本記事の目次
1. はじめに
1-1. 付帯部塗装が品川区で重要な理由(海風/大気汚染/狭小地の足場事情)
品川区では、外壁だけでなく「付帯部(雨樋・破風・軒天・鉄部・シャッターBOX・水切り等)」の塗装品質が建物寿命に直結します。理由の一つは海風による塩害で、鉄部のサビやアルミ部材の腐食が他の地域により起こりやすい点です。また、幹線道路・湾岸部が近いエリアでは大気汚染や排気ガスの影響で汚れ・劣化が早く、付帯部の保護膜がさらに、品川区の住宅は狭小地・3階建て・隣家至近が多く、足場を組むタイミングが制限されるため、外壁だけでなく付帯部をすぐに終えることが「総コスト削減」につながります。
2.「付帯部」とは?部位と役割を把握
建物の外観は外壁だけでなく、屋根や外壁以外の細かな部分も機能維持や美観に貢献しています。これらを総称して「付帯部」と呼びます。付帯部はそれぞれの場所で異なる役割を担い、建物を雨風や紫外線から守る重要な役割を果たします。
2-1. 付帯部の定義と代表部位一覧(図解:破風/鼻隠し/軒天/幕板/笠木/雨樋/雨戸・戸袋/シャッターBOX/水切り/手すり等)
外壁塗装における「付帯部」とは、外壁の魅力以外で、建物の保護・排水・美観に関わる外装パーツの一般です。代表的な付帯部との役割は以下の通りです。
破風(はふ)・鼻隠し(はなかくし)
屋根の端を臨む板材で、風雨の吹き込み防止と外観ラインの形成が役割です。破風は「屋根の三角形の側面」、鼻隠しは「軒先の雨樋を固定する横板」で、いずれも紫外線に強い塗膜が必要です。雨樋の金具下地となり、雨風侵入を防ぐ。防火性を高めてくれます。

軒天(のきてん)
軒裏の天井部分。湿気がこもりやすく、防カビ・防藻・透湿性の仕様が重要。雨跡や黒ずみが出やすく、洗浄・下地処理の品質で耐久性が変わる部位。延焼防止、美観保持、換気機能の役割があります。

幕板(まくいた)
外壁を水平に捨てる帯状の装飾板。デザイン性だけでなく、デザインの外壁の継ぎ目隠し雨水受け流しの役割があるため、ひび割れや浮きがある場合は補修+塗装が必須です。

笠木(かさぎ)
バルコニーやベランダやパラペット頂部。腰壁の上部にある金属・アルミのカバー。雨水が降りやすいため、シーリング劣化→雨漏りにつながりやすい注目管理部位です。

雨樋(あまどい)
屋根の雨水地上へ排水する樹脂・金属パーツ。塗装は「保護」よりも「美観統一」の意味合いが強いが、取付金具のサビや樋の歪みは塗装前に調整が必要です。建物や基礎への水浸入防止の役割があります。

雨戸・戸袋/シャッターBOX
金属部分はサビ、戸袋は塗膜の粉化(チョーキング)が起こりやすい。滑りや可動部分があるため、膜厚がつきすぎない塗料評価がポイント。戸袋は雨戸収納になっています。

水切り(みずきり)
外壁の下端にある金属部材で、基礎に水が回らないように重要な箇所。サビや浮きがある場合はケレン(研磨)を丁寧に行い、錆止め下塗り+上塗りが基本です。

手すり・鉄部全般
階段・バルコニー・窓面格子など。金属はサビ→膨張→剥離のリスクが高く、付帯部の中でも下処理が耐久性を大きく考慮します。

付帯部のポイントまとめ
付帯部は外壁よりも「劣化が早い箇所」が多く、外壁塗装すぐに仕上げることで、足場の再設置を避け、コストを最小限にできます。また、素材(鉄・木・樹脂)ごとに適切な塗料が違うため、概算の仕様記載が非常に重要です。
2-2. 外壁と同時に塗る理由(見切りの統一感、防錆/防汚/防藻の延命、足場の“一括”活用)
付帯部は外壁と一緒に「面」を作り、同時に塗装することで見切りラインの統一感が生まれ、家全体の仕上がりが大きく向上します。外壁だけ新しくても、雨樋・幕板・軒天が古いままだと色ムラや経年差が際立ち、完成また、付帯部は金属や樹脂など素材が多様で、サビ・汚れ・藻の発生源となりやすい部位でもあります。外壁瞬間防錆・防汚・防藻性能を付与することで、建物全体の耐久性を一括で底上げできます。さらに、品川区のような狭い地で足場が必須のエリアでは、外壁と付帯部を別工事にすると、再度の足場費用が二重発生します。同時施工なら、足場を一度立てるだけでまとめて作業できるため、コストも時間も最小化できます。
