本記事の目次
【千葉県市川市】築31年、アスベスト入りのスレート屋根の点検事例
屋根で損する人をゼロにしたい、みんなの屋根の相談所、石川弘樹です。
千葉県市川市で築31年の、アスベスト入りのスレート屋根の点検の事例を紹介します。
今回のご依頼は、
「 2階建てアパートの屋根についてご対応いただくことが可能でしたら、相談させていただきたくご連絡いたします。
先日、屋根材が落ちてきたためメンテナンスの必要性を感じており
2011年に外壁塗装工事をしたことは記録があるのですが、その際、屋根の塗装まで実施したか否かは不明です。」
とのことでした。
もちろんアパートも対応可能ですので、点検に伺いました。
点検の結果、今すぐの工事は不要。保たせたい年数によっての提案
先に点検の結果をお伝えすると、屋根材が落ちてきた部分の割れが1か所と、数枚のひび割れを確認しましたが、今すぐの工事は不要でした。
落ちてきた部分は、屋根材の破片が残っていたので、接着補修をしたので雨漏りの心配もありませんのでご安心くださいませ。
ただ築30~40年くらいが防水の限界ではあるので、保たせたい年数が10年くらいであれば、簡易的な災害予防のみのメンテナンスで、20年以上であれば、カバーや葺き替えといった防水の再施工が必要になります。
なのであと何年保たせたいかと、どこまで災害予防として安心を見るかの兼ね合いで選択いただけるように、
- ● 災害予防パックの基本プランから、重点オプションまで
の見積りを、それぞれ作成しました。
これらを判断した、具体的な屋根の状態を確認していきます。
【補足】屋根塗装について
石川商店では、屋根の雨漏り防止機能の維持に、屋根塗装はいらない、と言っています。
屋根の主な機能とは『家の雨漏りを防ぐ』こと、とすると、
- ● 雨漏り防止以外の、新しい機能を追加するのが「 リフォーム 」
- ● 雨漏り防止機能を、維持するのが「 メンテナンス 」
と、言っています。
そうすると、屋根塗装は機能を追加する『リフォーム』になります。
屋根の防水性は、屋根材の下の防水シート次第で、屋根材の表面を塗装しても、雨漏り防止の維持には、効果がないからです。
では屋根塗装が、リフォームで、どんな機能を追加しているのかというと、
・色を変える→ デザイン変更
・色を変える→ 淡い色にするほど遮熱効果
・きれいになる→ 我が家に愛着がわき、より大切にする
・きれいになる→ 訪問販売業者が寄り付かなくなる
と、なります。
なので、屋根から家に雨漏りさせないための『メンテナンス』に、屋根塗装は不要なのです。
もちろん、屋根材の撥水性は、塗装するほどよくなるので、塗装するほど、屋根材は長持ちするのは、間違いはないでしょう。
折り畳み傘に、防水スプレーをかけなくても保つけど、スプレーした方が、傘自体もより長持ちするのと同じです。
ただ30年放っておいても保つスレート屋根材の耐久性を、50〜60年と塗装して保たせたとしても、防水シートの耐久性は30〜40年ほどで、屋根材表面をいくら塗装しても、その下の防水シートの耐久性は変わりません。
なので、雨漏り防止や、屋根材を長持ちさせるために、塗装する必要はない、ということです。
では実際に、具体的な屋根の状態を確認していきましょう。
実際のアスベスト入りのスレート屋根の状況は?
