本記事の目次
1. はじめに
1-1. 道路沿いで外壁が汚れやすい理由を“1分で”解説
品川区のように交通量が多い道路沿いでは、外壁は常に排気ガス・粉じん・タイヤかすにさらされています。これらの微粒子は非常に細かく、外壁表面の凹凸に入り込みやすいのが特徴です。さらに、雨が降ると汚れが洗い流されるどころか、水分と混ざって黒ずみ汚れとして定着します。加えて、建物の風通しや日当たりが悪いと乾燥しにくく、汚れが蓄積しやすくなるため、道路沿いの外壁は特に汚れが目立ちやすいのです。

2. 汚れの正体を分解する:道路沿い特有の“汚染源マップ”
外壁の汚れは多種多様。道路沿いならではの汚染源が複合的に作用し、その色や性質も異なります。
2-1. 黒ずみの主因(ディーゼル/ブレーキダスト/スス/PMの付着)
ディーゼル排ガス由来の汚れ
ディーゼル車から出る排気ガスには、スス(カーボン粒子)が多く含まれています。粒子が非常に細かいため、空気中を長時間漂い、外壁の微細な凹凸に入り込んで付着します。一度付くと雨では落ちにくく、黒ずみとして蓄積していきます。
ブレーキダスト
車がブレーキをかける際に発生する金属粉・樹脂粉がブレーキダストです。信号や交差点付近で特に多く、油分を含むため外壁に強く吸着します。時間が経つほど酸化・固着し、通常の洗浄では落ちにくくなります。
スス(不完全燃焼粒子)
ガソリン車や暖房設備などから出る不完全燃焼のススも原因の一つです。黒色で視認性が高く、他の汚れと結びつくことで、外壁の色を一気に暗く見せてしまいます。
PM(浮遊粒子状物質)
PM2.5などの浮遊粒子状物質は、排ガス・工事・都市活動など複数の発生源を持ちます。湿気や雨と結びつくことで外壁に定着し、黒ずみやくすみの原因になります。
2-2. 茶色・黄ばみの主因(黄砂/花粉/鉄粉/雨筋汚れ)
黄砂
黄砂は中国大陸の砂漠地帯から飛来する微細な鉱物粒子です。外壁に付着すると、薄い茶色や黄土色のくすみとして現れます。粒子が細かく雨水と一緒に付着するため、乾燥後も表面に残りやすく、特に春先は短期間で外壁全体が汚れた印象になります。
花粉
花粉は付着直後は目立ちにくいものの、雨や湿気を含むと粘着質に変化します。その粘着性が排気汚れやホコリを吸着し、時間とともに黄色から茶色へと変色します。軒下や日陰部分に溜まりやすいのが特徴です。
鉄粉
鉄粉は車両のブレーキやレール、工事現場などから発生します。外壁に付着した鉄粉は、雨水や湿気により酸化し、赤茶色のサビ汚れとなって定着します。一度酸化すると通常の洗浄では落としにくくなります。
雨筋汚れ
雨筋汚れは、外壁表面を流れる雨水が同じ経路を通ることで発生します。雨水に含まれた汚れが筋状に集まり、茶色や黄ばみとして強調されます。換気フードや窓下に発生しやすい汚れです。

2-3. 緑っぽい汚れ(藻・苔・カビ:日照不足/滞水/露結)
藻
藻は外壁表面に付着したホコリや排気汚れを栄養源にし、水分があれば日陰でも増殖します。薄い緑色の膜状に広がるのが特徴で、北面外壁や隣家との距離が近い面に発生しやすくなります。初期段階では洗浄で落としやすいものの、放置すると再発しやすい汚れです。
苔
苔は藻よりもさらに湿潤環境を好むため、地面に近い外壁下部や基礎周り、雨水の跳ね返りが多い箇所に発生します。色は濃い緑で、時間が経つと外壁表面に根を張るように定着します。塗膜の劣化が進んでいると除去が難しくなります。

カビ
カビは湿気と有機物を栄養源に繁殖し、結露が起きやすい場所で発生します。黒や緑が混ざった斑点状の汚れとして現れ、見た目以上に塗膜内部へ侵入することがあります。健康面への影響も懸念されるため、早期対処が重要です。

3. 立地・形状で差が出る:品川区ならではの外壁リスク評価
品川区の外壁汚れは、立地や形状で大きく異なります。特有の環境要因と建物の特徴が汚れにどう影響するか解説します。
3-1. 幹線道路/バス路線/曲がり角/信号前(停車・加速の粉塵集中)
