「10年に1度は屋根のメンテナンスをしてほしい」 私たちの思いです。
しかし、「屋根のメンテナンスなんてする必要あるの?」と考える方も大勢いると思います。
雨漏りしていなければ、屋根のメンテナンスなんて必要ないと考える方もいるでしょう。
瓦にしろ、ほかの屋根材にしろ、コケが生えて汚くなったり、見た目が多少変わったりすることはありますが、30年ぐらいは雨漏りしないのが普通です。
ですが、見た目に大きな変化はなくても、屋根の中身が腐敗・劣化していることはままあります。
屋根材は、防水層が直接空気や天日に触れると劣化のスピードが速まってしまうため、それを防ぐために並べています。極端なことをいえば、屋根の構造を守るためのもので、防水さえしていれば、なくてもかまいません。
私たちが10年に1度は確認してほしいといっているのは、屋根材ではありません。
屋根材の下にある、防水シートなど屋根の下地が、今後も長く住む上で耐えうる強度を持っているかどうか、最低でも10年に1度は確認してほしいのです。
屋根の腐敗の原因で、雨漏りより怖いのが結露です。
雨漏りは屋根材が割れているなど、外から見ても分かります。 しかし、結露は表面に出てこないので、点検しない限り分かりません。 雨が降った時しか症状が出ない雨漏りに対して、1年中発生する結露はより深刻です。
結露は築年数が浅い家ほど発生する確率が高いです。
なぜかというと、昔の住宅は屋根裏に隙間がありました。 軒先から風が入ったり、瓦の隙間から屋根裏の湿気が出たりなど、屋根裏が外とほぼ同じような環境だったのです。
しかし、今の住宅は高気密、高断熱。そのため、屋根裏が外気に触れにくい構造になりました。
なるべく熱が逃げないように断熱材を入れて、空気が漏れないように密閉する。
すると、空気の逃げ場がなくなり、空気中の水分が寒暖差で飽和状態になり、屋根裏に滴ってしまいます。
それを防ぐため、あえて軒先に空気のための入り口を設置したり、空気が通るよう屋根のてっぺん(棟)に換気棟をつけたりします。
なかでも、中途半端に高気密、高断熱の家は特に危険です。
屋根の下地はボロボロ、天井裏の断熱材は結露でびしょびしょという家もあります。
ここまで来ると、本当に家の命が危ないです。そうなる前に、最低でも10年に1度は専門家に見てもらうようにしましょう。
しかし、瓦以外の屋根材ですと、メンテナンスが難しいのも現実です。
瓦は1枚1枚が小さいので下地を見るのも簡単です。どんな瓦でも、5分もかからずにチェックできます。
ほかの屋根材では、メンテナンスはほぼ不可能。そのため、表面のみを点検するしかありません。
「家は1度建てれば、一生安泰」と思っている方が多いと思います。
でも、機械が壊れやすくなるように、家も徐々にですが確実に劣化していきます。 それを食い止めるためにも、10年に1度でいいので、屋根のメンテナンスを忘れないようにしてくださいね。
次回は、「メンテナンス費用が安くなる屋根」についてお話しいたします。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜昭和二十六年創業。屋根に関する製造・販売・工事の全てを経験。
屋根専門石川商店の三代目、1級かわらぶき技能士
石川弘樹(いしかわひろき)です。
【趣味】 ワンピース(マンガ)
【目標】 瓦割り世界チャンピオン
【ブーム】 なんだか断りそうだな、、、
【困り事】 寝ても寝ても眠い病
屋根専門石川商店HP:riverstone-roofing.com
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屋根で損する人をゼロにしたい、屋根屋の三代目です。
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