2-3. 品川区の環境リスク(潮気/煤じん)と付帯部の劣化モード(退色/チョーキング/錆/ひび/反り)
品川区は付帯部の劣化を早める環境リスクを抱えています。
潮気の影響:東京湾に面し、特に海に近い地域では塩分を含んだ潮風の影響を受けやすいです。塩分は金属部に錆を発生させ、塗膜劣化を加速させます。
煤じん・大気汚染:交通量の多い品川区では、排ガスによる煤じんやPM2.5が付着しやすく、塗膜の汚れだけでなく劣化の原因にもなります。
これらのリスクは付帯部に以下の劣化を引き起こします。
退色(色あせ):紫外線などで塗料の色素が分解され色が薄くなる。保護機能低下のサイン。
チョーキング(白亜化):塗膜が粉状になる現象。保護機能が失われ防水性が低下。
錆:金属製の付帯部が潮気や雨水で発生。放置すると腐食が進み構造問題に。
ひび割れ:塗膜や下地材が乾燥収縮や温度変化などでひび割れる。水浸入し下地腐食を招く。
反り・変形:木部や樹脂が湿度や温度変化、水浸入で反ったり歪んだりする。木部では腐朽原因に。
これらの劣化サインを見逃さず、早期の適切な塗装メンテナンスが、品川区の住まいの長寿命化に不可欠です。

3. 付帯部“素材別”の標準仕様と下塗り選定
付帯部塗装の品質は、素材に応じた適切な下塗り材選定で決まります。下塗りは密着性向上、吸い込み抑制、防錆・防藻機能を与えます。主要素材ごとの標準仕様を解説します。
3-1. 金属系(亜鉛めっき鋼板/アルミ/ステンレス):ケレン→防錆→上塗り(弱溶剤シリコン/フッ素)
金属系の付帯部は、品川区の潮気・煤じんの影響を最も受けやすく、下塗り塗装の成否が耐久性を大きく左右します。特に笠木・水切り・シャッターBOX・手すりなどは、細かい傷や折り曲げ部から錆が進みやすく、ケレン(下地処理)→防錆下塗り→上塗りの3段構成が基本となります。まず下処理では、サンドペーパー・マジックロン・ワイヤーブラシなどで旧塗膜の浮き・錆を落とし、表面を均一にする「ケレン2種〜3種」相当の作業を実施します。付着した潮気・油分・煤じんを残したまま塗装すると密着不良が起きるため、脱脂(シンナー拭き)を必ずセットで行います。下塗りは素材ごとに正しいものをご利用下さい。
亜鉛めっき鋼板(シャッターBOX・水・切り笠木など)
亜鉛めっきは表面が軽くて、塗料の密着が弱いのが難点です。まずはケレン(研磨)で細かい傷をつけ、足付けをして密着を高めます。下塗りは2液エポキシ系の高付着プライマーが基本。錆が出ている場合は、変性エポキシの防錆下塗りへのケアケースもあります。
アルミ(手すり・面格子など)
アルミは錆びにくい裏側、密着しにくい素材の代表格。ケレンで傷を入れた後、非鉄金属専用のプライマーが必須です。アルミは腐食粉が出る「白錆」をおこし、これを丁寧に除去しないと密着が落ちます。
ステンレス(換気フード・一部笠木)
ステンレスは錆びに強いと思われがちですが、実際には「もらい錆」や塩気で茶色い点錆が発生することがあります。油膜が残りやすいため、脱脂→ケレン→非鉄用プライマーがセットされています。
3-2. 塩ビ系(雨樋/化粧胴):目粗し→プラスチック素地対応プライマー→上塗り
塩ビ(PVC)製の雨樋・化粧胴は金属のように錆びない方、紫外線で退色・硬化し、塗料が密着しにくいという弱点があります。表面がつるつるのため、上塗りだけでは数年で売れるケースも少ないです。サンドペーパー(#180〜#320)で軽く目粗し(足付け)を行い、塗料の食いつきを確保します。塩ビは温度変化で伸縮しやすく、下処理が甘いと塗膜だけが浮くため、この工程が耐久性を左右します。次に、プラスチック素地対応の塩ビ専用プライマーを全面的に塗布します。金属用プライマーではしっかりが慎重で、雨樋のように昼夜で温度差が大きい部材は早期剥離に接続するため、メーカー仕様でもPVCへの専用品使用が必須とされています。上塗りには外壁と同等グレードの弱い溶剤シリコンまたはフッ素を選ぶのが一般的。艶を外壁と合わせて仕上がりの統一感が出ます。また雨樋の色を外壁に寄せると影が目立ちにくく、建物全体がすっきり見える効果もあります。塩ビは丈夫に見えて、実は「目粗し+塩ビプライマー」の存在で持ちが大きく変わるメンバー。概算書・仕様書にこの2点が記載されているので必ず確認しましょう。
