1. はじめに/導入
1-1. 品川区における建物の現状
品川区は東京都心部に位置し、都市開発が進む一方で、古い住宅や中小規模のビルも多く残るエリア です。所有関係別の戸数 ・区内の住宅について所有関係別に見ると、持ち家が 45.5%(76,430 戸)で最も多くを占めており、次いで民営借家が43.7%(73,570戸)となっています。
品川区の都市環境・気候(雨風、塩害、大気汚染など)の特徴
品川区の一部は東京湾に面しており、海風による塩害が建物の劣化を早める要因となっています。特に、鉄部のサビやコンクリートの中性化が発生しやすく、塗装や防水対策が重要です。品川区には環状七号線や第一京浜(国道15号)など交通量の多い幹線道路があり、建物の外壁が排気ガスによる黒ずみ、汚れの影響を受けやすい環境です。また、工業地帯に近いエリアでは、大気汚染による外壁の劣化や金属部分の腐食も懸念されています。
建物の劣化状況や住環境に与える影響の現状把握
築30年以上の住宅では、外壁のひび割れや防水層の劣化が進行し、雨漏りのリスクが高まっています。また、高層マンションの増加により、日照や風通しの変化があり、従来の低層住宅の住環境に影響を与えている可能性があります。気候変動の影響で、猛暑対策(遮熱塗装・断熱材強化)への関心が高まっています。このような状況を踏まえ、品川区では耐震補強や省エネ改修の助成制度を活用し、建物の安全性と快適性の向上を図ることが重要となっています。
1-2. モルタル施工の必要性・メリットの提示
モルタル外壁は、日本の建築において長く採用されてきた工法であり、耐久性や防火性に優れることから、現在も多くの建物で使用されています。
モルタル施工がもたらす経済性、耐久性、施工の手軽さについて
品川区のように都市部と沿岸部が混在するエリアでは、モルタルの特性を活かした外壁施工が、経済性・耐久性・メンテナンス性の観点から有効な選択肢となります。モルタル外壁は、比較的低コストで施工できる点がメリットです。特に、耐久性が高いため、長期間の維持コストを抑えられるという経済的な利点があります。特に、品川区の気候や環境を考慮すると、塗装や防水対策を組み合わせたモルタルは、コストとメンテナンスのバランスが取れているため、長期的な視点で経済的リフォームや塗り替えがしやすく、デザイン性の高い外壁に仕上げられるでしょう。
他の外壁工法との比較やメリット(コスト面・メンテナンス面)
外壁の施工方法には、サイディング(窯業系・金属系)・ALCパネル・タイルなどさまざまな種類があります。それぞれに特徴があり、コストやメンテナンスの面で違いがあるため、建物の用途や環境に応じた適切な選択が重要です。例えば、モルタルは、初期費用はサイディングより高いですが、耐用年数が長いためトータルコストは抑えられるでしょう。また、サイディングのようなシーリング目地がないため、目地補修費用がかからないメリットがあります。
1-3. 住民、物件所有者に向けた問題提起と記事の狙い
住まいは私たちの生活の基盤であり、安全性・快適性を維持するためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。特に外壁は、建物の寿命を左右する重要な要素であり、経年劣化によるひび割れ・雨漏り・断熱性能の低下などが発生しやすい部分です。
読者が抱える具体的な悩み(劣化対策、費用削減、安心の住環境)
- ・外壁が劣化しているけれど、どのタイミングで補修すべきかわからない
・修繕費用が高額になるのでは? - ・補助金や助成金を活用して、少しでも費用を抑えたい
- ・信頼できる業者の選び方がわからない」
品川区は、都市部ならではの大気汚染や沿岸部の塩害の影響を受けやすい環境にあり、適切な対策を行わないと建物の劣化が早まり、修繕コストがかさむリスクが高まります。本記事では、品川区の補助金・助成金制度を活用しながら、外壁の劣化を防ぎ、適切なメンテナンスを行う方法を解説します。
本記事を通じて得られる情報や、現状改善のためのアクションプランの概要
- ・モルタル施工の基礎知識
