天井の黒いシミは雨漏り? 屋根裏で「 結露 」が起きている可能性も
普段あまり見ない、天井を見ると、見覚えのないシミが、、、ということも少なくないでしょう。
こういう時にいちばんに思いつくのは「 雨漏り 」ですが、実はそれ以外にも原因があります。
それが「 結露 」です。
天井の上、屋根裏 (やねうら) で、結露が起こっている可能性があるのです。
「え? 窓ガラスが曇るあれが、なぜ?」
という声が今にも聞こえてきそうなので今回は、天井にシミをつくる、屋根裏の結露について、お話しします。
【参考】 結露は、空気の急激な温度差で生まれる
そもそも「 結露 」 は、なぜできるのでしょうか?
そんなことは知ってるよ、という方は、この章は読み飛ばしてしまって構いません。
結露は、温度差の高い場所で生まれるのです。
空気は温ければ温かいほど水蒸気をたくさん含むことができ、冷たければ含められる水分量が少ない特徴があります。
なので、温度が高く水蒸気をたくさん含んだ状態で、急に冷たい部分にその空気が触れると空気の温度が下がり、空気の中で保持できなくなった水分が放出され水となり、結露がおこるのです。
結露がおこる条件には、2通りあります。冬型と夏型です。
冬型: 外が冷たくて、中が暖かく湿度が高いので、中に結露が発生すること
夏型: 中が冷たくて、外が暖かく湿度が高いので、外に結露が発生すること
となります。
イメージしやすいのは、
冬型: 窓の室内の水滴
夏型: 冷たい飲み物が入ったコップの外側の水滴
でしょうか。
勘違いしやすいのは、冬におこった結露だから冬型ということではないのです。
冬型の結露が夏におこることも、夏型の結露が冬におこることもあるのです。頭の中が混乱しそうなので、細かくは割愛します。
ここまでをまとめると、
- 結露がおこる仕組み
-
- 冬型: 外冷、中暖・高湿度→ 中に結露
- 夏型: 中冷、外暖・高湿度→ 外に結露
となります。
天井の黒いシミの原因、屋根裏の結露の仕組み
天井の黒いシミの原因のひとつは、屋根裏でおきた結露の水が、天井にシミてきたものの可能性があります。
では屋根裏はどのようにして、結露が発生しているのでしょうか。
上述のとおり結露は、湿度が上がる条件と、温度差が生じる条件が、冬型と夏型で異なり、結露発生の仕組みも変わります。
それぞれの結露について、くわしくお話しします。
屋根裏結露: 冬型
リフォームを検討している、古い家では冬型の結露が一般的なので、冬の結露の話からします。
冬。室内側から、暖房で温められた湿度の高い空気が、屋根裏に上がってきて、屋根裏の湿度がとても高い状態になります。
そして、屋根裏の外気温に近いような、
・屋根の下地の木材の表面
・屋根の下地から飛び出た釘
などの、室内の空気よりも温度が極端に低い部分に、結露を発生させます。
屋根裏結露: 夏型
夏の夜中、外気温が23℃、湿度が97%だったとします。そうすると、わずか0.5℃さがるだけで、結露が発生します。
よってこの状態の屋根裏に、室内側から冷房で冷やされた空気が上がってくると、
・天井裏の木材
・断熱材の表面
・天井仕上げ材の釘
などの、屋根裏の空気よりも温度が少し低い部分に、結露を発生させます。
この夏型結露は、近年の高気密高断熱の家で散見されるようになり、対処法が非常に厄介です。
冬型結露の対策だけを行うと、夏型結露が発生しやすくなりかねないなど、両立が難しいのです。
このあたりは、まだまだ解決策が確率していないので、今後よい対策が出来次第、またお話しします。
屋根裏の結露対策は「 換気 」 するのが合理的
合理的な屋根裏の結露対策は、換気することです。
屋根裏に湿気がこもらなければ、結露はしにくいのです。
もちろん、断熱材や防湿層を設置することで、温度差と湿度の上昇を抑えることで、結露対策をすることもできます。
ただリフォームの場合、天井裏、屋根裏にはさまざまな障害物があるため、完全に防ぐには費用がかかるのが現状です。
なので、直接の原因を取り除くよりも、換気して湿気がこもらないようにするのが、合理的なのです。
リフォームでの屋根裏の具体的な換気方法
リフォームでの屋根裏の具体的な換気方法のひとつとして、屋根のてっぺん部分に「 棟換気 (むねかんき) 」 という換気穴の空いた、屋根のフタを設置することができます。
■棟換気 (むねかんき) 部材
■棟換気 (むねかんき) を設置する部分の屋根に、換気穴をあけた状態
このように、リフォームで棟換気を設置する工事をすることで、屋根裏の湿気を外に排出できるようになります。
まとめ: 天井の黒いシミは、屋根裏の結露の可能性もある
今回の話をまとめると、
- 黒いシミの原因、屋根裏の結露は、棟換気を設置して対策
-
- 結露には、夏型と冬型がある
- 屋根裏では、夏型、冬型の結露がおこる可能性がある
- 棟換気を設置することで、多くの結露は防げる
ということになります。
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- 創業75年、屋根専門石川商店の三代目。石川弘樹(いしかわひろき)です。
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