外壁汚れリスクが最も高いのが、幹線道路やバス路線沿いです。交通量が多く、排気ガスや粉塵が常時発生します。特にバスは停車・発進を頻繁に行うため、ディーゼル由来のススやPMが周囲に滞留しやすくなります。曲がり角や信号前では、減速時のブレーキダストと発進時の排ガスが集中し、同じ高さ・同じ面に帯状の黒ずみが現れやすいのが特徴です。低層階ほど影響を受け、汚れの進行が早まります。
3-2. 北面・1階帯/ひさし無し・雨だれライン・バルコニー下
北面や1階帯、庇のない外壁は日照が少なく乾きにくいため、汚れが定着しやすい部位です。特に雨だれラインやバルコニー下は、上部からの伝い水が集中し、黒ずみやカビが同じ位置に繰り返し現れます。湿気がこもることで藻・カビが発生しやすく、洗っても再発しやすいのが特徴です。下地補修や水切り対策と合わせた設計が重要になります。
3-3. 近接ビルの風の巻き込み(ビル風と乱流による付着増)
建物が密集するエリアでは、近接ビルによる風の巻き込みが外壁汚れを助長します。乱流によって粉塵や排ガスが拡散せず、壁面に押し付けられるため、特定の面だけ汚れが濃く出ることがあります。特に角地や狭小地では影響が大きく、上階でも汚れやすいのが特徴です。立地に応じた低汚染塗料や配色設計が有効です。
4. まずは正しく落とす:DIYとプロ洗浄の使い分け
外壁の汚れは放置すると劣化を早めます。安全かつ効果的に汚れを落とすDIYとプロ洗浄の使い分けを解説します。
4-1. DIYで安全にできる範囲(中性洗剤+柔ブラシ、低圧リンス、アルミ/金物の養生)
DIY洗浄は、軽度の雨だれ・ホコリ・排気ガス由来の汚れなど、表層に付着した汚れが対象です。基本は中性洗剤+柔らかいブラシを使用し、強くこすらず汚れを浮かせるイメージで行います。洗剤は原液使用を避け、必ず希釈して目立たない場所で試してから全体へ。すすぎは低圧の水で十分です。高圧洗浄機を使う場合も、噴射距離を保ち、目地や塗膜の浮きに直接当てないよう注意します。また、アルミサッシや金物はアルカリ分や研磨で変色しやすいため、事前にビニールやマスカーで養生を行うと安心です。高所作業、黒ずみが落ちない場合、カビ・苔が根を張っている場合は無理をせず、プロ洗浄へ切り替える判断が安全と仕上がりの両面で重要です。
4-2. 高圧洗浄の注意(過圧での目地/塗膜/ALC損傷、適正圧とノズル)
高圧洗浄は外壁の汚れを効率的に落とせますが、圧力が強すぎると目地や塗膜、ALCなどの外壁材を損傷する恐れがあります。ノズルや水圧を材質に応じて選び、洗浄距離を守ることが重要です。劣化部は特に弱く、むやみに高圧で洗うと浮きや剥がれが発生します。事前確認と圧力調整で、安全かつ効果的な洗浄を行いましょう。

4-3. バイオ洗浄の考え方(藻・カビの根に届く前処理、排水・植栽配慮)
バイオ洗浄は藻やカビの根まで届く特殊洗浄で、再発防止に有効です。使用する薬剤は適正濃度で塗布し、排水や周囲の植栽への影響を考慮する必要があります。壁面の凹凸や水溜まりに注意し、均一に処理することで効果が最大化します。DIYでは対応が難しい場合が多く、広範囲や高所はプロ施工が望ましいです。安全管理と環境配慮を徹底することで、外壁の美観維持に役立ちます。
4-4. ここまで来たらプロへ(高所・広範囲・再発間隔が短い・塗膜劣化併発)
・高所作業: 2階以上や足場必要な高所は危険を伴うため専門業者へ。
・広範囲の汚れ: 建物全体の洗浄はDIYではムラが出やすい。
・汚れの再発: 短期間で汚れが戻る場合、根本原因の解決が必要。
・塗膜劣化併発: ひび割れや剥がれがある場合、洗浄と同時に補修・塗装が必要です。
プロは最適な洗浄・補修・塗装を提案し、長期美観維持に貢献します。
5. 下地で決まる“汚れにくさ”:補修・シーリング・素地調整
壁の汚れを根本的に解決し、長期美観を保つには、表面洗浄だけでなく下地の状態を整えることが不可欠です。
5-1. クラック/欠損/浮きの補修→雨筋発生源の封じ込み