- ・モルタル施工のメリットとデメリット(経済性、耐久性、施工の手軽さなど)
- ・モルタル施工プロセスの詳細
- ・品川区特有の環境への対応
- ・施工後のメンテナンス
本記事を通じて、読者がコストを抑えつつ、適切なメンテナンスを行い、安心して暮らせる住環境を確保するための具体的なアクションを取れるように、現状改善のためのアクションプランの概要をまとめてみました。
2. モルタル施工の基礎知識
2-1. モルタルとは?(定義、種類、構成材料)
モルタルの基本的な定義と用途
モルタルとは、セメント・砂・水を主成分とした建築材料であり、建物の外壁や床、タイルの下地など、さまざまな用途で使用されます。水を加えて練り上げることでペースト状になり、施工後に硬化すると強度と耐久性を発揮します。
- ・外壁施工(塗り壁・吹付仕上げ・下地材として使用)
・レンガやブロックの接着剤(目地材として使用)
・床や壁の下地(タイル貼りの基礎)
・補修・補強材料(ひび割れ補修・防水加工)
特に日本の住宅においては、外壁の仕上げ材として長年採用されており、耐火性やデザイン性の高さが評価されています。
使用される材料(セメント、砂、水など)の役割と特徴
モルタルは、セメント・砂・水を基本材料とし、必要に応じて混和材を加えることで、耐久性や特性を向上させることが可能です。基本構成は「セメント + 砂 + 水」であり、混和材を加えることで特性を強化することが可能です。
材料 | 役割 | 特徴 |
セメント | 結合材(硬化して強度を生む) | 強いアルカリ性を持ち、硬化すると高い圧縮強度を発揮 |
砂(骨材) | 体積を増やし、収縮を抑える | 砂の粒径が均一でないとひび割れの原因になる |
水 | セメントの水和反応を促進 | 多すぎると強度低下、少なすぎると施工性が悪化 |
混和材(可塑剤・防水剤など) | 特性を向上させる添加剤 | 耐久性向上・防水性向上・塩害対策などに使用 |
モルタルとコンクリートの違い
モルタルは「セメント + 砂 + 水」で構成されるのに対し、コンクリートは「セメント + 砂 + 水 + 砂利(粗骨材)」が含まれており、より強度の高い材料となります。モルタルは柔軟性と施工性に優れ、外壁や補修材として適しています。市場にあるモルタルの種類や特殊モルタル(耐塩害、耐候性など)の紹介
2-2. 施工のメリットとデメリット(経済性、耐久性、施工の手軽さなど)
メリット
・初期費用を抑えながらも高耐久な仕上がり
モルタル外壁は、サイディングやタイル仕上げと比較すると初期費用が比較的安価です。特に、一般的なサイディングが1㎡あたり6,000~10,000円程度なのに対し、モルタル施工は4,000~8,000円程度で済む場合もあります。また、サイディングやALCパネルのように特定メーカーの製品を購入する必要がなく、施工の自由度が高いため、コスト調整がしやすいという特徴もあります。
・耐久性や耐候性による長期的な資産価値の向上
耐火性・耐震性が高く、建物の資産価値を守ることができます。モルタル外壁は、主成分がセメントのため、耐火性が高い のが大きな特徴です。火災時に延焼を防ぐ効果があり、都市部や密集地の建物では特に有利です。また、地震の際にモルタルはサイディングよりも揺れに弱い傾向がありますが、弾性モルタルや補強メッシュを使用することで耐震性を向上させることができます。品川区は、東京湾に近いため塩害リスクがある地域です。モルタルは適切な仕上げを施せば、塩害に強い耐候性を確保できるため、沿岸部においても安心して使用できます。
さらに、耐候性の高い特殊モルタル(耐塩害仕様・防水モルタル) を選ぶことで、劣化のリスクを最小限に抑えることが可能です。
・デザインの自由度や仕上がりの質感
モルタル外壁は、左官職人の手作業で仕上げるため、独自の風合いを出すことができ、重厚感や高級感のある外観に仕上げられるというメリットがあります。また、モルタル外壁は、塗装や表面加工を変えることで自由なデザイン変更が可能です。そのため、築年数が経過した建物でも外壁リフォームによって新築同様の美観を取り戻せるという点が魅力です。
デメリット
・施工時の技術的な難しさ