今回の、アスベスト使用のスレート屋根の、屋根点検の流れはこんな感じです。
- アスベスト入りのスレート屋根の屋根点検の流れ
- 手順① ドローンで、屋根の撮影 【5〜10分】
- 手順② 屋根にあがっての、点検調査 【15〜30分】
- 手順③ 屋根裏の確認 【10〜20分】
- 手順④ 撮影写真による、口頭での屋根の説明 、質疑応答【30〜60分】
- 手順⑤ 点検完了 【合計1〜2時間】
- 手順⑥ 後日、撮影写真と点検報告の送付 【当日〜1週間程度】
順番に屋根の点検の様子を、写真つきで解説します。
手順① ドローンで、屋根の撮影 【5〜10分】
石川商店では、屋根にあがる前に、ドローンで屋根を撮影します。
ぼくらが屋根に上がる前の状態を、写真で保存するためです。
これは、屋根にあがって自分たちで壊すような悪徳業者ではないという証明のためと、ぼくらも注意してても屋根材を踏んで割ってしまうことがあるのと、正直、それを隠してやり過ごしたくなる気持ちを抑えるため、でもあります。
また、屋根全体が1枚の写真におさまるため、お客さまに屋根の状況説明をするときに、どの部分がどうなっているという解説がお互いにわかりやすくなるのも、もうひとつの理由です。
■ 全景
■ 南面
北面の1枚目の写真で、ドーマーの下の部分の軒先が白くなっているところが、屋根材が落ちてしまったようです。
■ 北面
■ドーマー
ドーマーは、デザインや屋根裏部屋の換気目的でつけられることが多いです。
ただ煙突や天窓と同じように、雨水を受けるような形になってしまうので、雨漏りも発生しやすい部分ではあります。
■ 棟
最も被災しやすいのが、屋根のてっぺんのフタ部分である「 棟( むね ) 」です。
ドローンで見た限りでは、大きな問題は無さそうです。
手順② 屋根にあがっての、点検調査 【15〜30分】
つづいて実際にハシゴをかけて、屋根に上がります。
ドーマー
■ ドーマー
ドーマーは、さきほど雨漏りしやすい部分と説明しましたが、納まりを見た感じだと雨漏り
の心配は無さそうではあります。
棟
■ 棟
棟板金のつなぎ目部分が、板金自体が少し浮いているのと、棟板金の固定釘も少し浮きがあります。
多少、強度に心配がありそうなので、軽く持ち上げようとしてみての強度確認を動画で撮影しました。
■ 棟の強度確認動画
やはり、強度が弱くなっている感じでした。
最低でも釘の増し打ち、もしくは棟交換をするのが良い状態ではあります。
屋根材
■屋根材 石綿スレート コロニアル
コロニアルは、石綿( アスベスト ) が使用されている、スレート屋根材です。
強度はあるので、塗装されていても、ひび割れが数枚しかありませんでした。
■ ひび割れ
この程度のひび割れでは、雨漏りすることはありません。
ひびの左右や下側の屋根材の裏側に、接着剤を注入してあげる接着補修をすれば、落下の危険もなくなります。
雨どい
雨どいは、落とし口の部分に草木が生えるほど、詰まっています。
■雨どいの詰まり
雨が降ると、バシャバシャと水垂れを起こしてしまうので、掃除して詰まりを解消したいところです。
応急修理
点検が終わったので、落下してしまった屋根材の破片を、接着補修します。
■割れ、接着補修
手順③ 屋根裏の確認 【10〜20分】
屋根裏の状態も、必要に応じて確認します。
手順④ 撮影写真による、口頭での屋根の説明 、質疑応答【30〜60分】
ドローンで撮影した写真や、屋根にあがってから撮影した写真などを、ご覧いただきながら、屋根の状況説明をいたします。
■ 口頭での説明のイメージ
わからないことや疑問があれば、ご納得いくまで、ご質問くださいませ。
手順⑤ 点検完了 【合計1〜2時間】
以上で、屋根点検の当日はおしまいです。
点検料は、後日の点検報告と、写真のお渡し時に、請求書をお付けすることになるので後払いです。
点検当日に、現金をご準備する必要はございません。
手順⑥ 後日、撮影写真と点検報告の送付 【当日〜1週間程度】
早ければ当日、遅くても1週間前後で、撮影した写真データと点検報告を、インターネット上での共有や、郵送、メールなどで、お送りします。
また点検の結果、修理が必要であれば、その修理の見積書もあわせてお送りいたします。
【参考】スレート屋根材の災害予防メンテナンスの方法と価格
スレート屋根材の災害予防メンテナンスの方法と価格の詳細は、こちらの記事で確認できます。
■ スレート屋根の「 災害予防パック 」は、79,800円~
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- 創業75年、屋根専門石川商店の三代目。石川弘樹(いしかわひろき)です。
- 【継続は力なり】
- 禁煙2009年〜、ダイエット2010年〜、禁酒2017年1月〜、筋トレ2018年6月〜、禁チョコ爆食い2018年12月〜
- 【資格】
- 1級かわらぶき技能士、瓦屋根工事技士、全日本瓦工事業連盟認定 瓦屋根診断士、全日本瓦工事業連盟認定 耐震化講師、耐震プランナー、増改築相談員、古民家鑑定士、ホームインスペクター(住宅診断士)、ジュニアリフォームソムリエ、リフォームスタイリスト1級、リフォーム提案士、ライフスタイルプランナー
- 【趣味】
- ワンピース(マンガ)
- 【目標】
- 瓦割り世界大会初代チャンピオン
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- 【困り事】
- ベンチプレスが伸びない
屋根で損する人をゼロにしたい、屋根屋の三代目です。
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