本記事の目次
- アスファルトシングルとは
- アスファルトシングルにまつわる建築基準法の改正
- アスファルトシングルの建築基準法を満たした屋根のメリット
- アスファルトシングルの建築基準法を満たした屋根のメリット①耐久性
- アスファルトシングルの建築基準法を満たした屋根のメリット②軽さと施工の容易さ
- アスファルトシングルの建築基準法を満たした屋根のデメリット
- デメリット①業者が少ない
- デメリット②豪雪地帯で使えるアスファルトシングルは限られている
- デメリット③雨樋に石粒が貯まり、雨水が流れなくなる
- アスファルトシングルのメンテナンスは5年おきがオススメ
- まとめ:建築基準法を満たしたアスファルトシングルを選んで、安心・安全の家づくりを目指そう!
アスファルトシングルとは
最初にアスファルトシングルがどういった屋根材なのかを見ていきたいと思います。
アスファルトシングルは、ガラス基材と(グラスファイバー)アスファルトを薄いシート状にし、表面に細かい石粒が吹き尽きられている屋根材です。
アスファルトシングルは、作られてから100年以上の歴史があり、アメリカにある一軒家の8割以上が屋根にアスファルトシングルを使っているくらい海外ではメジャーな屋根材となっています。
日本の防火試験もクリアしています。
- アスファルトシングルの特徴
- 【1】重量が瓦の5分の1の重さなのでとても軽く、家の耐震性も優れている
- 【2】柔らかい素材なので曲面などにも使用でき、複雑な形の屋根に対応している
- 【3】接着剤又は釘で貼り付けができるので施工方法が簡単
詳しいメリットやデメリットは記事中盤で解説しています。
次の項目でアスファルトシングルにまつわる、建築基準法の改正についてを見ていきましょう。
アスファルトシングルにまつわる建築基準法の改正
屋根は建築基準法に基準をクリアしている必要があります。
現在の建築基準法がどのような内容なのか知っておくことで、アスファルトシングルの違いを判断できる材料が増えますので参考にしてみてください。
2007年6月20日に建築基準法が改正され、屋根材の検査基準が厳格化
知っている方はほとんどいないと思いますが、2007年6月に建築基準法が改正されています。
少し文章が難しいですが屋根に係る一部分を下記に記載しておきます。
「平12建告第1365号」
防火地域又は準防火地域内の建築物の屋根の構造方法を定める件 法第63条の規定に基づき、防火地域又は準防火地域内の建築物の屋根の構造方法を次のように定める
第1 施行令第136条の2の2各号に掲げる技術的基準に適合する屋根の構造方法は、次に定めるものとする。
・不燃材料で造るか、又はふくこと。
・屋根を準耐火構造(屋外に面する部分を準不燃材料で造ったものに限る。)とすること。
・屋根を耐火構造(屋外に面する部分を準不燃材料で造ったもので、かつ、その勾配が水平面から30度以内のものに限る。)の屋外面に断熱材(ポリエチレンフォーム、ポリスチレンフォーム、硬質ポリウレタンフォームその他これらに類する材料を用いたもので、その厚さの合計が50ミリメートル以下のものに限る。)及び防水材(アスファルト防水工法、塩化ビニル樹脂系シート防水工法、ゴム系シート防水工法又は塗膜防水工法を用いたものに限る。)を張ったものとすること。
上記の内容を簡単にまとめると、
①屋根は準耐火構造(コンクリート、PCa版、ALC)、その他耐火構造
②屋根の角度が30°以下
③断熱材の厚さが50㎝以下、もしくは断熱材不使用
④防水材はアスファルト、塩化ビニール、ゴムシート、ウレタン防水
上記4つの条件をクリアしていればアスファルトシングルを屋根材として使用する事ができます。
アスファルトシングルにまつわる建築基準法の改正について確認しました。
この後は、建築基準法を満たしたアスファルトシングルの具体的なメリット・デメリットについて見ていきましょう。
アスファルトシングルの建築基準法を満たした屋根のメリット
建築基準法を満たしているアスファルトシングルには「耐久性・施工の容易さ・軽さ」といったメリットがあります。
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
アスファルトシングルの建築基準法を満たした屋根のメリット①耐久性
アスファルトシングルの屋根は金属素材を使っていないので金属屋根のように錆びることがありません。
耐久性はスレート屋根とほぼ変わりなく、耐用年数は20年から30年となっています。
スレートと比較すると、アスファルトシングルはスレートで発生するひび割れが起きずらい特徴を持っています。
メーカー保証は10年~50年保証とメーカによって大きく異なります。