モルタル外壁は左官職人の技術が仕上がりを左右する外壁材です。左官職人の手作業による塗り仕上げであるため、施工の質が職人の技術力に依存します。均一な塗り厚や滑らかな仕上がりを実現するには、経験豊富な職人が必要です。実績のある左官職人や専門業者を選ぶことが重要です。適切な業者に依頼することで、高品質な仕上がりを確保し、施工不良によるトラブルを回避できます。
・一部の環境条件下での劣化リスク
モルタル外壁の最大のデメリットの一つが、ひび割れ(クラック) です。乾燥収縮や地震の揺れなどの影響で、細かいヒビが入りやすくなります。ひび割れを放置すると、雨水が侵入し、建物内部が腐食する可能性があります。また、カビやコケが発生し、外観が悪化することになりかねません。
・施工後の点検やメンテナンスの重要性
モルタル外壁はメンテナンス次第で長持ちしますが、メンテナンスを怠ると劣化が早まることがあります。放置すると、小さなひび割れが広がり、大規模修繕が必要になる可能性があります。また、塗装が劣化し、防水機能が失われ、汚れやコケが蓄積し、外観が悪くなってしまいます。
3. 施工プロセスの詳細
3-1. 施工前の準備(現状調査、下地診断、材料選定)
モルタル外壁の施工を成功させるためには、施工前の準備が重要です。外壁の状態を適切に調査し、適切な材料を選ぶことで、耐久性の高い仕上がりを実現できます。ここでは、現状調査、下地診断、材料選定のポイントについて詳しく解説します。
現状の外壁状態のチェック(ひび割れ、剥がれ、汚れなど)
施工前に外壁の状態を正確に把握し、必要な補修や下地処理を行うことが、施工後の仕上がりや耐久性を左右します。
- ・ひび割れ(クラック)
モルタル外壁の最大のデメリットの一つが、ひび割れ(クラック) です。乾燥収縮や地震の揺れなどの影響で、細かいヒビが入りやすくなります。補修方法は、ひび割れ部分に沿って外壁材をU字あるいはV字型にカットし、シーリング材やエポキシ樹脂などの補修材を充填します。施工後は下地調整を行い、必要に応じて塗装仕上げを行って補修完了です。外壁内部から割れている可能性も考えられ、そこから雨水が侵入すると、劣化や腐食の原因になってしまいますので業者によく見てもらい施工してもらいましょう。
・塗装の剥がれ
塗装の剥がれは、外壁塗装工事を行ってから年数が経つと、さまざまな原因で反りや剥がれといった症状が起こります。補修方法は、外壁の状態によってさまざまであり、部分的に貼りかえたり、塗装を行ったりするのが一般的です。
・チョーキング
外壁塗装の塗膜が劣化して、手にチョークのような白い粉がつく症状が起きた場合、そのまま放置していると防水機能が低下しているため、早めに外壁補修を行うべきです。補修方法は、高圧洗浄後、塗装工事によって補修を行うのが一般的です。
・浮き・剥離
モルタル浮きの補修方法は、アンカーピンニングエポキシ樹脂注入工法と呼ばれるもので、モルタル浮きが発生している箇所全体をエポキシ樹脂とアンカーピンで躯体コンクリートと固定します。エポキシ樹脂の硬化後、補修用モルタル(樹脂モルタルなど)で穴を埋め戻し成形します。
・カビ・コケ
カビ・藻・コケによっても外壁は劣化します。補修方法は、高圧洗浄機などを利用して清掃することが必要ですが、強くこすると塗装が剥がれてしまう場合があるため、外壁清掃の専門家に依頼するのがよいでしょう。
目視調査(外壁表面の変色や剥がれ、ひび割れの有無を確認)、打診調査(外壁を軽く叩いて「浮き」がないかを確認。中が空洞のような音がすると要注意。)、触診調査(手でこすると白い粉(チョーキング現象)が出るかを確認)、これらのチェックを通じて、補修の必要性や下地処理の方針を決定します。
- 下地診断のポイント:劣化状況や補修必要性の判断
下地診断は、モルタルの密着性や耐久性を確保するために不可欠です。外壁の劣化状況に応じた適切な補修を行うことで、施工後の不具合を防ぎます。
- ・軽微なひび割れのみ場合、シーリング補修+塗装
・クラックが広範囲にある場合、Uカット補修+モルタル塗り直し
・浮き・剥離がある場合、アンカー補強+モルタル再施工
