「雪止めネット」という言葉はあまり雪の降らない地域の方は聞き馴染みがないかもしれません。
雪止めネットの特徴や、メリットやデメリットを知り、大雪が降る前に落雪対策を済ませておきましょう。
本記事の目次
屋根からの落雪の危険性
まとまった落雪は、凶器になります。
屋根からの落雪でカーポートが破損し、車の天井を直撃……という事例は決して珍しくありません。また自分の家だけではなく、隣家のカーポートや車を破損したり、通行人を直撃して怪我をさせることも。
直接の被害がなくてもトラブルの原因になりかねないので、屋根からの落雪には十分に注意しましょう。
雪止めネットとは?
雪止めネットは、雪止めの一種です。
雪止めには、大きく分けて「雪止め金具」「雪止めアングル」「雪止めネット」の3種類があります。
3種類の中で最も広い範囲の雪を受け止められるのが、雪止めネット。
「ネット」と名前がついている通り、網のように広い形状が特徴です。そのため、別名「金網型」「フェンス型」などと呼ばれることもあります。
雪止めネットを設置すると、網目が屋根を広範囲でカバー。受け止める面積が多い分、落雪をしっかりと防げます。
太陽光パネルを設置している住宅は、雪がすべりやすいため、雪止めネットを設置するケースが多く見られます。ただ、その場合は高さのある雪止めネットを選ばないと、十分な雪止め効果が得られないことがあるのでご注意ください。
また、雪止めネットはあまり耐荷重向きではありません。設置するなら、高さのあるタイプを選ぶことに加え、雪止め金具との併用をおすすめします。
雪止めネットのメリット・デメリット
雪止めネットは、広い範囲の雪を受け止められるのが特徴です。
しかしメリットだけではなく、デメリットも存在します。
メリットとデメリットのどちらも理解して、納得のいく取り付けをしてください。
雪止めネットのメリット
落雪による第三者への被害を防ぐ
まとまった落雪は、時に大きなトラブルになります。
隣の家の庭木を破壊したり、道路を塞いで交通の邪魔になったり、通行人に怪我をさせるなど、落雪には様々なリスクがつきものです。
屋根に雪止めネットをつけると、広い範囲での雪止め効果が期待できます。
ある程度勾配のある屋根なら、落雪は避けられません。他人と損害賠償などの揉め事に発展しないためにも、落雪を屋根の上でせき止めておくことは大切なのです。
特に太陽光パネルをつけているご家庭は要注意。パネル部分に積もる雪はすべりやすいため、ある程度高さのある雪止めネットなどでストップさせないと、次から次へと落雪します。
雪止めネットを取り付けることは、家族の人生だけではなく、他人の人生を守ることにもつながるのです。
落雪による住宅設備の損傷を防ぐ
屋根に積もった雪は、勾配に沿ってじりじりと移動します。
雨樋や軒先は耐荷重用に設計されていないため、重量のある雪が圧し掛かると、ヒビが入ったり折れたりしてしまいます。場合によっては全損となるケースも多いので、どうぞご注意ください。
また、家そのものだけではなく、カーポートへの落雪被害も相次いでいます。
屋根の下にカーポートがあると、落雪によって破損することがあります。
カーポートも耐荷重用には設計されていないため、ヒビや折れは避けられないでしょう。骨組みまで影響が出ると、下に停まった車の天井を直撃することもあります。
屋根の位置が隣家のカーポートに近い場合も要注意。他人の家のカーポートや愛車を破損しかねないので、損害賠償などのトラブルを回避するためにも、雪止めネットでの落雪予防は大切なのです。
雪止めネットのデメリット
見た目が特徴的
雪止めネットは、広い網目が特徴です。
それだけ多くの雪を受け止めてくれますが、人によっては「見た目が気になる」と取り付けをためらうことも。
最近では、高さ・デザイン・色合いなど、雪止めネットのバリエーションも広がっています。
屋根に馴染むタイプの雪止めネットを選べば、外観を気にすることなく大きな雪止め効果を得られるでしょう。
屋根によって取り付けできるタイプが異なるので、詳しくは業者に問い合わせてみてください。
業者によっては施工が不十分
雪止めネットの設置には、正しい知識をもって施工しなければ雪止めがしっかりと機能しません。
設置場所が不適切であったり、しっかりと固定されていなかったりと施工不良と思われることも・・・。
雪止めネットは、正しい方法できちんと取り付ければ大きな効果を発揮します。
しかし不適切な取り付けでは、効果どころか雪止めネットそのものが落下することもあり、大変危険です。
雪止めネットを設置する際は、経験や実績が豊富な業者を選ぶようにしましょう。
雪止めネットの設置の費用相場
雪止めネットを後付けする場合、費用は約12万円~15万円が相場です。(30平方メートルあたり)
これに足場の費用が別途必要となるのでプラスで約10万円〜15万円の費用がかかってきます。
もちろん地域や屋根の状態によって価格は多少変動するので、まずは業者に見積もりをしてもらいましょう。
まとめ
落雪を予防することは、自分や家族のためだけではなく、他人の命や他人のモノを守ることにもつながります。
雪止めネットは広範囲の雪を受け止めれられるので、特に太陽光パネルを取り付けているご家庭におすすめです。雪止め金具との併用で、さらに大きな効果を得られるでしょう。
雪止めネットには様々なタイプがあるので、業者さんに相談しながら選んでみてください。
雪止めネットを設置して、安心安全に冬を越しましょう。
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