10年保証のメーカーだから10年で交換しないといけないわけではありませんのでご安心ください。
アスファルトシングルの建築基準法を満たした屋根のメリット②軽さと施工の容易さ
アスファルトシングルのメリット2つは軽さと施工の容易さです。
アメリカで普及される要因でもある施工のしやすさは、素人でも簡単に施工できる屋根として人気の理由の1つとなっています。
日本では、屋根だけではなく外壁に使用している一軒家もあります。
また、アスファルトシングルはホームセンターでも取り扱いされていますので、気になった方はホームセンターで実物を見ることができます。
加工する際はカッターやハサミで切ることができるので、DIYでペットの小屋の屋根や物置の屋根をおしゃれにしたい方にもオススメです。
アスファルトシングルの建築基準法を満たした屋根のデメリット
アスファルトシングルのメリットを知れたのでデメリットも把握しておきましょう。
- アスファルトシングルのデメリット
- 【1】業者が少ない
- 【2】豪雪地帯で使えるアスファルトシングルは限られている
- 【3】雨樋に石粒が貯まり、雨水が流れなくなる
このあと、それぞれのデメリットについて見ていきましょう。
デメリット①業者が少ない
日本では、「スレート・瓦・金属屋根」の屋根屋さんが大半で、アスファルトシングルをメインで施工している業者は多くありません。
そのため、アスファルトシングルに対して、知識が少ない業者さんが施工を行うこともあります。
石川商店では、これまでに新築時の施工だけではなく定期メンテナンスや葺き替えなどを行っております。
また、アスファルトシングルの耐久に関する実験などにも参加し、他の屋根屋さんより詳しい知識を持ち合わせています。
アスファルトシングルについての疑問やお悩みは石川商店にお問い合わせて頂けると解消できますので是非お問い合わせしてみてください。
過去の記事でもメンテナンス方法や施工事例を紹介していますので、気になる方は読んでいただければと思います。
デメリット②豪雪地帯で使えるアスファルトシングルは限られている
豪雪地帯で使えるアスファルトシングルは数が少なくなっています。
理由は落雪する雪の重さに耐えきれず接着した屋根材が剥がれてしまう可能性があるからです。
アスファルトシングルの中には、接着剤以外に釘で固定して設置するものもあります。
どうしてもアスファルトシングルが良い方は屋根屋に雪国でも使えるアスファルトシングルがないか相談して見てください。
デメリット③雨樋に石粒が貯まり、雨水が流れなくなる
アスファルトシングルの表面には小さな石粒が噴きつけてあります。
出荷時には、多少石粒が剥がれることを想定し、多めに噴きつけられています。
新しくアスファルトシングルを設置した際、雨風によって余分に噴きつけられた石粒が剥がれ落ち、雨樋に滞積してしまう事があります。
滞積した石粒を放置していると、雨樋からうまく雨水が流れず、逆入してしまう事があります。
この石粒の剥がれは最初の1年で落ち着いてきますので、雨樋の掃除は1年毎に行うことで、デメリットを解消する事が可能です。
アスファルトシングルのメンテナンスは5年おきがオススメ
屋根は一度設置したら何十年も放置しておくと、10年を超えたあたりから経年劣化スピードが早まってしまいます。
石川商店では、長く安心して生活を送れるように新築時から5年おきの定期メンテナンスをオススメしています。
5年おきに行うメンテナンス内容は、主に屋根とアスファルトシングルの剥がれがないかのチェックや捲れあがっているものに接着剤を補填する作業です。
費用も1~3万円くらいで済みます。
台風など強風が来た際でも、細目に屋根を手入れしてあげれば大きな損失を防ぐことができます。
まとめ:建築基準法を満たしたアスファルトシングルを選んで、安心・安全の家づくりを目指そう!
アスファルトシングルは、建築基準法を基にした防火試験もクリアしている海外発祥の屋根材です。
近年、日本でもスレートの代わりに使用されることが多くなってきています。
屋根の葺き替えでアスファルトシングルにしようか決めかねている方は是非、石川商店の無料相談窓口にご相談ください。
新規での張り替えは勿論、メンテナンスも行っていますので色んな観点からアドバイスをしてもらえます。
石川商店からのお願い
記事を最後まで読んでいただきありがとうございます。
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日々屋根にお困りのお客様にとって必要な情報をお伝えするために、ご参考にさせて頂きます。
昔はよく燃えるアスファルトシングルだったのに、今は燃えにくくなった理由を知りたい。