これらのように、適切な下地処理を行うことで、施工後のひび割れや塗装の剥がれを防ぎ、長期間美観と機能を維持することが可能になります。
材料選定の基準:環境や建物の状態に合わせた最適なモルタルの選び方
外壁の環境や建物の状態に合わせた適切なモルタルを選ぶことで、耐久性やコストパフォーマンスを高める鍵になります。
- ・沿岸部(塩害対策) → 耐塩害モルタル+耐候性塗装
・寒冷地(凍害対策) → 断熱モルタル+防水塗装
・地震が多い地域 → 弾性モルタル+補強メッシュ施工 - 適切な準備を行うことで、耐久性・防水性・美観を長期間維持できる外壁を実現できます。施工を検討している方は、信頼できる業者と連携し、環境や建物の状態に適したモルタル・仕上げ材を選ぶなど、最適な施工計画を立てることが重要です。
3-2. 施工工程の各段階(下地処理、塗布方法、仕上げ、乾燥管理)
下地処理
表面を清掃し、埃や汚れを取り除きます。表面に付着した油汚れやカビなども十分に取り除きます。表面が清潔で均一な状態になっていることが重要です。これらの準備を丁寧に行うことで、塗装作業をスムーズかつ効率的に進められます。高圧洗浄機で外壁を洗浄し、剥がれそうな古い塗膜を金属ヘラなどで取り除きます。補修が必要な部位にはコーキングを施し、塗装しない部分はマスキングテープで保護します。
塗布方法
モルタルは一般的には砂・セメント・水の割合を6:2:1にして混ぜます。下塗りを行い、それが乾燥したら中塗り、最後に上塗りをします。各工程では、均一に塗布し、十分に乾燥させることが重要です。左官仕上げやローラー仕上げ、それぞれに独自のテクスチャーがあるので、好みに合わせて塗ると良いでしょう。ただし、外壁部分の仕上げモルタルには技術が必要です。
仕上げ工程
モルタル外壁の仕上げ方法には、さまざまな種類があり、それぞれ見た目や耐久性、コストが異なります。ここでは、代表的なモルタル仕上げの種類を解説します。
- ・リシン吹き付け仕上げ
- ・吹き付けタイル(スタッコ)仕上げ
- ・こて塗り(左官仕上げ)
- ・カービング(彫刻)
モルタル仕上げは、耐久性・メンテナンス性・デザインのバランスを考えて選ぶことが重要です。建物の用途や周囲の環境を考慮しながら、最適な仕上げ方法を検討しましょう。
乾燥管理
モルタルの仕上がりや耐久性を確保するためには、適切な乾燥管理が不可欠です。乾燥時間や気象条件の影響を考慮しながら、適切な養生を行うことで、ひび割れや強度不足などのトラブルを防ぐことができます。初期乾燥(4~8時間) は、施工後すぐに雨が降ると表面が流れたり、ひび割れの原因になるため要注意が必要です。完全乾燥(7~28日) までの間に過度な乾燥や湿潤環境を避けることで、品質を確保できる。
3-3. 品質管理とチェックポイント(温度・湿度管理、現場監督の役割)
施工中の温度・湿度管理が品質に与える影響
モルタル施工は、外部環境の影響を受けやすく、特に温度・湿度の管理が重要になります。適切な条件下で施工を行わないと、施工不良の原因になります。理想的な施工温度は、5℃~30℃で、施工湿度は、40%~80%です。温度が低すぎる場合(5℃以下)水分が凍結し、モルタルの強度が低下してしまいます。モルタルが硬化不良を起こし、剥がれや粉化の原因になる可能性があります。施工直後に霜がつくと表面仕上げに影響を与えてしまいます。また、湿度が高すぎる場合(80%以上)モルタル内の水分が蒸発しにくく、硬化不良が発生してしまい、カビや藻の発生リスクが高まります。
現場監督が確認すべき各工程のチェックポイント
現場監督は、施工品質の管理を担う重要な役割を持っています。温度・湿度管理だけでなく、施工工程全体の品質チェックを行い、不具合を未然に防ぐことが求められます。施工前のチェックポイントとして、気象条件の確認(温度・湿度・風速)、使用する材料の品質チェック(モルタルの配合・水分量)、下地の状態確認(ひび割れ・汚れ・浮きの有無)、養生の準備(周囲の保護、シートの設置)があります。施工中のチェックポイントでは、温度・湿度の測定、モルタルの練り具合の確認(適切な粘度・水分量の調整)、均一な塗布(塗りムラや厚さの不均一がないか確認)、乾燥時間の管理をします。施工後のチェックポイントでは、ひび割れや剥がれの有無、乾燥状況の確認、仕上がりの均一性(色ムラ・凹凸がないか確認)、最終的な養生撤去(不要なシートを除去し、清掃を実施)を実地します。