3-3. 木部(破風/鼻隠し):含浸/素地調整→木部用下塗り→上塗り
木部は、付帯部の中でも最も劣化が早く、下位処理の質が結果を大きく検討素材です。破風・鼻隠しは日射・だれ雨・風の影響を直接受けるため、塗膜が割れやすく、素地が傷んでいるケースも稀にありますまずは行いますのは素地の調整(ケレン)で、旧塗膜の浮き・割れ・ささくれを除去し、平滑で健全な面に整えます。下塗りには、木材に浸透して密着力を高める木部用プライマー(含浸系)を使用します。木は吸い込みがあれば、そのまま上塗りするとムラや早期剥離の原因になるため、この工程が耐久性の要になります。上塗りは弱シリコンやフロアを選ぶのが一般的で、外壁と同等グレードにすることでメンテ期間を整えられます。木部は素材のスピードが大きいため、素地調整→木部専用下塗り→上塗りの三段構えが要です。見積もりの木部仕様が外壁と同じ扱いになっていないか、必ず確認しましょう。
3-4. ケイカル/軒天:防藻防かび・透湿系で軒裏結露に配慮
ケイ酸カルシウム板(ケイカル)や軒天ボードは、湿気がこもりやすい場所にあるため、結露・黒カビ・藻の発生リスクが高い素材です。特に品川区のように湿度が高く、海風で汚れやすい地域では、軒裏のメンテを外壁以上に丁寧に行う必要があります。下地処理では、チョーキングや汚れを洗浄で落とし、シミ・雨だれ跡は正しく補修したのち、ケイカル対応のカチオン系下塗り材を使用します。上塗りには、軒裏特有の「湿気×陰影」に対応する防藻・防かび性能を備えた透湿系塗料を選択します。透湿性が低い塗料を使うと、内部結露が起きて膨張や剥離の原因になるため注意が必要です。
4. 外壁との“合わせ技”シーリング/目地/板金の整合
外壁と付帯部、そして屋根を同時に塗装することで、建物全体の防水性能と美観を向上させます。特に外壁との取り合い部分の処理は重要です。
4-1. サイディング標準(NYG)に基づく防水思想と、付帯部の納まり
窯業系サイディングの防水設計は「一次防水(仕上げ)」よりも二次防水(透湿防水シート+通気層)を主役に据える「NYG(日本窯業外装材協会)標準工法」の考え方が望ましいです。細なひびが入っても、内部に水を入れない構造を維持することが最重要ポイントです。このため、外壁と付帯部の「取り合い」は、割り付け塗装色を合わせるだけでなく、水の入り口になり得る境界を正しく処理する必要があります。具体例として、破風・鼻隠しとサイディングの接点、幕板上端、笠木との取り合い、雨樋支持金具周りなどは、NYGが示す「止水より排水・水抜き優先」の優先、過剰にシーリングで塞がず、水が下へ抜ける設計が推奨されます。また、板金(笠木・水切り)とサイディングの取り合いでは、毛細管現象を防ぐ水返し形状や、万が一のクリアランスを確保し、塗装時に塗膜に詰まりがない配慮が重要です。付帯部の塗装は、これらの納まりを理解して仕上げることで、外壁全体の排水動線を正しく、塗膜と構造の防水性能を最大化できます。
4-2. 仕上がりムラを出さない見切り/重ね順のコツ
3階建ての外壁と付帯部を同時に塗装する場合、見切り(境界ライン)の処理と塗る順番が仕上がりの品質を大きく左右します。まず重要なのは、外壁→付帯部の「外→内」へ向かう順序。広い面を先に仕上げることで、細部のはみ出しを後から処理しやすくなり、境界のラインが真っすぐ整います。見切り部分では、マスキングの精度が要。直線が崩れやすい幕板・シャッターBOX・水切りなどは、テープを一度に長く貼らず、短いピースで角度を合わせると乱れが出にくくなります。また、上塗りは“かぶせ過ぎず・薄過ぎず”の一定量を保つことで、境界に段差やにじみが出ない均一な塗膜になります。さらに、付帯部の材質によっては外壁塗料との相性差があるため、先に付帯部の下塗り→外壁の中塗り→付帯部の上塗りといった「交互仕上げ」で乾燥時間を均等化するのがプロのやり方。これにより、色ムラのない“締まった仕上がり”に近づきます。
