弊社のブログで一世を風靡した「ニチハ・パミール」問題ですが、不幸にもリフォーム業者さんが的を絞って「カバー工法」の営業を仕掛けているという情報も入ってきております。安易に「カバー工法」を勧めてくる業者さんには注意が必要です。
そしてここにきて新たなご相談をいただくケースが増えてきております。
それは塗装業者さんからのご相談です。
今回は、「この屋根塗装していいのかな?」「塗装したスレート屋根でクレームが来た…」といったお悩みを持つ業者さんに、塗装してはいけないスレート屋根の事例と対処法をお教えします。
築10年。塗装をしたのに数年後に悪化。
一般的なスレート屋根材(コロニアルなど)は、築10年~15年程度経過すると外装リフォーム(外壁塗装)と一緒に屋根も再塗装されるケースがほとんどです。
外装リフォームを施工されるのは主に「塗装業者」さんになるのですが、実は塗装業者さんの多くは屋根材の微妙な違いをご存じでないのです。
クボタのコロニアルに代表されるスレート屋根材、一般的にスレート屋根材を総称して「コロニアル」と言われているのですが、同じクボタには「グリシェイドNEO」という屋根材が存在しております。
松下電工からは「レサス」さらにニチハからは「パミール」といったスレート屋根材が発売されておりました。
これらの屋根材、屋根業者以外では見た目で判別をすることが大変難しいのです。
しかし、そうした屋根材も特徴がございます。
それは、築10年少しにもかかわらず「歩くだけでパキパキと屋根材が割れる」「水玉模様の剥げがある」といった症例。通常のスレートではありえないものです。
しかし、当然リフォーム業者さんのなかにもご存じでない方が多くいらっしゃいますし、違和感をそのままに塗装してしまう業者さんも。
そして一部屋根材において製品不良が発覚、しかしこの事実は公に公表されることがなかったため、塗装工事後に表面の剥離や屋根材の割れ・脱落といった不具合が発生し、お客様との間でトラブルになっている事例が少なくありません。
ちなみに、不具合が多発するスレート商品はほぼ同じ時期に発売されています。
(塗装工事数年後に表面の剥離が始まったニチハ・パミール)
(塗装工事後に屋根材が割れて欠片が落下する松下電工・レサス)
この時、「いくら割れてたって、塗装で固まってしまえばそれでいいんじゃない?」と思われる方もいらっしゃいますが、塗膜が劣化してくればその固定力がなくなり、数年後にはもともとの屋根材の強度に戻ってしまいます。
そうすると、経年劣化による割れやめくれが逆に目立ってきてしまうだけでなく、塗装工事の際の踏み割れも表面化してしまうのです。
そのため、いくら塗膜をしっかり塗ると言ってもこうした屋根材に塗装は禁物。
対処法としたらほぼ葺き替えしかございません。
もう塗装してしまったなら、業者側の対応が肝心
これらの問題は「屋根材メーカーが事実を公表していない」ところが大きな問題。
お客様も、そして塗装業者さんも被害者の立場に変わりはないのですが、それでもお客様の立場からすると「なんで塗装をしたんだ」という不満が塗装業者さんに向けられるのは仕方ないことなのかもしれません。
一方の塗装業者さんからしても「こんなふうになる屋根材なんてあるの?」というのが正直な感想だと思います。
しかし後戻りすることはできません...
現実に目を向けて、お客様に対して真摯に対応することが信頼を勝ち取ることになるのです。
過去に塗装工事をされたお客様より屋根材に関するクレームを受けたら、まずは弊社までお気軽にご相談ください。
もちろんこれから塗装工事をご予定されている塗装業者さんからのご質問も大歓迎です。
可能であれば現地調査の時に屋根材をアップで撮影していただけるとよいですね。
その写真をもとに、弊社のほうで塗装が可能かどうかのアドバイスを差し上げることができます。
また万が一塗装ができない屋根材だった場合の適切な対処方法(改修工事)についてもアドバイス差し上げることができます。
「建築図面の仕様書欄に記載されているから」といって調査をされない業者さんもいらっしゃるようですが、当時は建築図面と違う屋根材を施工していたケースも多く存在しております。
「コロニアル」と記載があるからと言って点検しないのは言語道断です。
塗装工事の前には入念な現地調査を実施し、塗装しても問題がないかどうかの見極めをすることで、後々のトラブルを回避することができるのです。
屋根専門75年 石川商店
林 洋道(はやし ひろみち)です
【趣味】鉄道写真、旅行、西部警察、ネコ
【特技】洗車、タイヤ交換、他クルマのメンテナンス
【最近】鉄道の写真撮影に目覚めたかも...
【出身地】鳥取県米子市
屋根専門石川商店HP:riverstone-roofing.com