石川商店

天井からの水垂れは雨漏りか結露。まず自分で湿気対策。ダメならプロに相談。

天井から水がポタポタ。雨漏りしてる?

大雨が降ったときやその翌日とかに床が濡れていたりその上の天井が濡れていたりすることはたまにあります。

ポタポタ水垂れしていると特に古いお宅だと雨漏りかと心配になります。

ただ、それほどの雨でもないのにとか雨が降っていないのに天井が湿っていたり、水垂れしていると原因がよくわからずより気になります。

天井からの水垂れの原因は雨漏りか結露。

天井からの水垂れの原因の多くは雨漏りです。

築年が古いと地震や強風などで建物自体が劣化しますし、屋根や壁の防水機能はは経年で必ず劣化するのでで、長くメンテナンスをせずに放置すると雨漏りしやすくなります。

一般的に防水機能低下により壁のシーリングは10年、塗装は15年、屋根の防水シート(ルーフィング)は30年もすればメンテナンスが必要になります。

部分的な劣化や破損はそれよりももっと早く起きえます。

一般的には少し古い家で起こるイメージですよね。

またもうひとつの原因としては結露があります。

結露により湿気が水となり、それが集まって流れ、天井や壁の一部からしみ出したりします。

冬に窓にたくさんの水滴がつくことがありますが、これが集まるとけっこうな水量になることは想像できるかと思います。

これは比較的建築されてから新しい数年のお宅でも起こりえます。

結露は冬の窓だけじゃない。梅雨の時期に目に見えない所で起きる結露。

結露というと冬の窓にびっしりつく水滴や、夏のビールなどキンキンに冷えたグラスの外側につく水滴でおなじみです。

空気は温度が高いほど多くの水蒸気を含むことができます。

多くの水蒸気を含んだ湿った暖かい空気が冷やされると、含むことのできなくなった水蒸気が水となって空気中からでてきます。

それが物の暖かい空気に触れる表面についたのが結露です。

暖かく湿った空気とそれを冷やす空気よりある程度冷たい物があれば結露は発生します。

 

冬に窓などにつく結露は冬に発生するので「冬型結露」と呼ばれ、建物などでは窓の内側や天井の室内側表面などについたりします。

建物の室内の目につく表面に結露するので「表面結露」とも呼ばれます。

 

そして冬とは内外の温度が逆になる夏も結露は発生します。

この「夏型結露」は湿度と温度が高い外気と冷房で冷やされた室内の温度との差で発生し、壁や床下、天井の中で結露します。

建物の構造部分など目につきにくい場所で結露するので「内部結露」とも呼ばれます。

 

内部結露は実は冬にも起きます。

室内の水蒸気が建物構造部分に入っていくと外気との温度差で小屋裏(いわゆる屋根裏のこと)など目に見えない部分で結露します。

ただ冬の場合窓など目に見える部分でも結露するため、湿気の対策は比較的とりやすいと言えます。

見えてビショビショになっている窓や壁紙を放置している人というのは多くはないと思います。

 

なお、気密性の低い古い家では家内外の温度差が小さいので屋根や天井の結露の危険は小さくなります。

高気密を謳う近年の住宅ほど家内外の温度差が大きくなるため結露が起きやすくより丁寧な施工が求められます。

内部の結露は気づきにくく、被害も大きい。

さて内部結露は表面結露とは違い、「構造部分」で「目につきにくい」という点で家にとって危険です。

目につきにいため気づきにくく長く放置されがちで、目に見えるようになった段階ではある程度被害が進んでいることもあるからです。

また床下であったり、小屋裏、屋根などを構成する木材など建物構造部分で起こるため、窓枠や壁紙などの表面的な部分に比べその被害は大きなものとなります。

さらに湿気によって発生するカビは住む人の健康を損なう恐れもあります。

天井の内部で起きる結露の仕組み。

冬の場合、湿気を含んだ暖かい室内の空気が壁や天井の隙間などから壁や小屋裏に移動。

断熱材の外側付近に到達すると冷えた外気や夜になって急激に温度が下がった釘など金属の影響で結露。

そして周囲の木材を濡らすとともに、水分は湿度の高い方から低い方へと移動するので水分が断熱材から小屋裏内や壁の木材へ移動。

水が集まって流れ落ちてシミをつくったり、水垂れとなります。

 