外壁のクラックや欠損、塗膜浮きは雨水の通り道となり、雨筋汚れを発生させます。微細なヘアクラックは下地補強材で浸透補修し、動きのあるクラックは弾性材料で追従性を確保します。欠損部や浮きは除去・成形し、密着性を回復。こうした下地補修で雨水の経路を断つことで、汚れの再発を抑え、長期的に美観を保てます。

5-2. 目地シーリングの打ち替え(ボンドブレーカーで二面接着、ブリード対策材)
劣化した目地シーリングは汚れを呼び、打ち替えが必要です。撤去後はボンドブレーカーで二面接着を確保し、可塑剤のにじみ出るブリード対策材を使用します。これにより、建物の動きに追従しつつ、黒ずみ汚れの発生を抑えられます。適切な下地処理と材料選定で、防水性と汚れにくさを両立させることができます。

5-3. 付帯部(笠木/水切り/手すり)との取り合いで雨だれ誘発を防止
外壁の雨だれは、壁面だけでなく、付帯部との取り合いが原因で発生することがあります。笠木、水切り、手すり、庇などの部材は雨水を集中させやすく、わずかな納まり不良や劣化で特定の位置から繰り返し雨水が垂れ、筋状の汚れを誘発します。

笠木
笠木の継ぎ目や固定部のシーリング切れは、雨水が壁面に回り込みやすくなります。適切な防水シーリングと勾配の確保で雨水を外部に逃がすことが重要です。
水切り
水切りの勾配不足や固定部の隙間は、雨水が壁面を伝って流れる原因となります。十分な勾配と端部の水切り処理で壁面への伝い水を防ぎます。
手すり
手すり取り付け部の隙間や固定金具まわりも雨水の通り道となります。シーリング補修や雨水誘導処理で、外壁面に水が伝わらないようにします。
付帯部ごとに取り合いを整えることで、外壁単体では防ぎきれない雨だれを抑制し、下地・目地と合わせて汚れにくい外壁環境を作ることができます。
6. 再発させない塗装設計:低汚染/親水/光触媒の比較
外壁汚れを落とした後、美観を長く保つには「再発防止策」が重要。道路沿いに最適な高機能塗料と設計を解説します。
6-1. 低汚染塗料(雨で汚れを流す親水系樹脂、帯電しにくい設計)
低汚染塗料は雨水で汚れを洗い流す親水性を持ち、粉塵や排ガスの付着を抑えます。帯電しにくいため微細な汚れも付着しにくく、定期洗浄の頻度を減らせます。施工では下地の吸い込みや凹凸ムラを抑えることが重要で、補修済みの壁面に塗布することで性能を最大化。道路沿いなど汚染環境が厳しい立地でも、長期的に美観を維持する効果があります。
6-2. 親水クリヤー/フッ素/無機のメリット・デメリット(耐候/コスト/意匠保持)
外壁の汚れを防ぐ塗装設計では、塗料の種類による特性理解が重要です。親水クリヤー塗料、フッ素塗料、無機塗料にはそれぞれメリット・デメリットがあり、立地条件や建物の意匠保持要求によって最適な選択が変わります。
親水クリヤー塗料
親水クリヤー塗料は、下地の意匠を生かした透明塗膜で、表面に親水性を持たせることで雨水が汚れを洗い流します。メリットは既存意匠を活かせること、薄い塗膜でも効果を発揮するため施工性が良いことです。デメリットは紫外線や酸性雨に対して長期耐候性が限定的で、汚れが顕著な立地では定期的なメンテナンスが必要になる点です。
フッ素塗料
フッ素塗料は、優れた耐候性と低汚染性を兼ね備え、塗膜の防汚効果が長期間持続します。メリットはメンテナンス間隔が長く、耐候性が高いため色あせや塗膜劣化が起きにくい点です。デメリットは材料費が高く、意匠性や下地の模様を強調することが難しい場合があることです。
フッ素塗料につきましては、下記の記事を参考にしてみてください。
無機塗料
無機塗料は耐久性が最も高く、紫外線や酸性雨、汚染物質に強い特徴を持ちます。メリットは長期的な意匠保持が可能で、公共建築や高耐候性を求める住宅に最適です。デメリットは初期コストが高く、施工管理や下地適性が厳密に求められる点です。塗料選定は、建物の立地・使用環境・意匠保持の優先度・コストバランスを総合的に判断する必要があります。道路沿いや高汚染地域では、親水性や低汚染性を持つ塗料を選びつつ、意匠を活かす場合はクリヤーや無機塗料、耐候性重視ならフッ素塗料という使い分けが一般的です。適切な選択により、洗浄・補修で整えた下地の効果を最大化し、外壁の美観を長期に維持することができます。
