本記事の目次
【東京都江戸川区】コロニアルグラッサからスーパートライ110サンレイへ。屋根葺き替え工事の事例
屋根で損する人をゼロにしたい、みんなの屋根の相談所、石川弘樹です。
今回は東京都江戸川区で、コロニアルグラッサから、三州陶器瓦「 スーパートライ110サンレイ 」へ、屋根の葺き替え工事をおこなった事例を紹介します。
築4年ととても早い段階で、屋根の葺き替え工事。
屋根材の不具合と、工事のミスなどで、今の屋根でこのまま長く住むことへの抵抗が日増しに強くなり、頑丈な瓦屋根への葺き替えをすることになりました。
瓦屋根の葺き替え工事は、2週間で完了
今回の屋根の葺き替え工事は、1人で実質2週間ほどで工事を完了しました。
工事の流れは、こんな感じです。
- 瓦屋根への葺き替え工事の流れ
- 手順① 古い屋根材の撤去 【120〜180分】
- 手順② 防水下地、瓦固定木材の設置 【180〜300分】 ※ここまで多人数で1日
- 手順③ 瓦の荷揚げ〜通常部の瓦設置 【3日〜7日】
- 手順④ 棟部など、仕上げの瓦工事 【3日〜7日】
- 手順⑤ 工事完了 【合計2週間】
順番に工事の様子を、写真つきで解説します。
手順⓪ 工事前状況
こちらが、工事前の状態です。
(点検時にドローンで、屋根に上がる前に撮影しています。)
■全景
屋根の詳細は、こんな具合です。
■詳細
もともと、違う工事で使う足場があったので、その足場を利用して、瓦屋根への葺き替え工事をします。
手順① 古い屋根材の撤去 【120〜180分】
まずは古い屋根材を、はがしていきます。
■古い屋根材の撤去
■撤去完了
既存の屋根材は、およそ2時間で、はがし終えました。
手順② 防水下地、瓦固定木材の設置 【180〜300分】 ※ここまで多人数で1日
つづいて、新しい防水シート (ルーフィング) を貼っていきます。
■防水シート貼り
防水シートを貼りおわったら、瓦をひっかけて固定するための下地木材「 瓦桟 (かわらざん) 」を、設置します。
■瓦桟の設置
この瓦桟を、ベタッと防水シートの上に固定してしまうと、雨水の逃げ場がなくなり、雨漏りの原因になってしまうので、木づり (きづり) という、木材と防水シートの間に、スキマをつくるための部材もあわせて、設置します。
■木づりを、瓦桟の下にはさむ
木づり (写真の白い細いモノ) は、文字どおり、薄い木材を使用したり、ポリエチレン製のテープ上のモノを使用したり、瓦桟自体に水抜き穴が開いてるモノを使用したりします。
石川商店では、通常は、ポリエチレン製のテープを使用します。
手順③ 瓦の荷揚げ〜通常部の瓦設置 【3日〜7日】
つづいて、瓦を屋根の上にあげる「 荷揚げ (にあげ) 」をします。
■荷揚げ
瓦を固定する瓦桟に、ひっかけるようにして仮置きしてあるので、途中でズレ落ちたりすることも、まずありません。
材料をすべて屋根の上にあげおわったら、通常部の瓦を設置していきます。
■通常部の瓦の設置
手順④ 棟部など、仕上げの瓦工事 【3日〜7日】
通常部の瓦の設置がおわったら、「 棟 (むね) 」などの、仕上げの瓦を設置していきます。
■棟部など、仕上げの瓦設置
手順⑤ 工事完了 【合計2週間】
以上で、工事完了です。
■工事完了
瓦屋根への葺き替え工事で、全部で2週間くらいの工事です。
石川商店の瓦屋根は、安心安全、メンテナンス費用節約、快適 【手順③④詳細】
石川商店の瓦屋根の標準仕様を、解説しながら、手順③④の、新しい屋根材の設置を、くわしく解説していきます。
- 石川商店の屋根は、安心安全、メンテナンス費用節約重視、快適
- 防水シートは、高品質高耐久で、防水性向上
- 瓦の固定木材は、通常の1.8倍の太さを使用
- 瓦の台風・地震対策固定で、安心安全
- 雪止め金具の全階全面設置で、安心安全
- 屋根裏換気の設置で、結露対策
防水シートは、高品質高耐久で、防水性向上
すべての屋根の防水の耐久性は、おおかた防水シートの保ちによります。
なので石川商店では、田島ルーフィング株式会社の「 ニューライナールーフィング 」を使用します。
これは、超大手の注文住宅が使用している防水シートで、それを標準仕様にしています。
■防水シートは、高品質高耐久
瓦の固定木材は、通常の1.8倍の太さを使用
瓦の固定用の木材、「 瓦桟 (かわらざん) 」は、15mm X 30mm を使うように、施工マニュアルに指示があります。
そこを石川商店では、防腐処理された木材で且つ、18mm X 45mm を、標準仕様としています。
昔の瓦屋根の細い瓦桟の腐食が原因で、瓦がずり下がっていることが、多々あるからです。
■瓦の固定木材は、標準の1.8倍の太さで防腐処理されたモノ
瓦の台風・地震対策固定で、安心安全
瓦の台風・地震対策で、しっかりと固定する工事方法は、国交省と瓦の業界団体で決められた方法があります。
これを「 ガイドライン工法 」と、いいます。
指針 (ガイドライン) となる工事方法のことで、一定の基準があって、いろいろ具体的な方法は、各工事店でやってね、という感じです。
ガイドライン工法の触りだけをちょっと解説すると、
・台風や地震で、瓦が落ちない飛ばないようにしてね
・被害にあいやすい部位を、よりしっかりと固定してね
というモノです。
一般的な屋根では、屋根の中央部分がうける風の力を「 1 」 とすると、