夏の場合、暖かく湿度も高い外気から湿気が壁や屋根などの内部に移動。

冷房で冷やされ天井材や壁材の外側で結露。

また屋根が日差しで温められその熱で屋根木材の含む水分が水蒸気となって放出され、断熱材へ移動して冷房で冷えた天井材の外側で結露。

その水分が木材を濡らし、次第にシミや水垂れになります。

まずは自分でできる湿気対策

必要以上の湿気は建物を傷めます。

また湿気によって発生したカビは住んでいる人の健康をむしばみ兼ねません。

建物と住んでいる人のためにまずはご自分でできる湿気対策をしましょう。

窓を開けて換気をする

湿気対策でもっとも重要なのは換気です。

窓や扉を開ける場合には2カ所以上あけて風の流れを作りましょう。

窓が1つだけという部屋の場合には引き違い窓のなら両側を半分ずつ開けるようにしましょう。

換気をするときには押し入れなどの扉も開けておくと、その中の湿気も取ることができます。

換気扇を回す際にも外気の取り込み口となる窓を開けましょう。

サーキュレーターを使用する場合には排気しようとする窓の外に向けて回すか、風上から風下向けて風の流れ助けるように設置します。

外気を取り込もうとして吸気する窓から部屋の中に向けて回すのは室内が正圧になり湿気を小屋裏や壁、床内部に移動させる力が働くのでよくありません。

洗濯物の部屋干し

梅雨の時期には部屋干しになりがちですが、浴室に換気扇があるなら洗濯物はその換気扇を回しながら浴室で干しましょう。

室内に干す場合は、雨が降っていないなど窓が開けられるようなら乾燥中や乾燥後に開けましょう。

お湯を使用する場合には換気扇を使用する

お湯を沸かしたり調理で火を使う場合や、食器を洗うなどお湯を長く使用する際には換気扇を使用しましょう。

調理中や洗い物の際の湯気はなかなかのものです。

換気扇を使用する際には吸気用にどこかの窓も開けるようにします。

火やお湯を使いを終わっても少しの間は換気扇を使用したままにしておくとより良いです。

お風呂を使用した後は水を浴室の壁にかける

お風呂は大きな湿気の発生源です。

使用後には窓を開けたり、換気扇を回しましょう。

また、やるのはめんどくさいですが、浴室の壁に水をかけて冷やし、さらにタオル等で水気を拭き取ると効果は絶大です。

過剰な植物の設置はしない

観葉植物などの緑が多い部屋はなんとなく心が癒やされる感じがしますし、空気もきれいになるイメージがあります。

実際いずれも効果があるように思いますし、植物は蒸散により水蒸気を放出しているため特に冬には部屋の乾燥を防ぐ効果もあります。

しかしあまりにも多くの植物を置くと湿気が多くなり結露の原因になります。

植物は部屋の大きさに見合った量にしましょう。

水槽の設置も注意が必要

魚が好きで飼っていらっしゃる方も多いと思いますが、水槽もまた湿度を上げる要因のひとつです。

加温していない場合にも蓋を設置する方が望ましく、適宜窓を開けるなど空気の入れ換えもしましょう。

また換気しやすい玄関などに設置するというのも良いでしょう。

家具などと壁・床の間に空間をつくる

家具などが壁や床にベタ付けされていると湿気が抜けにくいです。

できれば家具を壁から5cm程度離すなど風が通り易いように設置しましょう。

ソファーなどもロボット掃除機に対応するような足元の空間が大きいものの方がより望ましいです。

除湿機を使う

購入する費用に目をつぶれば、除湿機を使うのは手っ取り早いです。

また衣類や押し入れをカビから守るための除湿剤も湿気対策には有効です。

それでもダメならプロに相談。

湿気対策を十分にしてもなお天井のシミが濃くなったり水垂れが続く場合には雨漏りにせよ結露にせよ根本的な対応が必要となります。

天井からの水垂れの原因の多くは小屋裏や屋根にあります。

壁からの場合には壁の他、屋根からの水が下に流れて壁に出てくることがあります。

施工された屋根工事業者、ハウスメーカー、あるいはお近くの屋根屋さんなどに相談しましょう。

 

雨漏りかどうかは水垂れが起きる条件がどういう日なのか、散水試験の実施、小屋裏等の状態を点検し、プロの経験を加味して原因の場所を探します。

また、結露の場合には、小屋裏や屋根木材の湿度、断熱材の状態、通気層の状態を確認し、棟換気を設置する、通気層の確保するなどします。

いずれの場合でも、高気密住宅ですと天井の濡れに気づく状態だと内部の状態悪化はある程度進んでいたりします。

状態を改善させる必要はありますが、大がかりな修繕工事になる場合には金額や工事の適正など慎重に判断しましょう。

 

石川商店では屋根や天井の点検、修理のご依頼だけでなく、判断に迷ったり、業者の判断や提案する施工方法、金額が適正かどうかなどのセカンドオピニオンを聞きたい場合のご相談も承っています。

 

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