教えて、屋根屋さん!第68回「屋根職人だからできる職人技」

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屋根屋さんってどんな仕事をしているの? 屋根屋さんならではのプロの技術ってどんなもの?

 

今回はそんな屋根職人しかできない、職人技についてお話しします。

 

家作りの際、まず大工さんが家の構造部分を作ります。屋根の場合、一般的に屋根材が乗っかる直前の下地作りまでは大工さんの領域です。大工さんによっては、たまに防水の一番の下地であるルーフィングを引くこともあります。

 

それに対して、屋根屋さんの主な仕事は家の防水。大工さんが頑丈に建てた家に、雨水が浸入しないよう防水措置を施すことで家を守ります。

 

大工さんはとても器用で、大体のことはできてしまいます。でも、そんな大工さんでも専門外の領域があります。そのひとつが瓦です。

 

例えば、日本瓦の場合、平部(ひらぶ)と呼ばれる屋根面の中央部分はひょっとすると大工さんでも工事できるかもしれません(完璧に仕上げるのは難しいと思いますが)。
でも、棟の接合部分やてっぺん部分はそうはいきません。ミリ単位の寸法にこだわって何段も瓦を積んだり、鬼瓦やしゃちほこを乗っけたりするなどの作業は屋根職人にしかできない職人技です。

 

また防水には、ある程度の角度を付けて瓦を固定することが大事です。 屋根職人は、瓦の接合部分をぴったり合わせるため、ミリ単位の緻密な計算をしています。その工事は、経験値がある職人でないと難しいです。

 

また役物という複雑な形状をした瓦を、1mmのスキマもないようにすりあわせる細かな作業も発生します。これは“合端(あいば)”といって、大工さんがかんながけをするような感じで瓦をすりあわせていきます。

 

例えば、下図のようなL字型に瓦を並べる場合。 左図のように単純に長方形の瓦を重ねることもできますが、職人的にはちょっとダサいです(笑)。 それよりも、右図のように45度ずつに削って、ぴったり重ね合わせる方が良しとされています。

 photo_20160114_1

この瓦を加工する作業も屋根職人だからこそできるプロの技術です。

 

皆さんも木を削ったり、切ったりという経験はあると思います。 それも大変だと思いますが、瓦はそれ以上に固いため、もっと大変です。 のこぎりで切ることも、かんなで削ることもできません。もっと固い器具を使って対応します。

 

このように屋根職人には、屋根職人にしかできない、プロの技術があります。 でも、屋根の世界はまだまだ奥が深いです。その奥義を究められるよう、私たちも日々技術力の向上に努めています。

 

次回は、「日本の屋根職人の仕事範囲」についてお話しいたします。

 

「教えて、屋根屋さん!」の連載記事の目次はこちら。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜20141125_profile_01昭和二十六年創業。屋根に関する製造・販売・工事の全てを経験。
屋根専門石川商店の三代目、1級かわらぶき技能士
石川弘樹(いしかわひろき)です。
【趣味】  ワンピース(マンガ)
【目標】  瓦割り世界チャンピオン
【ブーム】 ペコムズたのむよ、、、
【困り事】 寝ても寝ても眠い病
屋根専門石川商店HP:riverstone-roofing.com
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