」を勧められるのですが、こちらは屋根材自体の価格が高く、逆に葺き替えの方が安いこともございます。※屋根材による

また、工事後20〜30年経過した際のメンテナンスは全交換が必須。そうすると、撤去費用が倍になります。

むやみにカバー工法を行うのではなく、今後ご自宅を建て替えたりする予定はないかなどを考慮しなければなりません。

 

 カバー工法を提案された時の注意点はこちら

「ガルバリウム鋼板なら軽くてメンテナンスいらずなので安心です。」

最近よく耳にする「ガルバリウム鋼板」。正直何がどんな風にいいのかよくわからないけど、「メンテナンスは不要です」「錆びません」「夏に暑くなりません」と聞くと何やらすごく良さそうに聞こえますよね。

とはいえ、強そうな武器に聞こえるこちらは金属の屋根材。確かにサビには強いのですが、海が近かったり、台風で飛んできた石で傷がついたりしたものそのままにしておけば錆びますし、

断熱材がついていたりしなければ車のボンネットと同じで目玉焼きが焼けそうなくらい熱くなります。また、商品によっては10年ごとの塗装を推奨しているものもございます。

このように、正しい情報を伏せて誇大な宣伝をしたり、その情報が正しいと考えて勧める業者さんも多いのです。

 

ガルバリウム鋼板の特徴と注意点についてはこちらから

「保険を使って無料で工事しませんか?」


大きい金額になりがちな外回りの工事。積立をしているわけではないのに、一気に数十万・数百万とかかってしまうのは家計にも厳しいところです。

でもやらないといけない雰囲気だし、雨漏りしたら困るし…そんな中、「火災保険を使って0円リフォーム!」と言われたら乗らない手はありません。

確かに、火災保険は火災以外でも台風などの自然災害にも使えることはあります。そうすると、0円で自然災害の被害を直す事は可能です。

 

ですが自然災害を装った劣化修理や屋根リフォームは違法で、いわゆる保険金詐欺にあたります。ですので、しっかり保険会社に確認する必要があります。

また、「保険がおりるから…」と不要な工事まで契約してしまったり、逆にグレード問わずお金が見積もり通りしっかり入るので手抜き工事をされてしまうことも。

 

火災保険でリフォームを提案する保険仲介会社について詳しくはこちら

 

契約目的を隠して訪問するのは法律違反

住宅リフォームに限らず訪問販売や飛び込みセールスなど、アポイントもなく家庭を訪問し、商品やサービスを販売する方法は「特定商取引法の対象」なんです。

ですので、当然のように法律に従わなければなりません。その主な規制は以下の通りです。

【特定商取引法による規制】

■ 勧誘が目的で訪問したことを相手に伝えなければならない
■ 勧誘前には業者名を明らかにする
■ ウソやごまかし、脅したりする勧誘行為は禁止
■ 契約した場合には、8日間のクーリングオフ期間がある

 

つまりは「挨拶に来た」だけなのに「契約を迫ってはいけない」し、屋根の不具合やメンテナンス方法について「嘘をついてはいけない」んです。もちろん、実際の性能を大げさに言ってもいけませんし、デメリットを隠すのもNG。

ですので、当てはまるようなことをされているのであればそれは違法行為にあたります。

 

怪しいのに契約してしまった時の対処法 

①契約した場にいなかった家族や親類に相談する

契約している時はそのことに集中してしまいますし、本気で工事をしようと考えていると思います。

ですが、少しでも不審な点があったのであれば、その場にいなかった家族に相談しましょう。そうしますと、業者の説明を直接聞いていない分、

「うちには近々建て替えの予定がある」「確かに必要だとは思っていた」など、客観的な意見が出てくると思います。

②早めに別な専門業者に相談・点検依頼

親切に言ってもらえたし、契約してからあんまり疑うのも申し訳ないし… でもどうしても不安が拭えない!という時は、まるっきり別な業者さんに点検を依頼しましょう。

もし本当に親切な業者さんと契約できたのなら、ほぼ同じことを言われるでしょう。ですが、本当はいらない工事を勧められていたり、故意に壊されていたり、事実とは違った場合はすぐに教えてくれます。

ただその時は、お客様の意見をしっかりと聞いてくれる業者選びが大切です。

③慌てずにクーリングオフする

他の業者にも見てもらって、この工事と会社やっぱり信用できない!と思われたのであれば、真っ先にクーリング・オフしましょう。

この時、クーリングオフ期間である8日を過ぎてしまっている場合、契約解除が難しくなる場合がございます。ですので、気がついて判断されたらすぐにクーリングオフの手続きをとりましょう。

ただ、訪問販売でなく、お客様自身が業者を呼ばれた場合は適応外となります。

 

独立行政法人国民生活センターによるクーリングオフの資料はこちら

④消費者センターか弁護士に相談する

何かしら言い訳やさらに割引をつけられるなど、難色を見せてクーリングオフを認めてもらえなかったり、逆に先方が「通った手間賃・解約料を払え」などと激昂してきた、そもそも契約書にクーリングオフがないから認められない!といった場合もございます。

業者側自体が法律についてちゃんと理解していない、という信じられないようなこともございます。お近くの消費者センターか、弁護士への相談をお勧めいたします。

 

とはいえ、消費者センターも行きにくいしいい弁護士さんも知らない…という場合は、石川商店からご紹介できる場合もございます。

それでも不安な時は、独立行政法人国民生活センターにご相談いただけますと、法に基づきアドバイスから先方への勧告まで全部やってくれることもあるようです。

 

国民生活センターからのリフォーム訪販注意喚起ページはこちら

 

まとめ 

普通気にしない屋根の事ですから、ちょっと指摘されるとどんどん不安になりますよね。 ですが、興味が薄い分専門家ではない人が営業でまわって来やすいんです。

こうした訪問営業で一番大事なことは【慌ててその場で契約は絶対にしないこと】と【屋根に上げないこと】。これが屋根の営業を受けた時の定番のお約束です。

 

とはいえ、様々な言い回しで訪問されますし、グイグイと迫られてしまうのでちょっとひるんでしまいますし、その親切さに頼ってしまいたくなりますよね。

ですが、そもそもしっかりとした本当に親切な業者さんなら、指摘はしても無理に契約を迫ったりすることはありません。

 

提案された工事が、ご自宅の10年〜20年先にとって本当に必要なメンテナンスなのか。この記事が、そうしたことをもう一度考え直すきっかけになれましたら幸いです。

もし上記のような指摘、または載っていない営業を受けて不安に思われたならお気軽にご相談くださいませ。

 

石川商店からのお願い

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私たちは、屋根にお困りのお客様にとって必要な情報をお伝えしたいと考えております。
お客様の率直なご感想を受け、よりわかりやすくお伝えできるよう精進いたしますので、もしよろしければご協力をお願い致します。

 


入社四年目のしがない事務員『おにゃがわら』
事務したり現場お邪魔したりあっちこっち。

【趣味】 読書、昼寝、考察、夢を文章に起こす。
【目標】 文章構成力の上達。部屋を片付ける
【最近】 暖かい日と寒い日の差が急すぎる
【一言】 昨日やばいくらい寒かったのに…風邪引く…

屋根専門石川商店HP:riverstone-roofing.com


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