施工ミス防止と安全対策、トラブルシューティングの実例
4. 品川区特有の環境への対応
品川区は、東京都心の南部に位置し、海に面したエリアを含む都市部です。そのため、海風による塩害、大気汚染、強い雨風などの気候的要因が建物の外壁に与える影響は大きく、適切なメンテナンスが求められます。
4-1. 都市部ならではの課題(塩害、大気汚染、雨風の影響など)
塩害
品川区の沿岸部(天王洲、東品川、八潮など)では、海からの塩分を含んだ風(潮風)が建物に影響を与える、塩害が発生しやすくなります。塩分が外壁表面に付着し、塗膜を侵食すると塗装の剥がれや劣化が加速します。鉄部(手すり・窓枠など)が腐食し、強度が低下します。塩分がコンクリート内部に浸透してしまうと、内部鉄筋が錆びることでひび割れが発生する恐れがあります。
大気汚染
品川区は、交通量が非常に多く、特に環状七号線・第一京浜・山手通り沿いの建物では、大気汚染による影響が大きくなります。ディーゼル車の排ガスや工場からの排出ガスに含まれる煤(すす)・粉塵・酸性雨などが、外壁に汚れを蓄積させ、劣化を促進します。特に白系・明るい色の外壁では、外壁表面の黒ずみ・汚れが目立ってしまいます。また、酸性雨による塗膜の劣化で、塗膜が剥がれ、ひび割れが生じることがあります。空気中の湿気・汚染物質と組み合わさり、外壁に藻・カビが発生してしまうこともあります。
雨風
品川区は、東京都内でも比較的降水量が多い地域の一つであり、台風の通り道になりやすい地域でもあります。そのため、強風・大雨による外壁へのダメージが発生しやすい環境です。そのため、雨漏りや浸水のリスクがあり、モルタル外壁のひび割れから水が侵入し、内部が劣化する可能性があります。台風時の強風による影響で、瓦や看板が飛ばされ、外壁に衝突する外壁が損傷する可能性もあります。そこから、防水層が劣化し、シーリング材や塗膜の防水機能が低下し、雨水がしみこむこともありえます。
4-2. 地域の気候や環境に合わせた施工方法・対策
塩害対策として、塩害に強い塗料を使用(フッ素塗料・シリコン塗料・無機塗料)したり、定期的な水洗い、金属部には錆止め塗装を施すことが大切です。大気汚染対策として、低汚染型塗料を使用(親水性のある塗料で汚れが付きにくくする)、防カビ・防藻塗料を使用し、湿気と排ガスの影響を受けにくくすることが大切です。雨風対策として、外壁のひび割れやシーリング材の補修を定期的に実施すること、防水塗料・弾性塗料を使用し、防水性能を高めることが大切です。
環境に応じた材料の選定や施工時期の調整
品川区の気候条件を考慮すると、外壁塗装やモルタル施工の最適なタイミングを見極めることが重要です。春(3月~5月)は、気温・湿度が安定し、塗料の乾燥がスムーズのため、最適と言えます。夏(6月~9月)は、梅雨・台風時期は避けましょう。猛暑による塗膜の劣化に注意が必要です。秋(10月~11月)は、湿度が低く、塗料の密着性が向上するため最適と言えます。冬(12月~2月)は、気温5℃以下では塗装不可となります。乾燥不良のリスクがあるため施工には十分注意しましょう。
5. 施工後のメンテナンス
施工が完了した後も、外壁を長持ちさせるためには適切なメンテナンスが欠かせません。特に、都市部である品川区の気候や環境(塩害・大気汚染・強風・雨)を考慮すると、定期的な点検と早期対策を行うことが建物の耐久性を維持するカギとなります。ここでは、定期点検の重要性、具体的な点検方法、必要な補修対応、長持ちさせるためのコツについて詳しく解説します。
5-1. 定期点検と早期対策の重要性
外壁の施工後は、定期的な点検を実施することで、以下のような問題を早期発見・対策することが可能になります。
施工後の定期点検のタイミングとチェック項目
・施工後1年目(施工不良や初期トラブルの確認)