無機塗料につきましては、下記の記事を参考にしてみて下さい。
6-3. 光触媒(TiO2)の効きどころと設計留意(必要な光量、日射条件、マット調との相性)
光触媒塗料は酸化チタン(TiO₂)が紫外線で汚れを分解し、雨水で洗い流します。ただし、十分な日射量が必要で、北面や日陰では効果が弱くなります。マット調との相性が良い一方、艶ありや濃色では白っぽさや質感変化が出やすく、下地の凹凸や吸い込みムラも影響します。光量・日射条件・下地を考慮して採用することが、性能を発揮させるポイントです。
6-4. 施工時の品質管理(膜厚、湿度・露点、可使時間、重ね乾燥)
高機能塗料の性能を十分に発揮させるには、施工時の品質管理が不可欠です。まず膜厚は、規定値を下回ると耐久性や低汚染性が低下し、過多でも割れや艶ムラの原因となります。次に湿度・露点管理。高湿度時や結露の恐れがある条件下では、付着不良や白化が起こりやすく、施工は避けるべきです。また、塗料には可使時間があり、これを超えると性能低下やムラの原因になります。混合後は時間管理を徹底します。重ね乾燥は、所定の乾燥時間を守ることで層間密着を確保し、早塗りは剥離リスクを高めます。材料特性と環境条件を管理することが、再発しにくい塗装品質を支えます。
7. 色で“汚れの見え方”はこう変わる:道路沿いの色設計
7-1. 明度・彩度と汚れの視認性(白は雨筋目立つ、真っ黒は粉塵白化が目立つ)
外壁の汚れは付着量だけでなく、色による見え方で印象が大きく変わります。白系は清潔感がある反面、雨水に含まれる汚れが筋状に残りやすく、雨だれが目立ちやすい色です。一方、真っ黒など暗色は粉塵が付くと白く浮き、白化現象が強調されます。汚れを目立たせにくいのは中明度・低〜中彩度。グレーやベージュ系はコントラストが小さく、道路沿いでも視覚的な劣化を抑えやすい色域です。
7-2. グレージュ/中明度グレー/ベージュの「都市調和×低メンテ」配色
道路沿いでは、汚れを目立たせにくい中明度・低〜中彩度の配色が有効です。グレージュは黒ずみや雨だれとのコントラストが小さく、経年変化が穏やかに見えます。中明度グレーは粉塵の白化・雨筋の両方を抑えやすく、都市景観になじみやすいのが特長です。ベージュは土埃系の汚れが溶け込み、柔らかな印象を保てます。極端な明暗や高彩度を避け、中間色を基調にすることで都市調和と低メンテナンス性を両立できます。

7-3. アクセントはピンポイントに(見切り・バルコニー内側等)
道路沿いの外壁では、アクセントカラーは広く使わず、汚れが出にくい部位に限定することが重要です。おすすめは、見切りラインやバルコニー内側、庇下など、雨水が直接当たりにくい場所。ここに濃色や彩度のある色を入れることで、全体の印象を引き締めつつ、汚れの視認性を抑えられます。一方、外壁面の大面積にアクセント色を使うと、雨だれや粉塵が強調されやすく、経年劣化が目立つ原因になります。アクセントは「面」ではなく「点・線」で使うことが、意匠性と低メンテナンスを両立させるコツです。
8. 外壁材別・道路沿いの実績のある対策例
8-1. 窯業サイディング:目地先行劣化→打ち替え→低汚染/親水仕上げ
窯業サイディングは目地の劣化が汚れの発生源となりやすいため、まずはシーリング打ち替えで水の侵入を防ぎます。次に下地補修で浮きやクラックを整え、雨筋やカビの再発を抑制。仕上げには低汚染・親水性塗料を用いることで、雨水で自然に汚れを流し、粉塵や排ガスの付着を抑えます。道路沿いの立地では、下地補修から仕上げまで一貫した管理が美観維持のカギです。
8-2. モルタル・ALC:微細クラック処理→フィラー→低汚染
