【屋根から被災を減らす活動】石川商店から屋根の災害予防ノウハウを発信!

大久保 崇
大久保 崇
  • こんにちは!ライターの大久保です!
    今回はインタビュー後編。前回は石川さんの仕事にかける想い(ビジョン)を聞き、今どのようなことを考えているのか?を聞きました。
    後編では、その想いを具体化した石川商店からの提案「災害予防パック」についてお届けします。

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この記事はこんな人におすすめ

・同業者の方(屋根屋、工務店、大工さん他)
・石川商店(石川さん)に興味がある方

この記事で伝えたいこと

全国各地の台風や地震による被災を少なくするため、災害予防パックを活用する同業者を増やしたい

3.11による被災現場で感じた屋根工事の実態、消費税増税の駆け込み需要で感じた安全性よりも利益重視の働き方。様々な経験から思考を重ね、災害予防こそが屋根屋の役目だと思った石川さん。

ただ、自分達だけがいくら災害予防に取り組んでも、天災による被害は全国各地で起こりえるので広めなくては意味がない。だからこそ、災害に強い屋根工事の方法を、改めて見直して施工も分かりやすく、お客様もプランを選びやすくするための災害パックを作りました。

前回の記事はこちら

全国の屋根屋さんだけではなく、大工さんや工務店の人まで、多くの方にこのノウハウを知っていただき、是非、実用化していただきたいと思っています。石川商店としてできる災害予防を全国に。興味関心を持っていただいた方は是非お問い合わせください。

本記事のインタビューの様子はYouTubeでもご覧いただけます。

みんなの屋根の相談所|石川商店 – YouTube

災害予防のためには雨漏りが発生したらすぐに対処すること

    • 前半のインタビューの中で、「大半の人は、雨漏りを23回して天井が落ちてくるまで問い合わせない」という話がありました。石川さんのような専門家からの目線だと、この状況は決して良いとは言えないもので、その理由を「歯医者さんで治療する虫歯」にたとえて説明していただきました。

石川―――
雨漏りをするということは、言ってしまえば屋根が一番酷い状態になっているということです。過去のインタビューでも言ったかもしれませんが、虫歯になって歯に穴が開いているような状態と同じで、雨漏りを放置しておくというのは、虫歯のままチョコレートばかり食べてしかも1ヶ月歯磨きしないみたいなもの。

そうならないために、歯医者さんでも3ヶ月に一度は約3,000円で定期検診を必ず受けてと患者さんにアドバイスしますよね。それが屋根で言う「10年に一度は点検して」と一緒で虫歯=雨漏りみたいなものです。

定期検診をしていれば、実際の痛みもなく、さらに金歯や銀歯にする金銭的な痛みもない。ただ虫歯と違って、屋根の予防に対して実際問題、積極的にお金を使うこと(高額であるため)が難しいのはよくわかっています。

災害予防パックを広く共有し全国各地の被災を減らしたい

    • 予防は大事。だけど現実問題として、金銭的なこと、どのぐらい何をやればいいのかなど、お客様が屋根の予防をするかどうかはまた別の問題があります。そのような問題を解決するために石川さんが考えたのが、屋根屋が持つ施工ノウハウを施工側にも、お客様にも分かりやすくした「災害予防パック」です。

石川―――
災害予防パックは、屋根材ごと、築年数ごとに考えて、適切なタイミングで適切な工事をしておけば89割は被災をおさえられるというメンテナンスパックです。そういったものを新たに作り、工務店さんや新築を建てるような会社さんに説明して、屋根の災害予防としてメンテナンスやリフォームメニューの一つに加えて欲しいというお願いをする活動をしようと思っています。

内容としては、石川商店では「この時期だったらこんな対策をしておけばいい」など、日常的に取り組んでいたことですが、工事の中身をもっとわかりやすくしました。

「予防として何をやったら良いかわからない」というお客様が少なからずいると思うので、そういった人たちに「ちょっと安心できるプラン」、「より安心できるけど少し高いプラン」、「めちゃめちゃ安心できるけど結構高いプラン」を用意しておけば、迷うことはないと思っています。

効果に関しては検証が必要ですが、瓦屋根であれば2019年の台風1519号で被災した千葉南房総の屋根の状態は89割おさえられると思っています。その根拠は、実際に国と屋根の業界団体が、当時の被災状況を見てまわった時の調査結果です。

最新の工事方法(ガイドライン工法)で工事していたら、5割か4割は被災しなかったという数字上の結果が出ています。

別の台風で被害のあった東京でも、400件ぐらい被災した屋根を実際に見た時に、その時に発生している症状が(千葉南房総の被災と)ほぼ一緒でした。築年数や、屋根材ごとに多少の違いはありますが、出ている症状はほぼ変わりません。

その症状については、ここさえ対処しておけばいいというのがあって、そうすれば、この400件の内、屋根以外のところも含め大々的に被災しているものを除き、部分的に被災している8割はなくなると言えると思っています。 

その箇所というのは屋根のてっぺんにある棟(むね)で、そこが飛んでしまうのが89割ですね。そこだけ、対処しておけば89割でもおさえられます。

ただ、石川商店だけのデータだけでは不安だったので、他の屋根屋さんにも聞いてみたところでも、間違いないという意見もあったので、ようやく形になってきたという感じです。 

災害予防パックをお客様に近い「工務店」や「大工さん」に知ってもらいたい

自身の経験、国の調査結果、同業者との意見交換などを経て、いよいよ活動開始できそうという段階まできた災害予防の取り組み。石川さんいわく、施工内容や技術に関しては他の屋根屋さんでも当たり前にしていることで、自分はあくまでもわかりやすくしただけとのことです。
主旨を理解していただければ、多くの屋根屋さんにも取り入れてもらえる活動になるかもしれない。だけど、実際に家に住まう人、もしくはこれから住む人へ届けるには屋根屋だけでは難しく、だからこそお客様と近い距離にいる「工務店」や「大工さん」にも届けたいのだと言います。

石川―――
災害予防をもっと分かりやすい形にして取り組むことで、被災をおさえられると思っています。屋根に関することで言えば、被災の原因はほとんど一緒で似たようなばかりだからです。ただ、中々予防という部分では難しいと思っているので、自分達、屋根屋だけでは難しいから、工務店や大工さんの力も借りてお願いしたいと思っています。

家のことになると、やっぱり一級建築士さんや大工さんが修繕するというのが一般の方には根強いと思うので、屋根の雨漏りも大工さんに対応してもらう方が多いと考えています。だからこそ、そういった方々に提案してもらうことで、少しでも広がりがあれば、被災する可能性が減るかなと。

ただ、石川商店一社だけでは全国で展開できないので、今年度はこの災害予防パックを広める活動に注力していきます。調査は必要ですが、プランの内容もほぼ確立しているので、少しの下準備があればすぐできると思います。

石川商店は全国どこからでも屋根の相談を受け付けています

 みんなの屋根の相談所:石川商店では、よりお客様に近いところでお客様の悩みにお答えできるよう活動し、屋根の専門家+様々な知見をもったライターが、あれやこれやと知恵を絞りながら、役に立つ情報を届けていきます。

石川商店ではこれからも日々情報を発信し、お客様の声に耳を傾けていくので、屋根の悩み事はお気軽にご相談ください。

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3.11のような大きな震災は、その年のその日を迎える度に様々なニュースが流れます。今後も同じような被災はあるかもしれない中、石川さんのすすめる取り組みも、良い形で広まって欲しい。この記事や動画を見て、この活動を一緒にやりたいと声をあげてもらえたら嬉しいです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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