耐震等級とは、建物の耐震性能を表す、法律上で定められた数値です。
耐震等級には1,2,3があります。
【耐震等級1】
建築基準法に規定されている通りの耐震強度。この基準を満たしていないと、法律違反となるため、家を建てられません。
【耐震等級2】
建築基準法で規定している1.25倍の耐震強度。
【耐震等級3】
建築基準法で規定している1.5倍の耐震強度。
ちなみに建築基準法では、100年に1度起こりうる地震、阪神・淡路大震災レベルの地震(震度6強〜7)で倒壊しない強度、
そして、10年に1度起こりうる地震、震度5強レベルの地震で損傷しない強度を耐震等級1と規定しています。
そのため耐震等級1の家であっても、阪神・淡路大震災レベルの地震であれば、倒れません。
また震度5ぐらいの揺れでしたら、被害は出ないでしょう。
耐震等級2、3は、阪神・淡路大震災を超えるレベルの震災を想定しての、安全率といえます。
では、耐震等級1~3のどれを選べばいいのでしょうか?
その前に「耐震」とは一体何なのかを学びましょう。
耐震とは、文字通り“地震に耐える”こと。
言い換えれば、阪神・淡路大震災レベルの地震に1回だけ耐えられる、という意味です。
そのため、もう1度同じ地震が来たら、すでに衝撃を受けているため、全損する可能性もあります。
4月に起きた、熊本大震災は、強い余震が頻発したことが特徴でした。
耐震ですと、1回目は被害を免れても、2回目以降はどうなるか分かりません。
耐震等級3だからといって、「どんな地震が来ても大丈夫!」というわけではないのです。
では、どうすればいいのでしょうか?
最近は、2次被害を防ぐため、「免震」「制振(静振)」が増えつつあります。
「免震」では、地面側の基礎の土台と家側の基礎との間がホバークラフトのように浮いているイメージです。
厳密には浮いているというよりは、船が海の上に浮いている、というのが近いでしょうか。
水の変わりにさまざまなタイプの緩衝材が地盤と基礎の間に挟まっていて、その上に家が載っかっています。
例えば、レールの上をスライドしたり、ビー玉の上をコロコロ転がったり、バランスボール(ゴム風船)の上でグニャグニャ揺れたりようなものがあります。
そのため、地震が来ても、地面と家が完全に固定されていないため、震動が伝わり難くなります。免震では、衝撃を90%近く吸収するといいます。
一般的には、高層ビルやマンションのみで、一般住宅では地盤が相当強くないとできないこと、高額な費用がかかることを理由に取り扱われていません。お値段は高いですが、効果も非常に高いです。
「制振(静振)」は、車でいうサスペンションです。サスペンションのおかげで、車は地面の衝撃を受けても、音がするだけで室内は揺れません。制振(静振)も同じです。
制振(静振)の場合は、油圧式のサスペンションのようなものや壁に重い振り子のようなものを付けて衝撃を吸収します。そのため、工事が大がかりになりにくく、費用を抑えやすいのがメリットです。
ただ免震に比べて効果は弱く、平均で30%ほどの衝撃を抑えられるといわれています。
揺れに耐えるだけの「耐震」に比べて、「免震」「制振(静振)」は揺れを抑えることができます。
そのため、数百万円の費用をかけて、耐震等級を1から2に上げるのならば、制振装置を導入するのも一つの方法です。
耐震では、1度地震を受けてしまうと、エネルギーを逃せず、余震で家が壊れてしまう可能性が高まります。それに比べて、「制振(静振)」は衝撃を吸収して、揺れ自体を弱くしてくれます。また家に対するダメージが少なく、元通りになるため、余震にも強いです。
地震というと、つい「耐震」と思いがちですが、現代では様々な地震対策が行われています。ご自宅の状況を考慮したうえで、最適な措置を選んでくださいね。
次回は、「屋根の寿命は何年?」についてお話しいたします。
創業75年、屋根専門石川商店の三代目。
石川弘樹(いしかわひろき)です。
【資格】
1級かわらぶき技能士、瓦屋根工事技士、全日本瓦工事業連盟認定 瓦屋根診断士、全日本瓦工事業連盟認定 耐震化講師、耐震プランナー、増改築相談員、古民家鑑定士、ホームインスペクター(住宅診断士)、ジュニアリフォームソムリエ、リフォームスタイリスト1級、リフォーム提案士、ライフスタイルプランナー
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2級建築士、瓦割り世界大会初代チャンピオン
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