モルタルやALCは、表面に微細なクラックが入りやすく、そこから雨水や汚れが浸透することで黒ずみや雨筋が発生します。まずはクラック補修で水の侵入経路を封じ、必要に応じて下地にフィラー充填を行い、凹凸を均一化します。その上で、低汚染塗料や親水性塗料で仕上げると、雨水で自然に汚れが流れ、道路沿いでも美観を長期間維持できます。下地補修から仕上げまで一貫した管理が、モルタル・ALCの外壁汚れ対策の基本です。
8-3. タイル:目地/欠損補修→撥水/クリア保護→定期洗浄
タイル外壁は素材自体が汚れに強いものの、目地の劣化や欠損が汚れ発生の要因となります。まず、劣化した目地の打ち替えや欠損補修を行い、雨水の浸入や滞留を防ぎます。その上で、撥水処理やクリア塗膜による保護を施すと、雨水で汚れを流しやすくし、粉塵の付着も抑制できます。さらに、道路沿いでは定期的な洗浄を組み合わせることで、長期にわたりタイル本来の美観を維持できます。タイルの特性を生かしつつ、目地補修と保護処理の両立がポイントです。
9. 年間メンテ計画と汚れをリセットする頻度

9-1. 季節別(春・梅雨前・秋)の軽洗浄/点検チェックリスト
春
・花粉・黄砂・粉塵の付着状況確認
・中性洗剤+低圧での軽洗浄
・北面・1階帯・雨だれラインの黒ずみチェック
・バルコニー下や外構壁の汚れ確認
梅雨前
・目地シーリングの割れ・肉やせ・剥離確認
・クラック・欠損・塗膜浮きの有無点検
・雨だれライン・庇・笠木周りの清掃
・排水口・ドレンの詰まり除去
秋
・台風後の汚れ・浮き・剥がれ確認
・バルコニー下・付帯部の部分洗浄
・金物部のサビ・汚染チェック
・年内補修・次年度メンテ箇所の洗い出し
年3回の簡易点検と軽洗浄を行うことで、汚れの定着と劣化進行を抑え、外壁の美観と耐久性を維持できます。
9-2. 黄砂/花粉/台風後の臨時ケア
黄砂や花粉が多い時期、台風通過後は外壁汚れが一気に進行しやすく、臨時のケアが有効です。黄砂・花粉は放置すると雨で固着し、黒ずみの原因となるため、早めに低圧の水洗いで表面を流します。台風後は強風で付着した粉塵や飛来物の汚れに加え、目地や塗膜の浮き・剥がれがないか確認が必要です。汚れが軽度であれば部分洗浄で十分ですが、広範囲に付着している場合はプロ洗浄を検討します。早期対応により、汚れの定着と補修コストの増大を防げます。
9-3. ドローン目視/高所カメラでの省力点検
足場を組まずに行えるドローン目視や高所カメラ点検は、時間とコストを抑えた省力点検としておすすめです。屋根際や高層部、バルコニー外側など、通常確認しづらい部位を安全に把握でき、クラック・目地劣化・雨だれ跡の早期発見につながります。定点撮影で経年変化を比較できる点もメリットです。一方、触診や打診はできないため、異常が見つかった箇所は近接点検や部分補修で精査します。定期点検と組み合わせることで、無駄な足場設置を減らし、計画的なメンテナンス判断が可能になります。
10. 近隣配慮と許認可(道路沿いならでは)
10-1. 騒音・作業時間(特定建設作業の勧告基準に準じた運用の目安)
外壁塗装工事では、足場の組み立てや高速洗浄など、緊急作業が発生します。そのため東京都では、近隣環境への影響を中心とする目的で特定の建設作業に関する主観基準を定めています。一般的には、作業可能時間は午前7時から午後7時まで、1日の作業時間は10時間以内、かつ連続作業は6日以内が目安とされています。特に音が出やすい工程(足場設置・解体、高圧洗浄など)は、早朝や夕方遅くを避け、日中の時間帯に集中させる配慮が必要です。また、工事開始前には「近隣周知」も非常に重要です。工事期間、作業時間、規制内容などを事前に近隣住民に告知することで、トラブル防止と協力が得られます。詳細は品川区公式ウェブサイトや管轄警察署に確認してください。
10-2. 道路に足場が出る場合の道路占用許可(区)と道路使用許可(警察):提出図面・期間・掲示
