石川商店

【瓦屋根の漆喰のはがれ修理】数年後またはがれ出し今度は葺き替えを勧められている

漆喰

漆喰がポロポロと剥がれて屋根に散らばっていたり、通りすがりの業者風の人に指摘されたりと、瓦屋根のお宅で漆喰の剥がれに悩んでいませんか?
構造を知れば取る対処法が簡単にわかります。

棟の漆喰はがれ修理後、たった4年でまたかなり落ち始めてきてしまった

瓦屋根の勾配の合わさる頂上を『棟』といいますが、そこに絶妙な角度で積まれた瓦と瓦をガチっと固定するために漆喰が使われます。あと美観のため。

今回ご相談の方は、その漆喰が4年ほど前にも剥がれて修理したのにまた剥がれて、今回業者からは葺き替えを勧められているとのこと。

でも、葺き替えはかなりの金額がかかるため、もう少し判断材料が欲しいとのことでメールいただきました。

 

漆喰の剥がれは何故おこるかのメカニズム

棟瓦の下にある『葺き土(ふきつち)』の劣化がズレや歪みを作っています。

頂上の棟瓦の下には粘土質の『葺き土』と呼ばれる土が載っていて、この土が棟の『のし瓦(熨斗瓦)』の角度を絶妙に調整し雨水が入り込まないよう施工されています。

その『葺き土』に雨水があたらないように防水の役目が漆喰です。さらに横からの美観を保つ役目も担っています。

30年以上してくると土がポソポソに劣化してしまい、瓦を固定している力が無くなり瓦の重さで崩れだし、そのまま漆喰が葺き土に押し出されてしまった状態が、漆喰の剥がれです。

つまり漆喰が剥がれているからと、上からいくら漆喰を塗り固めてもまったく意味がありません。

根本から原因を直さなくては!

本当に必要なのは棟の積み直し

根本原因が葺き土の劣化ということで、おすすめする工事は『棟の積み直し(取り直し)』です。

棟瓦を一旦外して土などを新しくしもう一度積む施工になります。
これはリフォーム業者ではできないので、ちゃんと瓦を葺ける瓦職人に依頼してください。
取り直し後20~30年経ったころには、葺き直し工事(瓦の再利用)をして防水シートの交換と最新の耐震工法での施工しておけば、引き続き数十年安心して暮らすことができます。

本当に葺き替えが必要な工事なのか見極めるには

今回ご相談くださったお宅は築37年ということで、耐震基準が厳しくなる1981年(昭和56年)6月以前に建築許可を得て建てた家かどうかの境あたりです。
もし旧耐震基準だった場合は、適切な補強をすれば耐震性を確保できます。まずは一度耐震診断を受けることをお勧めします。
役所等で問い合わせていただくと、地元の建築士が診断に来てくれ、診断費用に補助が出るとおもいますので、そこから今後の計画を立てるほうが無駄なく安心の屋根ができあがるとおもいます。

耐震性が確保された上でガイドライン工法をすれば地震や強風にも安心

メディア情報などから瓦屋根に不安をお持ちの方は多いかもしれません。しかし今は、全日本瓦工事業連盟他が多くの実験・研究を繰り返し確立された「ガイドライン工法」という施工方法が確立されていて、瓦屋根にこの施工すれば震度7の地震にも瓦は落ちません。

これは木造住宅の地震時の損傷状況や倒壊過程を正確に検証できる耐震シュミレーションソフト【ウォールスタット】からも証明されています。

屋根に関して業者の言葉がわからないとか、その場で質問できなかった内容などなど分からないことがありましたら、下の青いボタンから、またはLINE公式アカウント、お電話などからもお気楽にご相談ください。自社営業は一切いたしませんのでご安心を!

それではまた


日々会社に舞い込むお困り事や作業内容を基に、
いつか立派な屋根屋スタッフになれる日を夢見て勉強中。

井上 利里子(イノウエ リサコ)
【ニックネーム】 Ri-chang
【目標】 道を覚える人になる
【最近】 歩く前にスクワット10回

屋根専門石川商店HP:riverstone-roofing.com


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