前回は主な洋瓦の種類や、不具合の原因、よくあるメンテナンスの一つである「袖瓦」のメンテナンス方法をお伝え致しました。
今回は袖瓦同様よくあるメンテナンスである「棟瓦」のメンテナンス方法と、洋瓦の安心できる施工方法についご紹介致します。
▼▼ 前回 ▼▼
【洋瓦の種類とメンテナンス方法まとめ①】
棟瓦のメンテナンス方法
築20年を超えた屋根でよく行われる「棟」部分のメンテナンスは「漆喰の詰め直し」や「棟の取り直し」です。
こちらは棟瓦固定用の釘が浮いている様子です。このように釘で固定していたのは新築施工当時は一般的な施工方法でした。
さすがに20年も経過すると表面の漆喰が剥がれてしまい、中の土が丸見えの状態となってしまいます。
このような「釘の浮き」や「漆喰の剥がれ」は、ほとんどが経年劣化によるものが原因ですので、築20年を超えた瓦屋根においては、現在の基準(ガイドライン工法)に合わせたメンテナンス工事を行うことが望ましいです。
ガイドライン工法ってなに?
高品質化が進む瓦も、優れた施工方法あってこそ安心で快適な瓦屋根が出来上がります。
「全日本瓦工事業連盟」という内閣府所管の一般社団法人が、最新の実験データに基づき、従来の施工方法を見直し耐震性・耐風性を飛躍的に向上させたものが「ガイドライン工法」と呼ばれるものです。
耐震実験では「阪神・淡路大震災」や今後発生が危惧される「東海大地震」クラスの揺れにも耐えることが証明されております。
この「ガイドライン工法」が制定されたのは2001年、つまり阪神・淡路大震災(1995年)が発生してから実に6年もの長い間に渡って様々な実験を繰り返した結果、出来上がった大変優れた施工方法となっております。
ガイドライン工法に沿った施工例
では、実際の施工事例を写真でご覧に入れたいと思います。
既存の棟瓦撤去後は、写真のように加工されて納まっている瓦は全て固定していきます。
大棟・隅棟部には「棟金具」というステンレス製の金具を設置、そこへ防腐処理済みの垂木を固定し、漆喰を施工していきます。
棟瓦の固定には「パッキン付きステンレスビス」を使用します。
施工完了です。
意外と耳にする「メンテナンス不要論」、しかし…
今回施工させて頂いたお客様、お話しを伺ううちに「家を建てるとき瓦はなにもしなくていいから」と営業さんに勧められたとのこと。
ハウスメーカーの営業さんも、瓦を勧めるまではいいのですが「メンテナンス不要」なんてことを言ってはダメですよ。
これから新築で住宅を購入しようと考えてらっしゃる方は、屋根材によってどのようなメンテナンスが必要なのか?またその時期はどれくらいなのか?といったことも視野に入れ、本当の意味で良い屋根を選択していただければと思います。
もちろん過剰なメンテナンスは必要ありませんが、築20年を過ぎ、屋根の点検やメンテナンスをしたことがないのであれば、ぜひ一度屋根のメンテナンスをご検討いただきたいと思います。
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