白亜の豪邸にも憧れますが、古き日本建築も捨てたものではございません。
今回は、日本の伝統工法・木軸在来工法のメリット、デメリットについてお話しします!
木軸在来工法では、基本、1本の木をまるごと用います。そのため、生きた木の強さを持っているところが特長です。
他の工法ですと、集成材やコルクボードのように化学的に薄い木をくっつけて1本の太い木や面をつくるケースが多いです。
同じ木ですが、前者の無垢の木と後者の加工してできた木では強度が大きく異なります。
またメンテナンスのしやすさも特長の一つです。
特に真壁(しんかべ)工法の場合、柱が家の中から見える設計になります。
最近は柱を見せない大壁(おおかべ)工法が増えていますが、柱が見えると木の健康状態がすぐに分かります。
そのため、すぐに雨漏りなどの症状に気付けるというメリットがあります。
大壁ですと、壁に遮られて症状が、壁紙表に出てくるまでに時間が掛かるため、
気付いた時には全て腐っていた! なんてこともあります。
また無垢の木でしたら、多少の雨漏りでは、乾燥させてまた復活させることも可能です。
逆に、デメリットは柱を多く設置する必要があるため、空間自由度が多少制限されるかもしれません。
しかし、木軸在来工法でも古民家やお寺のように広い空間をとることは可能です。
広い空間を維持するため、大黒柱の上の梁(はり)という骨組みの太い木をもう1本柱を追加するなどして、面と同様の強度を保ちます。
現代、日本の伝統的な木軸在来工法で建てられる家は減っています。
これは私の想像ですが、昔と比べて住宅の買い換えサイクルはどんどん短くなっています。
そのため、木が育つための時間が不足してしまい、木軸在来工法に耐えうる木が育ちにくくなっているのではないでしょうか。
またパワービルダーやハウスメーカーなど大量生産型の住宅業者は、安い集成材を利用することが多いです。
日本の伝統工法にはメリットがたくさんあります。そのため、家を建てる際には、ぜひ検討してみてくださいね。
教えて、屋根屋さん!第44回「屋根が変われば私たちの暮らしは一体どう変わる?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜昭和二十六年創業。屋根に関する製造・販売・工事の全てを経験。
屋根専門石川商店の三代目、1級かわらぶき技能士
石川弘樹(いしかわひろき)です。
【趣味】 ワンピース(マンガ)
【目標】 瓦割り世界チャンピオン
屋根専門石川商店HP:riverstone-roofing.com
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屋根で損する人をゼロにしたい、屋根屋の三代目です。
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