漆喰の剥がれを“すぐ雨漏り”と思わないで大丈夫です
瓦屋根の上にパラパラっと白っぽい破片が散らばっていた場合、それは漆喰の剥がれかもしれません。
よくその破片を見た通りすがりの業者の方が、親切にも「早く工事しなくては雨漏りしますよ!」と教えてくれるのですが、下に防水シートが全面貼られているので、そんなに慌てなくて大丈夫です。
特に台風が通りすぎた後あたりから訪問が急増するらしいので、“すぐには雨漏りしない”ということ頭の隅に覚えておいてください。
それでも気になる漆喰の剥がれ。DIYで補修はできるのか
ホームセンターで漆喰を買ってきて上から塗り固めてしまえばいいかというとそうではないんです。残念ながら…。
それどころか上塗りすることで、雨水の逃げ道を塞ぎ時間をかけて瓦の下へと染み込み雨漏りリスクが上がってしまいます。
時々屋根屋じゃないであろう業者さんに施工されたとみうけられる、残念なほどべったり上塗りされた屋根を見かけます。
漆喰の剥がれは根本的原因を取り除かないと意味がない
屋根の勾配の重なったところが『棟(むね)』と呼ばれる部分。
丸形の『冠瓦』や『丸瓦』平べったい『のし瓦』などの棟の瓦を『葺き土』の上に重ねて固定してできています。
この葺き土部分が見えないよう美観のため、雨水が直接あたらないために白い漆喰は塗られています。さらに漆喰自体も瓦からはみ出てしまわないよう丁寧な施工が必須です。
20年以上経ってくると葺き土の保湿性が弱まり棟全体が潰れたり、漆喰にヒビが入ったりしてしまう現象があります。その現象が出てくるということは、外からは見えない瓦の下の部分で劣化が進んでいるということです。この根本原因を正しくメンテナンスしないと、外から漆喰を塗ろうがなんだろうが何も解決はしないのが事実。
積みなおしという、瓦をいったん外して中の土を取り換える工事が必要
だいたい築20年くらいで屋根全体を点検をし、頂上部分の棟だけを積みなし工事しておけば、もう20年近くは大丈夫。 下の防水シートの耐用年数のタイムリミットがあるので3,40年経つ頃には、屋根全体のメンテナンスを計画しておいてほしいとおもいます。
瓦の場合、いったん外して防水シートを新しくしたら、また同じ瓦を葺き直せるので長い目でみると確実に経済的です。
技術も進み瓦屋根の施工方法も『ガイドライン工法』という阪神淡路大震災級の震度7クラスの揺れでも崩れないという実証実験済みの耐震工法が確立していますので、合わせてご参考にしてください。
それではまた
日々会社に舞い込むお困り事や作業内容を基に、
いつか立派な屋根屋スタッフになれる日を夢見て勉強中。
- 井上 利里子(イノウエ リサコ)
- 【ニックネーム】 Ri-chang
- 【趣味】 阿波踊り、クラシックギター、街散歩
- 【目標】 道を覚える人になる
- 【最近】 ファンデーションに日焼け止め効果はほぼないと知ってショック!
屋根専門石川商店HP:riverstone-roofing.com