足場を設置する際に、敷地外の道路にはみ出す場合は、「道路占用許可」(品川区役所)と「道路使用許可」(所轄警察署)の両方が必要です。これらの申請には、足場の設置場所や構造を示す図面、工事期間などを明記した書類を提出する必要があります。許可が下りたら、工事現場に許可証を掲示することが義務付けられています。申請は工事業者を通じて行われるのが一般的ですが、オーナー様も内容を把握しておくことが大切です。
道路使用許可は、道路交通に影響を与える行為を行う際に管轄の警察署長から受ける許可です。足場設置、資材搬入出、高圧洗浄、重機使用などで交通に影響が出る場合、この許可が必要です。特に品川区のような交通量の多いエリアでは重要です。申請窓口は、工事現場を管轄する警察署の交通課です。申請には道路使用許可申請書の他に、以下の添付書類が求められます。
添付図:工事現場周辺の地図、道路使用範囲を明示した平面図。
見取図:工事現場周辺の状況、交通規制内容、保安施設配置を示した図。
設計図:足場の構造や仮設物の設計図。
その他:工程表、安全対策資料、交通誘導員の配置計画、近隣周知状況など。
これらの書類は交通安全と円滑化のための詳細計画を示すもので、不備があると許可が下りません。申請には数週間かかるため、余裕を持ったスケジュールで対応しましょう。詳細は警視庁のウェブサイトで確認してください。
10-3. 掲示/事前挨拶/保安員配置と歩行者安全(約300字)
道路沿いの工事では、歩行者と車両の安全確保が最優先です。工事開始前に工事内容・期間・作業時間を明示した掲示を行い、近隣住民や店舗には事前挨拶で影響範囲を説明します。歩道に近い作業や資材搬入時は保安員を配置し、誘導・声かけを徹底。高圧洗浄時は飛散防止養生を強化し、滑りやすい路面への注意喚起も行います。見える配慮と現場管理を徹底することで、事故防止と信頼確保につながります。
11. 道路沿いで起こりがちな実例集
11-1. 幹線道路角地:バス停前で粉塵多め→低汚染+親水クリアの二層戦略
幹線道路の角地で、かつバス停が目の前にある建物は、外壁汚れリスクが最も高い条件の一つです。バスの停車・発進による排ガスやブレーキダストが常時発生し、粉塵が同じ面・同じ高さに集中して付着します。特に1階から2階にかけて黒ずみが帯状に現れやすく、通常塗装のみでは再発が早いケースが多く見られます。
このような条件では、まず下地補修と目地管理で雨水の経路を断ち、その上で低汚染塗料をベースに施工します。さらに表層に親水クリアを重ねる二層戦略を採用することで、粉塵の付着を抑えつつ、雨水で汚れを流しやすくします。意匠を大きく変えずに防汚性能を高められる点もメリットです。高負荷立地では、機能を重ねる設計が美観維持の決め手となります。
11-2. 北面×樹木近接:藻対策でバイオ洗浄→防かびバインダー→低汚染
北面で日照が少なく、かつ樹木が近接する建物は、藻やカビが発生しやすい条件です。表面に藻・カビが定着すると、見た目だけでなく塗膜劣化や再汚染の原因にもなります。対策として、まずバイオ洗浄で藻やカビの根まで処理し、残留菌を減らします。次に防かびバインダーを塗布して、再発を抑えつつ塗料との密着性を確保。最後に低汚染塗料で仕上げ、雨水で汚れを流しやすくすることで、北面でも長期的に美観を維持できます。樹木による影や湿気の影響を考慮した工程順序がポイントです。
11-3. タイル外壁×雨だれ筋:笠木・ドレン納まり是正+撥水コート
タイル外壁で雨だれが目立つ箇所は、笠木やドレンの納まりが不十分で、上部からの水が集中して伝うケースが多く見られます。まず、笠木・水切り・ドレンの納まりを是正し、雨水の流れを適切に誘導することが重要です。次に、タイル表面に撥水コートを施すことで、雨水で汚れが流れやすくなり、粉塵や藻の付着も抑制できます。定期的な部分洗浄と組み合わせることで、雨だれ筋による黒ずみの再発を防ぎ、タイル本来の美観を維持できます。道路沿いの低層建物では、下地・排水・保護の三点セットで雨だれ対策を徹底することが効果的です。
12. Q&A
Q1. 道路沿いでも白い壁は選べますか?
