教えて、屋根屋さん!第56回「漆喰(しっくい)って何?」

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“平成の大修理”を終えてより白くなった姫路城(白鷺城)。
白鷺城をもじって、その様子を「白すぎ城」と呼ぶ人もいますが、なぜ姫路城はこんなにも白いのでしょうか?

 

その正体が、「漆喰」です。
漆喰とは、石灰に水や油、繊維などを混ぜてつくったもの。
防水性に優れているため、壁の塗装だけでなく、屋根工事にもよく使用されます。
屋根工事では、盛った土の露出部分が雨に流されないよう、土の上に漆喰を塗ることで防水の役割を果たしています。

 

漆喰にも色々な種類があり、混ぜものによって名称が異なります。
中でも屋根工事をする上で多く使われるのが、石灰に防水用の油を混ぜた「南蛮漆喰」です。

 

一般的に漆喰は住宅の棟の部分に使われます。
しかし、姫路城や沖縄の屋根においては、すべての部位にて使われています。
それは、これらの屋根が「本葺き瓦」という名称の瓦を使用しているためです。

 

本葺き瓦とは丸い瓦と半円状の瓦を交互に重ねたもの。
お寺などでよく利用されています。

 

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本葺き瓦

 

本葺き瓦の場合、屋根の平らな面でも納め方は棟の部分と同じになるため、すべての場所に漆喰を塗る必要が出てきます。

 

本来、漆喰の役割は土の防水。そのため、わざわざ表に出す必要はありません。
しかし、姫路城や沖縄の屋根の漆喰は表にも出ています。それは、風に吹き飛ばされないよう瓦同士のつなぎ目も漆喰で埋めているからです。

 

現代は、本葺き瓦もくぎやビス、導線などで1枚1枚完全に固定しているため、漆喰がなくても風で吹き飛ぶことはほぼありません。しかし、伝統を守るため、今でもこのような工法を採用しています。

 

また白いイメージが強い漆喰ですが、屋根屋が使う漆喰のほとんどは黒色。
いぶし瓦の色に合わせること、汚れを見えにくくしているのです。

 

しかし、最近は土と漆喰を別々に塗るのも大変ですので、土の中に漆喰の成分が混ざった防水性の高い土を使うのが主流です。これならば、土と漆喰の両方を塗る手間が省けますし、中の土が崩れることもほとんどありません。

 

普段は表に出ることのない漆喰たち。
でも実は、私たちの安心・安全な生活を支えてくれる、縁の下の力持ちだったのです。

 

次回は、「瓦の並べ方にも種類があるの?」についてお話しいたします。

 

「教えて、屋根屋さん!」の連載記事の目次はこちら。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜20141125_profile_01昭和二十六年創業。屋根に関する製造・販売・工事の全てを経験。
屋根専門石川商店の三代目、1級かわらぶき技能士
石川弘樹(いしかわひろき)です。
【趣味】  ワンピース(マンガ)
【目標】  瓦割り世界チャンピオン
【ブーム】 なんだか断りそうだな、、、
【困り事】 寝ても寝ても眠い病
屋根専門石川商店HP:riverstone-roofing.com
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