今回は、日本の屋根職人の仕事範囲についてお話します。
日本では屋根の下地づくりは大工さんが行います。そのため、下地づくり完了後から、屋根屋さんの仕事が始まります。
まずルーフィングをすることで防水を行います。ルーフィングはどの屋根材でも必ず共通して使っている重要な副資材です。
その後、瓦を固定している木材を並べます。 その上に瓦を並べていきますが、瓦だけではどうしても防水できない壁際の接合部分などには金属を使ったりもします。
昔はトタンやブリキ、さらに大昔になると、接続部分には銅板などを使っていました。
それらを使って、一般的には水切りとよばれる金属で水を切るための通路をつくってあげます。 最近は防水だけでなく、地震に強くするために何かしらの金具を使うことも増えています。
日本の屋根屋さんの主な仕事範囲はここまでですが、ドイツでは屋根屋さんが屋根の下地づくりも行います。下地を打つか打たないかも屋根屋さん次第。構造から防水まで行うのがドイツ流です。
日本の屋根屋さんも、ドイツの屋根屋さんもメインの仕事は“防水”。
でも、ドイツでは、雨で受けた水を地面まで流すのが屋根屋さんの仕事だよね、という認識のもと雨樋なども屋根屋さんの範疇になっています。
またドイツでは煙突も屋根屋さんが担当します。
日本では煙突の防水は屋根屋さんがしますが、煙突そのものは煙突屋さんが対応します。
トップライト(天窓)は、下地をつくる必要があるので、大工さんの担当です。
屋根屋さんは防水のみで、装飾物を付けるのは他の業者さんの仕事になることが多いです。
しかし個人的には、日本でもドイツみたいに屋根屋さんが下地づくりからしてもいいのではないか、と思っています。実際、リフォームなどでは、下地づくりは屋根屋さんの担当です (屋根屋さんが引き受けて、知り合いの大工さんに依頼するケースもあります)。
屋根全体を管理するという意味では、屋根屋さんが担当した方が合理的な部分も多いと思います。
もちろん、お寺みたいに反りや曲線がある屋根の下地は本職である宮大工さんの領域であるので、屋根屋さんがおいそれと手出しできるわけではありませんが……。
新築の構造部分は大工さんときっぱり分かれている日本ですが、リフォーム主流の世の中になりつつあることで、屋根屋さんの活動範囲も増えていくかもしれません。
そんな屋根屋さんの活躍を今後も期待していてくださいね。
次回は、「屋根によって日当たりは変わる?」についてお話しいたします。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜昭和二十六年創業。屋根に関する製造・販売・工事の全てを経験。
屋根専門石川商店の三代目、1級かわらぶき技能士
石川弘樹(いしかわひろき)です。
【趣味】 ワンピース(マンガ)
【目標】 瓦割り世界チャンピオン
【ブーム】 なんだか断りそうだな、、、
【困り事】 寝ても寝ても眠い病
屋根専門石川商店HP:riverstone-roofing.com
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屋根で損する人をゼロにしたい、屋根屋の三代目です。
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