4-3. シーリングの“塗装適合”と可塑剤ブリード対策
付帯部と外壁の取り合いにはシーリング材が使用されますが、塗料との適合性が重要です。不適合な組み合わせでは、塗装面にシーリングの可塑剤がにじみ出る「ブリード現象」が発生し、仕上がりが汚くなります。対策としては、塗装適合シーリング材の検討と、プライマーで密着を確保することが基本です。特に窓周りや板金端部では、必ずメーカーの適合リストを確認し、ブリード抑制剤の併用も検討しているので安心です。

5. 付帯部の下地処理→養生→塗装の実務
付帯部塗装は、下地処理、養生、塗装の各工程で高い技術と丁寧さが求められます。特に下地処理は、塗膜の密着性や耐久性を決定づける最も重要な工程です。手抜きは早期劣化に繋がるため、プロの施工が不可欠です。
5-1. 高圧/バイオ洗浄(藻/カビ対策)→素地調整(ケレン/目粗し)→清掃・脱脂
付帯部塗装のスタートは、高圧洗浄とバイオによる汚れ・藻・カビの徹底除去です。外壁に比べて付帯部は陰になりやすく、湿気がこもるため生物汚染が残りやすい領域です。バイオ洗浄剤を併用することで、目に見えない菌糸まで分解し、再発リスクを抑えます。洗浄後は十分に乾燥させることが必須で、乾燥不足は不良密着や塗膜フクレの原因となります。次に行うのが素地調整(ケレン・目粗し)です。金属付帯部はサビ・白サビ・旧塗膜の浮きをサンダーやワイヤーブラシで除去し、素地を露出させすぎない範囲で均一に仕上げます。塩ビ(雨樋など)はサンドペーパーで”木部は劣化塗膜を除去し、傷んだ部分を補修しながら吸い込みムラを防ぐ準備をします。ケイカル板などは粉砕しやすく、脆弱部を丁寧に落とす「パテ処理・補修」も重要です。最後に、清掃・脱脂です。金属部は特に皮脂・油分が残りやすいため、溶剤による脱脂とウエス拭きで完全に汚れを取り除きます。雨樋やシャッターボックスの樹脂面も静電気で埃が付着しやすいため、エアブローや濡れウエスでのふき取りが必須です。この一連の工程は「塗布前の下の仕事」ですが、塗膜寿命の半分を判断する最重要工程です。
5-2. 養生・マスキングの要点(狭小地のエッジ/窓まわり/機器類)
特に品川区のような狭地では、足場のクリアランスが小さく、ブラシ毛先が周囲見えやすいため、外壁以上に丁寧な養生が求められます。サッシ・ガラスは、塗料のミスト飛散を防ぐため全面をマスカーで覆い、サッシ際はエッジ付近になるようなラインテープで「塗りしろ」をコントロールします。これにより、外壁と付帯部の境界がシャープに仕上がります。エアコン室外機、給湯器、インターホン、メーター類などの機器類は通気を言わない養生が重要です。給湯器は着火不良を気にするため、正面のみ軽く覆い、側面や上部は通気性を確保します。室外機は上部だけ養生し、運転中の空気排気を妨げないようにします。さらに狭い地では、足場と壁が近いため、上からの飛散より横方向の跳ね返りが起きやすく、壁面以外の植栽・自転車・隣家境界にも広めに養生範囲を確保します。

5-3. 下塗り→中塗り→上塗りの標準工程と可使時間/乾燥条件
下塗り(役割・ポイント)
下塗りは、付帯部塗装における最重要工程で、素材と上塗り材を密着させる“続層”です。鉄部には変性エポキシ系サビ止め、アルミ・塩ビ・樹脂系には専用プライマー、木部には浸透シーラーやフィラーなど、素材に最適化された下塗り材を選ぶことが耐久性を左右します。下塗りは吸い込み止め・密着向上・基礎強化の役割を持ち、ここで膜厚ムラやカスレがあると、後工程で必ず不具合として現れます。規定の添加率・塗布量を守り、均一な塗膜を確保するのが基本です。
中塗り(膜厚形成・色ムラ調整)
中塗りは、形成した下地の上に「仕上げの下地」となる膜厚をつくる工程で、上塗りと同じ塗料を使うのが一般的です。仕上がりイメージとしては、中塗りで約7割、上塗りで残り3割の完成度を作るのが理想です。
上塗り(仕上げ・保護層形成)
