ー教えて屋根屋さん! 第124回ー
インターネットで屋根屋を探すときは注意しよう!
屋根に不具合が発生した! というとき、皆さんどうしますか?
近所に屋根屋さんがあれば、そこに相談すれば良いですが、思いつかない場合、インターネットで検索することが多いのではないでしょうか?
しかし、インターネットの世界には、良い屋根屋もいれば、悪い屋根屋もいます。
今回は、悪質な屋根屋にだまされないためにも、良質な屋根屋の見分け方をお伝えします。
「屋根屋」で検索して表示されるのは屋根屋じゃない!?
屋根屋さんを探すとき、インターネットの検索窓に
「お住まいの地域 屋根工事」「お住まいの地域 屋根修理」
などと入力して検索する人は多いと思います。
しかし、表示されるほとんどは屋根屋ではなく、WEB制作会社または仲介業者です。
例えば、ウェブサイトに「全国対応」「関東全域対応」などと書かれている屋根屋を見かけたことはありませんか?
その大半は、大手のWEB制作会社が、広告費を出して集客サイトを制作し、各地で集めた業者に仕事を振っています。
しかし、元請け業者(仲介業者)はWEB制作会社のため、業者の質を見極めることはできません。
そのため、業者の質を問うことなく、ただ頭数だけをそろえているといったケースが少なくないのです。
偽屋根屋に屋根工事を依頼したら……
優良業者が担当になれば良いですが、なかにははしごすら所持していない屋根屋と名乗っていいのかわからないレベルの業者や、工務店や外壁の塗装屋など、屋根屋ですらない業者が含まれていることも多々あります。
もしそのような業者に屋根修理や屋根工事を依頼したら、どうなってしまうのでしょうか?
例えば、瓦を数枚交換すれば済むだけの話なのに、全交換など大規模な提案をされたり、知識やスキルが無いがゆえに、逆に雨漏りを誘発する工事をされてしまうこともあります。
偽屋根屋にだまされないようにするには
では、偽屋根屋にだまされないためには、どうすれば良いのでしょうか。
まずWEBサイトの運営会社を調べてみてください。
そして住所がわかりましたら、実際にその場に訪れてみましょう。
オープンな事務所があり、倉庫もあり、長いはしごもあり、それなりの歴史もあれば、地域密着型の優良な屋根屋さんの可能性が高いです。
逆に、入り口もわかりにくく、看板も出ていない、倉庫も無いような事務所でしたら危険信号。
ほぼWEB制作会社といって、間違いないでしょう。
インターネット検索は便利ですが、「優良な屋根屋さん」よりも「見せ方が上手い屋根屋さん」が上位表示されるケースが多々あります。
インターネット上での情報操作は比較的簡単です。
そのため、知識やスキルが無い屋根屋さんでも、あるように見せかけられてしまうのです。
個人的には、先ほどお伝えしたとおり、実際に事務所を訪れたり、近所の方の評判を聞いたりと、アナログな手法も交えた上で依頼する業者を決めてほしいです。
「面倒だな」と思うかもしれませんが、ちょっと手間をかけることで、100万円以上の被害を未然に防げることがあります。
最悪の事態を招かないためにも、屋根屋さん選びは慎重を期してくださいね。
次回は、「瓦屋根にお住まいの方必見! 土葺き工法と引っ掛け桟工法の見分け方」についてお話しいたします。
創業75年、屋根専門石川商店の三代目。
石川弘樹(いしかわひろき)です。
【資格】 1級かわらぶき技能士
瓦屋根工事技士
全日本瓦工事業連盟認定 瓦屋根診断士
全日本瓦工事業連盟認定 耐震化講師
耐震プランナー
増改築相談員
古民家鑑定士
ホームインスペクター(住宅診断士)
ジュニアリフォームソムリエ
リフォームスタイリスト1級
リフォーム提案士
ライフスタイルプランナー
【趣味】 ワンピース(マンガ)
【目標】 2級建築士
瓦割り世界大会初代チャンピオン
【ブーム】 ブラッククローバー
【困り事】 いくら寝ても眠い
DIYで作った個人ブログはじめました。
37歳おっさんが残りの半生での日々のチャレンジを綴っています。
http://hiroki-ishikawa.info
屋根で損する人をゼロにしたい、屋根屋の三代目です。
石川商店からのお願い
記事を最後まで読んでいただきありがとうございます。
お客様の率直な感想をいただくため「役にたった」「役に立たなかった」ボタンを設置しました。
また、もしもっと知りたいこと、分かりづらかったことなどあれば下のコメント欄にご意見いただければと思います。
日々屋根にお困りのお客様にとって必要な情報をお伝えするために、ご参考にさせて頂きます。
築40年の2階建ての家です。最近雨漏りがみつかり全瓦の葺き替えをしようと何軒かに見積りをお願いしたのですが、金額の差が激しく悩んでおります。どこを基準に選べばいいのでしょうか?
まずは根本的なことで、ホームページでの実名、顔出し、会社の実態があることの確認しましょう。
そして、瓦屋根の場合は「 ガイドライン工法 」を、しっかりやるかやらないかで、判断しましょう。
ガイドライン工法というのは、瓦屋根の工事マニュアルみたいのモノで、台風や地震に対する強度が証明された工事方法が掲載されています。
強度の弱い工事方法よりも、ガイドライン工法は、使用する部材も増えるし、工事の手間も増えるので、工事費は高くなります。
2022年1月以降は、すべての新築で、このマニュアル以上の工事をするように、法律改正されました。
リフォームではまだ規制はありませんが、ちゃんとした瓦屋さんは、リフォームでもこのガイドライン工法をするのが当たり前なので、そこを基準にするといいと思います。