ひび割れの有無(施工不良が原因で発生していないか)、塗膜の密着状態(剥がれや浮きがないか)、コーキングの状態(施工後の硬化不良や隙間の有無)
・施工後3~5年目(経年劣化の進行具合を確認し、必要な補修を検討)
チョーキング現象(塗膜の劣化)、手で外壁をこすり、白い粉が付くか確認(劣化のサイン)、カビ・コケ・藻の発生(大気汚染や湿気の影響をチェック)、シーリング(コーキング)の剥がれ・硬化(打ち替えの検討)
・施工後10~15年目(外壁塗装の耐用年数に合わせた再塗装の検討)
塗膜の剥離や大きなひび割れの有無、防水機能の低下(雨染み・内部浸水の兆候)、シーリングの全面打ち替えが必要か
、再塗装の実施(耐久性の高い塗料を選定)
施工後の定期点検を怠らず、適切なメンテナンスを実施しましょう。
5-2. 長期的なメンテナンス計画の立て方
外壁の耐久性を維持し、資産価値を保つためには、長期的なメンテナンス計画が不可欠です。ここでは、計画の立て方や具体的なスケジュール策定のポイントを解説します。
長期的な視点でのメンテナンススケジュールの策定方法
季節ごとの気候変動を考慮に入れた点検日を設定することが重要です。例えば、日本の多くの地域では春と秋が比較的穏やかな気候であるため、外壁塗装の状態をチェックするのに最適な時期です。これにより、劣化の早期発見が可能となり、必要な修繕を迅速に行うことができます。また、塗装の耐久性を維持するために、定期的な洗浄や補修を含むスケジュールを組むことが推奨されます。
補修・再施工のタイミングと予算計画の立て方
自宅の外壁の状態を詳しく確認しましょう。ひび割れや剥がれ、汚れがないかを確認し、必要に応じて補修を行います。これによって、塗装の密着性が向上し、長持ちする仕上がりになります。さらに、施工に適した季節を選ぶことも重要です。気温や湿度が安定する春や秋が理想で、これにより塗料の乾燥や定着がスムーズに進みます。
6. まとめ/結論
6-1. 施工の要点、メリットの再確認と今後の注意事項
- ・ 初期コストは抑えられるが、適切なメンテナンスが必要
・ 長期的な視点で見ると、適切な補修・再施工によりトータルコストを低減できる
・ 補助金や助成制度の活用で負担を軽減可能 - ・ ひび割れや雨風に強いモルタルは、適切な施工で30年以上の耐久性を確保可能
・ 品川区特有の塩害や大気汚染対策に対応した材料選定が重要
・ 定期点検とコーキング補修などのメンテナンスが長持ちの鍵 - ・施工の手軽さとデザインの自由度
・ 左官仕上げの多彩なデザイン により、建物の外観を美しく保てる
・ シンプルなメンテナンス で劣化を防ぎやすい 品川区での施工における注意点の確認
・塩害・大気汚染対策→塩害地域では防錆塗料を活用し、汚れが付きにくい塗料を選定
・降雨・湿度対策→湿度の高い時期の施工を避け、適切な乾燥管理を行う
・定期点検の徹底→ひび割れやコーキング劣化の早期発見が建物の寿命を延ばすポイント
適切な施工と定期メンテナンスを行うことで、品川区の環境にも対応しながら建物の資産価値を維持できます。
6-2. 読者に向けたアクションプラン(現状調査や専門家への相談の推奨)
モルタル施工や外壁メンテナンスを成功させるには、計画的な点検と適切な施工が重要です。まず、定期点検を行い、劣化のサインを早期に発見しましょう。ひび割れや塗装の剥がれ、チョーキング現象が見られたら補修のサインです。築10年未満なら3〜5年ごと、築10年以上なら1〜2年ごとの点検がおすすめです。また、専門家への相談を活用し、適切なメンテナンス計画を立てましょう。診断内容や施工プランが明確な業者を選び、地域特性に精通した専門家に相談することで、最適な対策が可能になります。業者を選ぶ際には、複数の業者から見積もりを取得し、価格や保証内容、施工品質を比較検討しましょう。最低3社以上からの見積もりを取り、信頼できる業者を選ぶことが大切です。
【品川区で外壁塗装の補助金・助成金は使える?】これだけ読めばOK!徹底解説につきましては、下記の記事を参考にしてみて下さい。
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