上塗りは建物の美観と耐久性を決定づける工程最終です。狭地や軒裏など通気性の悪い場所では、乾燥遅延による艶気候、チヂミ、ローラー跡が続きやすいため、施工時間帯の調整と均一な塗り継ぎが必須です。塗りムラを防ぐため、日陰側または上部→下部の順で進むなど、塗り継ぎ方向の工夫も重要となります。
使える時間・塗り重ね乾燥(条件管理)
- 使える時間(ポットライフ)は塗料の種類によって大きく異なります。
- ・水性1液シリコン:使用可能時間・数時間
- ・弱溶剤2液型:4〜8時間後
塗り重ね可能時間は気温23℃で2〜4時間標準。気温が低いほど乾燥は遅くなります。
5-4. 仕上がり検査:膜厚/色差/艶・ムラ/ピンホール
付帯部塗装の最終品質は、仕上がり検査で左右されます。まず重要なのが膜厚で、規定より薄いと初期退色や剥離の原因となるため、膜厚計で箇所測定し、設計値(上塗り2回でおよそ60〜100μm)を満たしているか確認します。次に色差は、外壁との見部や日陰・日方向での色ブレを確認し、塗り継します最後にピンホール(小さな穴)を確認し、必要に応じて補修塗りを行います。これらを総合的に点検することで、長期耐久性と均一な仕上がりを確保します。
6. 品川区で“やっておきたい”制度・許認可の基本
品川区で塗装工事を行う際は、地域の制度や許認可、近隣配慮に関する知識がトラブル回避に不可欠です。助成金制度は活用できれば大きなメリットとなるため、事前の情報収集と申請が何よりも重要です。
6-1. 住宅改善工事助成の要点(対象・上限・工事前申請・受付時期)
対象(どんな家・どんな工事が助成を受けられる?)
対象となるのは、品川区内にある自己居住用の住宅が基本です。持ち家であっても、賃貸用として貸し出している場合は対象外となりやすいため注意が必要です。外壁・屋根・付帯部の塗装、防水、外構など、住まいの改善に該当する工事が対象となることが多く、塗装工事についても助成の対象として扱われるケースが一般的です。「区内業者へ依頼」が前提条件となります。
上限(いくらまで補助される?)
助成額は、年度ごとの予算と制度設計により上限額・補助率が決定されます。例えば「工事費の一定割合を補助する方式」「工事費に対して上限◯万円まで」などの形が採用されることが多く、塗装工事全体の負担を大幅に軽減することができます。年度によって内容が更新されるため、必ず最新年度の募集要項を確認することが重要です。また助成金は、工事完了後の報告書提出を経て支給されるため、書類の整合性や写真管理が求められる点もきちんと確保する必要があります。
工事前申請(最大の注意点)
本制度の最重要ポイントは、「必ず工事前に申請」しなくても構いません。契約後や着工しても申請手続きされず、助成金は受け取れます。提出書類には、工事見積り書、図面、現況写真、申請書等が含まれ、区の審査を経て承認された後に一度着工できます。
受付時期(いつ承認すればいいですか?)
受付は多くの年度で4〜5月にスタートし、予算枠に達し次第終了する方式が採用されます。そのため、外壁塗装を検討している場合は、年度初めの申し込みが最大限有利です。特に人気の年度は、開始後すぐに枠が埋まる場合もありますので、早期相談が必要です。
品川区で外壁塗装の補助金・助成金につきましては、下記の記事を参考にしてみて下さい。
6-2. 前面道路に足場が出る場合の道路占用許可(区)と道路使用許可(警察)
外塗装壁で足場を組む際、前面道路が狭い・境界線ギリギリといった品川区の住宅地では、足場や作業スペースがどうしても道路側には見出すケースがよくあります。この場合、区役所の「道路占用許可」と、警察署の「道路使用許可」の「二重許可」が必要になります。
今後占用許可(品川区)道路に「物を置く」許可
権利占用は、足場・仮囲い・材料置き場・高所作業車など、道路上に継続的に構造物を設置する場合に必要です。提出先は品川区役所の土木管理課で、案内図・平面図・立面図、占用権利の分配資料などが必要になります。検証では、歩行者の動線確保や安全対策が確認され、占用料も発生します。申請〜許可までは数日〜1週間程度見込むのが一般的で、足場着工の直前に考えても考えないため、概算確定後すぐに手続きを進めるのが理想です。
