飛び込み営業の業者が指摘しやすい「棟のズレ」や「瓦の割れ」
築30年ほど経ち、見た目に経年を醸し出すころが業者のねらい目のようです。
ある日業者が訪ねてきて、「棟がズレてる」「瓦が割れてる」と指摘され
ラバーロックという工法で屋根瓦をくっつけて丈夫にしたほうがいいと勧めてきたとのこと。
ラバーロックとは瓦同士を接着剤でくっつける施工方法
瓦はだいたい30センチ四方で隅に切り込みがあり、その切り込み同士を合わせ重ねていき屋根になります。
だいたい建坪30坪くらいの屋根で1500枚ほどつかうのだそうです。
その瓦との隙間をシーリングやコーキング剤という業務用接着剤でくっつけちゃう方法。一見頼もしく見えるけど・・・
瓦同士をくっつけてしまうとどうなるか
・部分補修ができなくなる
・葺き直しの時に瓦を再利用できなくなる
・瓦の下にある隙間の空気の流れが無くなり、結露が起こる
・空気層による断熱効果などが無くなる
などなどいいことないようなんですけど~~
瓦は隙間から下へ下へと雨水をうまく流していきます。ほんの少し入る流れなかった水は防水シートで防ぎ、屋根の土台まで入り込むことはありません。その下へ流すための道を接着剤でとめてしまうとどうなるか。逃げ道が無くなった雨水は中へたまっていきやがて防水シートでの防水能力を超え雨漏りになっていきます。そもそも隙間があるからこそ雨漏りにならないんですものね。
本当にラバーロックは強いのかそうでないか実験やってみた
実際に産業技術センター三河窯業試験場で公式な実験を行いました。動画で見ていただくのが一目瞭然。まだ回転ぐるぐるする前に全部瓦が落ちてしまいました。くっついているので落ちる時は一度にバサッーーです。
ということで石川商店ではご案内すらしていない工法なのです。
ラバーロック工法の費用はだいたいどれくらいか
原材料から作業代などを加え見積もりを試しに出してみると、、、
建坪30坪と仮定して
原価400円くらいの接着剤を250本(1本3m分)10万円、作業は2人で1日あればできるので4万円(2万×2人)。
ざっとですが14万円くらいが施工費用の目安とのことでした。
悪徳なリフォーム業者の営業ではこれを100万円と平気で見積もってくるそうです。
瓦屋根に本当にいい工法はコレ
地震や台風に強い工法という“ガイドライン工法”があります。全日本瓦工事業連盟他が多くの実験・研究を繰り返し確立された震度7くらいでも瓦が落ちないという工法です。この工法も用いつつ、瓦のサイクルとして2、30年で棟の取り直し工事。そして4,50年目あたりに葺き直し(瓦再利用)or葺き替え(新しい瓦に変える)というメンテナンスの目安で予算を組んでいくのがいいかとおもいます。もちろん途中点検をして小さい不具合は都度修理。
メンテナンス費用の目安はこのようになってます
日本瓦の棟の取り直し 1.5万円/m 30万円
日本瓦の葺き直し 1.0万円/㎡ 100万円
日本瓦の葺き替え 2.0万円/㎡ 200万円
が目安となります。この計算は、
建坪が30坪、葺き直し時の瓦の再利用率90%、
寄棟の平均棟長さ20mとした時の目安です。
ちなみに1坪=3.3/㎡です。
屋根について、疑問質問ありましたらお気軽にご連絡ください。LINE@もやっています!三代目が丁寧にお応えいたします。
日々会社に舞い込むお困り事や作業内容を基に、
いつか立派な屋根屋スタッフになれる日を夢見て勉強中。
- 井上 利里子(イノウエ リサコ)
- 【ニックネーム】 Ri-chang
- 【目標】 道を覚える人になる
- 【最近】 戸越銀座商店街の気になる居酒屋に行った!
屋根専門石川商店HP:riverstone-roofing.com
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