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本記事の目次
スレート屋根材のひび割れ修理、塗装でむしろ悪化する
スレート屋根材のひび割れ修理は、塗装でむしろ悪化すると言えます。
スレート屋根材のひび割れの原因のほとんどは、作業時の踏み割れだからです。
屋根の軒先や壁際などの、作業員が屋根に載っかって作業する可能性が高い場所に割れが集中しているのがその証拠です。
もちろん屋根屋さんによる踏み割れもあります。
それに加え、軒先は足場屋さん、壁際は外壁屋さんが、屋根工事完了後に作業します。
単純に人通りが多いので、踏まれる回数が多く、ひび割れの根本原因となるのです。
もちろん作業中に明らかに割れてしまえば、その時点で修理します。
しかし踏み割れの厄介なのは、目に見えない、うっすらとしたひび割れが秘かに起こっていることがほとんどです。
そのうっすらしたひび割れが、強風で煽られたりして、ひび割れが大きく深くなり、築10〜15年で表面によく見えるようになって来るのです。
つまり屋根塗装の作業で、塗装屋さんが屋根の上を歩くたびに、踏み割れする可能性があります。
また塗装前の高圧洗浄や塗装後の目地切りという塗膜を剥がして、雨漏りを防ぐ作業で、ひび割れの可能性がさらに上がります。
屋根塗装後に雨漏りの可能性があがる原因は『 水の逆流 』
屋根の塗装後に、雨漏りの可能性があがることをご存知でしょうか?
その原因は塗膜が雨水の排水経路を塞いでしまうからです。
水が逆流してしまい、防水層にまわる水の量が増えたり、意図していない部分に水がまわることで、雨漏りの可能性が高くなってしまうという訳です。
それを防ぐためには『 目地切り (めじきり) 』という作業で、塗膜を剥がします。
ただすべての塗膜を剥がすのは難しいので、目地切りしたから、絶対に雨漏りしないとも言えないのが難点です。
そもそも屋根塗装はいらない
なのでぼくは、そもそも屋根塗装はいらないと結論付けています。
屋根の一番大事な機能は防水だからです。
塗装がいらない結論付けた根拠を2つあげます。
根拠① 防水シートが先にダメになり雨漏りする
確かに塗装するほど屋根材は長持ちしますが、塗装してもしなくても、30〜40年で屋根自体の防水性がなくなってしまい、雨を防げずに雨漏りしてしまうので塗装が無駄になってしまうのです。
例えるなら、折り畳み傘。
傘の表面に撥水スプレーをかけるほど長持ちはします。撥水スプレーをかけてもかけなくても、強風で折れてしまえば、雨を防げずに身体は濡れてしまうのと同じです。
屋根材の下に敷いてある防水シートが、30〜40年で屋根材より先に劣化して防水性を保てなくなるのです。
屋根は元々、屋根材と防水シートの2つの防水層で雨水の侵入を防ぐ仕組みです。
最終の防水層である防水層が先に劣化してしまえば、当然、雨漏りするという訳です。
せっかくの塗装が無駄になってしまうので、あえて塗装する必要はないことになります。
ではなぜ10年ごとに屋根塗装が必要と言われているのでしょうか?
最大の原因は、塗装会社の営業努力である、とぼくは思っています。
もちろん原因のひとつに、物理的に屋根材の見た目がボロボロになってくる時期である、ということもあるでしょう。
塗装業界が業界の発展のために、何年もかけて新しい習慣や文化を作ったのです。
バレンタインデーにチョコを送るとか、ホワイトデーはキャンディー、クリスマスにはケーキを食べるようになったのと同じで、元はそんな習慣や文化はなかったはずです。
根拠② 屋根材を35年放置しても『 防水性に問題なし 』
ぼくは、国といっしょに屋根の研究をするプロジェクトに5年間参加していました。
その一貫で、35年放置した屋根材の調査をした結果、屋根材の防水性には問題ないということを確認したのです。
実物も入手してあるので、みなさんにもお見せします。
スレート
金属
瓦
もちろん見た目はボロボロです。しかし屋根材が崩壊したり、穴が空いたりしている訳ではありません。
屋根材の下に敷いてある防水シートが劣化する30〜40年は、屋根材は防水性能を保っているという根拠と言えるのです。
※念のため、プロジェクトをちゃんと説明しときます。
国土交通省管轄の国土技術政策総合研究所(= 国総研)と屋根業界団体とで「木造住宅の耐久性向上に関わる建物外皮の構造・仕様とその評価に関する研究」という共同研究が2011年から2016年に行われました。ぼくは維持保全委員のひとりとして、参加しておりました。
その時のプロジェクトのひとつで、つくば市にある建築研究所の暴露試験所(= 暴露 = 放置)に設置してある、すべての屋根材が施行された屋根の模型を解体する機会があったのです。
まとめ: スレートの割れ修理は塗装では直らない
今回の話をまとめると、
- 屋根を塗装する時の注意点
- ひび割れは直らない、むしろ悪化する
- 塗装するほど雨漏りする
- スレート屋根材は塗装しなくても保つ
ということになります。
スレート屋根材の修理方法や相場一覧
コロニアルやカラーベストなどのスレート屋根材の修理の方法や金額、価格、費用などの相場感についてのご相談がとても多いです。
工事時期の目安やおすすめの修理方法と費用をまとめました。
時期目安 | 工事内容と費用 (※ 30坪100㎡) |
---|---|
5年おき | ひび割れ補修 1〜3万円 |
築15〜20年 | 棟板金の釘増し打ち or 交換 → てっぺんのフタ交換 3〜30万円 |
築30〜40年 | 葺き替え → 全交換 135〜160万円 (※ 屋根材= シングル) |
築30年前後 ※ 下地の強度確認必須 | カバー工法 → 上からかぶせる 100〜130万円 |
※ 年数に関わらず非推奨 | 塗装 30〜40万円 |
カバー工法は、一般的にスレート修理の万能薬のように使われています。
石川商店では、あまりおすすめしていません。
ウヤムヤな工事になりがちだし、費用もそんなに安くないからです。
詳しくはこちらの記事で確認できます。
最終的にかかる費用や修理内容の決定には、あと何年いまの家に住みたいかが重要です。
このあたりはご家族との相談も必要になってきます。この機会にじっくりと話し合いましょう。
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- 創業75年、屋根専門石川商店の三代目。石川弘樹(いしかわひろき)です。
- 【継続は力なり】
- 禁煙2009年〜、ダイエット2010年〜、禁酒2017年1月〜、筋トレ2018年6月〜、禁チョコ爆食い2018年12月〜
- 【資格】
- 1級かわらぶき技能士、瓦屋根工事技士、全日本瓦工事業連盟認定 瓦屋根診断士、全日本瓦工事業連盟認定 耐震化講師、耐震プランナー、増改築相談員、古民家鑑定士、ホームインスペクター(住宅診断士)、ジュニアリフォームソムリエ、リフォームスタイリスト1級、リフォーム提案士、ライフスタイルプランナー
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屋根で損する人をゼロにしたい、屋根屋の三代目です。
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