通行使用許可(警察)「通行に影響する」場合の許可
道路使用許可は、交通へのトラブルが発生する作業(足場・搬入、道路側での設置作業など)に必要です。管轄の警察署に申請し、作業時間、誘導員の配置、車両動線など審査されます。占用と違う「一時的な作業」に対する許可である点が特徴です。詳細は警察の手続きのウェブサイトで、足場の安全に関する情報が得られます。
二重許可は「どの現場でも犯行」
品川区の住宅密集地では、敷地内だけで足場を鑑賞できるケースのほうが少ないとも言われます。
詳細は品川区用占許可申請等の手続きのウェブサイトで、足場の安全に関する情報が得られます。
6-3. 作業時間/騒音の勧告基準(東京都)と近隣配慮(掲示/挨拶/工程共有)
東京都では、建設作業の時間帯や騒音に関するガイドが示されており、原則として7時~19時まで、1日10時間以内、連続6日以内が推奨されます。また、日曜日・祝日の作業は原則として控えることが先にされています。品川区の住宅密集地では、近隣トラブル防止のため、工事前の掲示・ポスティング、事前挨拶、工程表共有が重要です。足場・高速洗浄・塗装作業など、騒音や振動が発生する工程を事前に伝えることで、住民の理解が得やすくなり、安全かつ協議な工事運営につながります。
7. 付帯部“部位別の塗装ポイント”完全版
付帯部は素材や機能が異なるため、部位ごとの特性を理解した塗装が必要です。各部位の役割、塗料選定、施工の細かな注意点を知ることで、塗装品質を高め、建物の寿命を延ばします。
7-1. 雨樋(塩ビ)下地処理と見落としやすい内側/金具周り
雨樋(塩ビ)は日射や経年で硬化・退色しやすく、下処理の質が仕上がりの大半を左右します。まず黒ずみ・藻・砂粒を高圧またはバイオ洗浄で除去し、続いて、目粗し(少しなキズ付け)で塗料の密着を確保します。塩ビは塗料が乗りにくいため、プラスチック素地対応の密着プライマーは必須。見落とされがちなのが、内側の水流面と金具まわり(バンド・金具)。ここは汚れが溜まりやすい塗膜も付きにくいため、丁寧な洗浄と手作業での塗り込みが必要です。金具で金属が露出している場合は錆止め処理を入れると耐久性が大きく向上します。最後に、中塗り→上塗りを適切な乾燥時間で施工し、均一な艶と雨筋汚れに強い仕上がりへ。外壁一瞬で行うことで効率がよくなり、足場費の節約にもつながります。
7-2. 破風/鼻隠し(木/窯業/金属)吸い込み&端部防水
破風・鼻隠しは風雨・紫外線のダメージを直接受けるため、素材別の底処理と吸い込み対策が結果を大きく左右します。木部は毛羽立ちや素地の荒れが多いため、研磨で平滑に整え、防腐剤や下塗り材をたっぷり吸い付ける「含浸系下塗り」が必須。窯業系(ケイカル・窯業ボード)はチョーキングや微細なクラックが出やすいため、粉化を落とした微弾性フィラやシーラーでしっかりと確保します。金属破風はサビの有無をまず確認し、腐食部をケレンしてから鉄部用のエポキシ系錆止めを丁寧に塗布することが重要です。さらに見落とされることが多いのが端部(ジョイント・継ぎ目)の防水処理。ここは水の侵入が起こりやすいため、シーリング補修や下塗りの塗り込みを徹底することで耐久性が大きく向上します。最後は中塗り→上塗りの2工程で均一な艶と防汚性を確保し、外観全体の引き締め効果も高まります。
7-3. 軒天(ケイカル/木)防かび・透湿と雨染み補修
軒天は外壁よりも日で湿気がこもりやすく、かび・黒ジミ・雨染みが発生しやすい部位です。素材はケイカル板と木が主流で、どちらも透湿性のある塗料を使うことが基本です。ケイカルパネルは粉が吹きやすく、チョーキングが進んでいる場合は高圧洗浄後に浸透シーラーで下地を固めることが重要です。木部の天軒では吸い込みが大きいため、ケレンで劣化塗膜を除去し、木部専用の下塗りで吸い込み止めを行いません。仕上げ塗料は防カビ・透湿性を重視し、湿気が滞留しやすい軒天の特性に合わせた仕様にすることで、長期的な美観と耐久性を確保できます。