軒先「 2 」 (のきさき):屋根の先っぽ
けらば「 2.5 」:屋根の横はじ
棟「 5 」(むね):屋根のてっぺん
と言われています。
実際に、2018年の台風24号、2019年の台風15号、19号での、和瓦、洋瓦の屋根の台風後の石川商店への修理依頼でも、この数字が高い部分に、あきらかに被害がでています。
これら直近の台風での被災事例を反映し、ガイドライン工法をさらに強化して、しっかりと対策をしていきます。
軒先は、あおり止めフック+ ビス2本で固定
まずは、軒先。
最近の瓦は、左右と上の瓦との重なりだけではなく、下の瓦にも先端部分をおさえてもらって、めくり上がりを防止しています。
ただ先端の軒先の瓦には、下の瓦がないので、あおり止めのフックになる釘を追加する必要があります。
さらに瓦の固定釘は、通常部は1本の釘打ちを2本にします。
■軒先の瓦の固定
ステンレスビスを使って固定しているのは、石川商店のオリジナルです。
棟は、耐震金具+ ビス2本+ ビス穴シーリング
つづいて、棟。
棟の瓦は、その土台となる周辺の瓦の固定から、しっかりとおこなう必要があります。
■棟周辺の瓦の固定
そして、半月の形をした棟の瓦を固定するための木材をとめるための金具を、設置します。
■木材固定金具の設置
この金具を、屋根というか家の骨組みの木材に固定しているので、家の骨組みと棟が実質直結され、とても強力に固定できます。
そしてこの金具に、防腐処理済み木材を設置します。
■棟の瓦固定用の木材の設置
そして、この木材の周辺部を埋めるようにして、土台となる「 なんばん漆喰 」という、土と漆喰が混ぜてつくったより強固な下地の土を盛り、棟の瓦をならべて固定していきます。
■なんばん漆喰の設置
通常は、汚れが目立たない黒色のモノが使われことが多いですが、石川商店では、基本は白色を使います。
メーカーの社長いわく、
「 白に着色料を混ぜて作っているのが黒。なので、白の方が純度が高く、長持ちする 」
ということなので。
棟の瓦は、パッキン付きのビスで、通常部は1本、端は2本で固定するのが、一般的です。
石川商店では、通常部も2本、さらにビス穴にコーキングを注入して、止水性をさらに高めます。
■棟の瓦の固定 ビス2本+ ビス穴シーリング
特に、この半月の形をした瓦だけで納まる「 丸一本伏せ (まるいっぽんぶせ) 」の棟の場合、築15年前後の家でも直近の台風で被災している事例が多々ありました。
このビス穴、釘穴から雨水が伝わって、内部の下地の木材が腐ってしまい、棟の固定がほぼされていない状態になっていたことが原因です。
それを考慮して、石川商店では、ビス穴のシーリングも追加しています。
雪止め金具の全階全面設置で、安心安全
落雪による、雨どいやカーポートやクルマの損傷や、近隣トラブルや安全を考慮し、屋根の全階の全面に、雪止め金具を設置します。
■雪止めの設置
お隣への落雪をより対策するため、2段設置することもできます。
■雪止めの2段設置
雪が積もったときに、負荷がかかるので、瓦も2本止め、雪止め金具もしっかりと固定します。
■雪止め金具の固定
屋根裏換気の設置で、結露対策
屋根裏の結露防止で、換気するための部材を設置します。
まずは、屋根の下地の木材「 野地板 (のじいた) 」に、屋根裏と外気とをつなげる穴をあけます。
■棟換気 開口部
この開口部からの雨漏りを防止するための、金具と瓦固定の下地も兼ねた金具を設置します。
■開口部に専用部材を設置
通常、「 青空 (あおぞら) 」という製品を、使用しています。
棟の工事をすすめていき、棟の瓦の下で、棟換気の設置の最終形は、このような状態になっています。
■棟換気の設置完了
瓦屋根への葺き替え工事の金額は、190〜250万円前後
瓦屋根への葺き替え工事の金額は、1㎡あたり約1.8万円です。
ここに元の屋根材の撤去費用が、別途かかります。
総額で、1件あたり、190〜250万円くらいになることが多いです。
【参考】 瓦屋根の台風・地震被害の予防は、対策工事で最小限に
参考までに、瓦屋根の台風・地震被害の予防方法を記載しておきます。
- 和瓦、洋瓦の屋根の台風被害の予防対策
- 築15年で、棟、けらば、谷の取り直し
- 築30年で、葺き直し、葺き替え
- 金額と工事内容は、瓦と屋根のカタチによって変わる
ということになります。
くわしくは、こちらの記事で確認できます。
■和瓦、洋瓦屋根の台風対策。予防のための補修や工事方法と費用 | 石川商店
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- 創業75年、屋根専門石川商店の三代目。石川弘樹(いしかわひろき)です。
- 【継続は力なり】
- 禁煙2009年〜、ダイエット2010年〜、禁酒2017年1月〜、筋トレ2018年6月〜、禁チョコ爆食い2018年12月〜
- 【資格】
- 1級かわらぶき技能士、瓦屋根工事技士、全日本瓦工事業連盟認定 瓦屋根診断士、全日本瓦工事業連盟認定 耐震化講師、耐震プランナー、増改築相談員、古民家鑑定士、ホームインスペクター(住宅診断士)、ジュニアリフォームソムリエ、リフォームスタイリスト1級、リフォーム提案士、ライフスタイルプランナー
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