A.可能です。ポイントは艶と明度のバランスです。真っ白・艶消しは雨だれや黒ずみが目立ちやすいため、やや明度を落としたオフホワイトや、3〜5分艶程度を選ぶと汚れの視認性を抑えられます。低汚染塗料との併用が前提です。
Q2. 高圧洗浄だけで済ませたらダメ?
A.一時的にはきれいになりますが、藻・カビの根や目地内部の汚れは残りやすく、再付着が早いのが実情です。微生物汚れがある場合はバイオ洗浄、下地劣化があれば補修を組み合わせることが重要です。
Q3. 低汚染と光触媒、どちらが良い?
A.日射量と立地で選びます。日当たりが良い南面・西面では光触媒が有効ですが、北面や日陰では効果が弱まります。道路沿い全般では安定性の高い低汚染塗料が無難です。
Q4. 何年おきに洗えばいい?
A.基本は年1〜2回の軽洗浄がおすすめです。加えて、台風・黄砂・花粉の多い時期の後に臨時洗浄を行うことで、汚れの定着を防げます。
Q5. 目地の黒ずみだけが酷い…塗装より先に何を?
A.シーリングの打ち替えが先です。劣化した目地は汚れと水の通り道になるため、上から塗っても再発します。二面接着・ブリード対策材を用いた打ち替えが有効です。
Q6. 黒い外壁は本当に汚れが目立たない?
A.一概には言えません。黒や濃色は排ガス汚れは目立ちにくい反面、粉じんによる白化や雨だれが逆に強調されることがあります。中明度色の方が安定する場合も多いです。
Q7. 道路占用や使用許可は必須?
A.足場設置や作業内容によって必要になります。自治体や警察署への事前相談が重要で、業者が対応範囲を明確にすることがトラブル防止につながります。
Q8. 管理組合としての外壁汚れ対策は?
A.年次の軽洗浄計画を立て、掲示による周知とルール整備を行うことが効果的です。定点写真で経年変化を共有すると、合意形成もしやすくなります。
13. まとめ/これからできること
13-1. まとめ
道路沿いの外壁汚れは、立地条件・風向き・交通量といった環境要因に加え、下地の状態や塗装設計によって進行度が大きく変わります。重要なのは、汚れを「落とす」だけで終わらせず、発生源を断ち、再発しにくい設計にすることです。具体的には、下地補修と目地管理で雨水の通り道を封じ、立地に合った低汚染・親水・光触媒などの塗料を選定します。さらに、季節ごとの点検や臨時洗浄を組み合わせることで、美観と耐久性を長期的に維持できます。まずは現状把握と点検から始めることが、最も確実な第一歩です。
13-2. これからできること(写真記録→簡易洗浄→専門診断予約→仕様相談)
外壁対策は、一度にすべてを行う必要はありません。まずは現状を写真で記録し、汚れの出方や位置を把握します。次に、中性洗剤と低圧水による簡易洗浄で、落ちる汚れ・残る汚れを確認しましょう。その結果を踏まえ、再発が早い、劣化が見られる場合は専門業者による診断を予約します。診断では立地条件や下地状態を整理し、最後に仕様相談として、低汚染・親水・光触媒などから最適な対策を選定します。この順序で進めることで、無駄な工事を避けながら、納得感のある外壁メンテナンスが実現できます。
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