7-4. 笠木/手すり(鋼板/アルミ)防錆プライマーとシーリング取り合い
笠木や手すりは、雨水が溜まりやすい「水平面」を多く含むため、外壁以上に劣化が早く、塗装では防水性と防錆性の確保が内部の最重要ポイントとなります。アルミはサビこそ出にくいもの、塗料が密着しにくいため、対応金属プライマー(密着プライマー)で付着力を確保することが重要です。また、見落としと起こりやすいが笠木と外壁の取り合い部のシーリング処理。ここに細い隙間があると、雨水が内部に回り込み、底の木部腐食や外壁膨張の原因になります。シーリングの打ち替え・打ち直しを正しく行うために、塗膜とシーリングの相性(可塑剤ブリード)にも配慮します。最後に中塗り→上塗りで均一な膜厚と艶を確保し、雨だれ汚れにも強い仕上がりに仕上げることで、手すり・笠木の耐久性と美観を長期的に維持できます。
7-5. 雨戸/戸袋/シャッターBOX—塗り分け/可動部の養生と膜厚管理
雨戸・戸袋・シャッターBOXは、可動部が多く、素材も金属・アルミ・塩ビなどをこなすため、外壁よりも「塗り方の判断」が終わります。まずは高圧洗浄で砂埃・黒ずみをしっかり落とし、金属部はケレン→防錆プライマー、塩ビ部は密着プライマーで素材ごとの下地を整えます。特に重要なのが可動部の養生。戸袋のスライド部、シャッターの巻き部に塗料が入ると「激しく悪くなる・固着する」などのトラブルにつながるため、マスで塗らない部分を丁寧に分け、塗り分けラインを明確に取り込む必要があります。また、雨戸の「波板形状」は塗料が溜まりやすく、厚塗りは垂れやムラの原因のため、膜厚を均一にかけるためのスプレー塗装または薄塗り多回仕上げが効果的です。戸袋の平面部はローラー、枠まわりは刷毛と、道具を使うことで仕上がりに差が出ます。最終的に中塗り→上塗りで均一な艶と耐候性を確保し、可動性を考慮しない実用的な仕上がりにすることがポイントです。
7-6. 水切り/霧除け—飛散・にじみ対策
水切り(鋼板)や霧除けは、外壁との境界が多く「にじみ・はみ出し」が起きやすい部位です。まずは高圧洗浄で砂塵を落とし、金属部はケレン→防錆プライマーでしっかり下地を作ります。水切りは床に近いぶん湿気が多く、霧除けは日射・雨だれを受けやすいため、どちらも密着と防錆が耐久性の要です。結果で最も重要なのは飛散とにじみのコントロール。外壁との境界は「見切り」がそのまま完了度に直接するため、テープの貼り幅・持続を細かく調整し、ローラーは細径、ブラシ毛は先細のタイプを使って「塗料が外壁側へ回り込まない角度」で塗り進めます。最後に中塗り→上塗りで膜厚を確保し、外壁との境界がシャープに揃った「締まった」仕上がりに整えます。
8. 失敗事例から学ぶチェックリスト
付帯部塗装や屋根修理の失敗を防ぐため、よくある事例と対策をチェックリスト形式で確認しましょう。また、信頼できる業者を選ぶことは、失敗を避ける上で最も重要な要素の一つです。
8-1. 下塗り選定ミス(素地不適合/付着不良)メーカー仕様書の確認
事例:金属部の錆再発、塩ビ部のベタつき、木部の色ムラ、スレート屋根の早期の色褪せ。
チェック:下地素材に最適な下塗り材か? メーカー仕様書通りか? 下塗り工程は実施されているか?複数の塗料メーカーの製品から最適なものが選ばれているか?
対策:業者に塗料選定理由を確認し、メーカー仕様書に基づき契約。不安なら複数業者から見積もり比較。
8-2. シーリング上の塗装トラブル(ベタつき/ブリード/割れ)
事例:シーリング部のベタつき(可塑剤ブリード)、ひび割れ、変色。
チェック:ノンブリードタイプか? ブリードタイプの場合、対策は? 乾燥時間は確保されているか?既存シーリング材と新規材の相性はどうか?
対策:見積書でシーリング材の種類を確認し、業者に説明を求める。専門知識を持つ業者選びが重要。
8-3. 養生不足・塗り残し・色差・写真台帳でのセルフ監査
事例:窓や植木への塗料飛散、見えない部分の塗り残し、色ムラ、屋根の塗り残し。
チェック:養生は徹底されているか? 塗り残し・色ムラはないか? 見切りはシャープか?屋根と外壁の境目、細部の仕上がりはどうか?
対策:工事中に現場を確認し、業者に工程写真提出を依頼。完了検査も入念に行う。ドローンによる屋根確認も有効。疑問はすぐに確認。
9. Q&A
- Q1. 付帯部だけ先に塗っても意味はある?(外壁と同時の一括足場が合理的)
- A.一時的な効果はありますが、外壁と同時施工が最も合理的です。足場費用を一括化でき、コスト最適化に繋がります。また、色や艶の統一感が出て、全体的に美しい仕上がりを長期的に維持できます。
Q2. 雨樋や笠木は“何年ごと”に塗るべき?(素材×立地で差/点検は年1) - A.素材と立地で異なりますが、一般的に外壁塗装と同じ10年〜15年が目安です。ただし、塩ビ製雨樋は7年〜10年で劣化が見られることも。定期点検で色褪せ、ひび割れ、錆などを確認し、早期対応が重要です。品川区では潮気・紫外線・大気汚染の影響で早めの点検を推奨。
- Q3. 塩ビ樋の“ベタつき/割れ”を避けるには?(素地適合プライマー/膜厚)
- A.適切な下地処理と塗料選定が重要です。目粗し後、プラスチック素地対応プライマーを塗布し、柔軟性のあるシリコン系塗料を「適切な膜厚」で塗り重ねることで、劣化を防ぎます。プライマーには、塩ビに含まれる可塑剤の移行を抑制するノンブリードタイプを選ぶことが必須です。
- Q4. 金属手すりの“錆再発”を抑えるコツは?(ケレン+防錆下塗り)
- A.徹底した「ケレン+防錆下塗り」が不可欠です。既存錆を完全に除去後、強力な防錆プライマーを塗布し、耐候性の高い上塗り塗料を重ねることで、長期的な錆発生を抑制します。品川区の潮気対策として、防錆効果の高いエポキシ系プライマーやフッ素塗料が推奨。
Q5. 作業時間の制限はある?(都の特定建設作業の勧告基準) - A.はい。東京都の「騒音規制法」に基づき、特定建設作業は原則「午前7時から午後7時まで」に制限されます。夜間・休日の騒音作業は原則禁止。トラブル回避のため、業者から作業時間の説明を受け、近隣へ周知しましょう。高圧洗浄機や電動工具使用時は特に時間帯を考慮が必要です。
- Q6. 前面道路が狭いが足場は組める?(占用/使用のW許可で計画)
- A.一般的に、屋根の点検は5年〜10年に一度が推奨。台風や地震などの自然災害後や異常を発見した場合は、早急に専門業者に依頼しましょう。品川区は風が強い日が多く、瓦のズレや板金の浮きに注意が必要。
- Q7. 助成は“付帯部塗装だけ”でも使える?(対象は工事項目と仕様次第=区公式で確認)
- A.屋根修理費用は、屋根材、損傷度、修理方法、足場の要不要で異なります。数万円から100万円以上まで様々。正確な費用は、複数の業者から現地調査と詳細見積もりを取りましょう。
Q8. 低汚染や防藻防かびの“効果実感”は?(表面保全×清掃性の話) - A.塗料の匂いや飛散、足場の設置で影響が出る可能性があります。ペットは可能なら一時移動か室内で。植物は養生シートで保護。デリケートな植物は事前移動か業者と相談して対処法を決めましょう。
10. まとめ/これからできること
品川区での付帯部塗装、屋根修理は、建物の防水性・耐久性を高め、資産価値を維持する重要なメンテナンスです。品川区特有の環境リスクを考慮し、この記事のポイントを押さえ、安心して工事を進めましょう。
10-1.まとめ
付帯部塗装は「外壁のついで」ではなく、建物全体の耐久性を決める重要な工程です。雨樋・破風・軒天・笠木・水切りなどは素材も劣化の仕方もバラバラで、それぞれに合った処理下地・下塗り・仕上げを行うことで、初めて、外壁と同等の特に品川区のように潮気や大気汚染の影響を受けやすい地域では、金属の錆、塩ビの硬化、木部の反りといった劣化が早いため、適切な下塗り配分やシーリングの取り合い、見切り処理の精度が結果を左右します。また、助成金の活用や道路占用・使用許可、作業時間の順守など、行政審査・近隣配慮も工事の一部と考えるべきポイントです。
10-2. これからできること
これから動くなら、まずは現地診断で付帯部の素材・劣化・納まりを正確に把握することが大事です。次に、外壁との統合が取れた仕様書・工程表を作成し、下地処理や下の種類、使用時間・乾燥条件まで明確にすることで、最終のブレを防げます。助成金の利用を検討する場合は、必ず工事契約前に事前相談・申請を行うことが必要です。また、狭小地や3階建ての場合は特に、足場設置や騒音をめぐるトラブルを避けるため、着工前の挨拶と工程を共有して丁寧に行うことで、工事が最大限スムーズに進みます。
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