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既刊本講習会「建築工事標準仕様書 JASS12 屋根工事(改定)」まとめ
2020年12月8日、「建築工事標準仕様書 JASS12 屋根工事(改定)」の既刊本講習会に、オンラインで参加しましたので、改定のポイントをまとめました。
JASS12改定の概要
JASS12「屋根工事」は1958年に制定され、我が国の屋根工事の基準となってきました。
今回は第3次の改定で,前回改定から16年を経ています。この間、2004年には観測史上最多(10回)の台風上陸数が記録されて,屋根を始めとする非構造部材の顕著な被害が発生したことを受け,本会においても特別研究委員会を設置して対応に取り組んできました。また2011年東北地方太平洋地震、2016年熊本地震などにおいても大きな屋根被害が生じました。
社会的には,長期優良住宅の普及の促進に関する法律の制定(2008年)および関連品確法の改定、住生活基本法の制定(2009年)、省エネ法・省エネルギー基準の改正(2015年)などがありました。
これらを背景にして、屋根の諸性能、特に、住宅の長期利用を前提とした構造性能、耐久性能、維持・保全性能などに対する要求が高まってきています。
2018年12月に一応の改定原案を作成し、本会所定のルールに従う査読を経て、この度出版の運びとなりました。
このJASS12「屋根工事」改定版は、旧版刊行以来の屋根工事の変化に対応して、内容を一新しています。
特に屋根工事の目標性能について大きく拡充しています。また、棟換気(屋根換気)に関する節を新設しています。
主な改定のポイント
ようするに、
一軒家を台風や地震や雪などの自然現象、雨漏りに対してより強くし、長く使えるようにしましょう
ということです。
1節 総則 用語の定義の拡充
2節 屋根工事の目標性能の拡充
・耐風圧性能は、構造計算によることを標準とした
・目標更新期間の設定、高耐久仕様の設定の新設
・維持・保全性能の新設、メンテナンススケジュールの設定
・遮熱性能、耐雪性能の新設
4節 下地の内容改定
・野地板上に設置される断熱下地の新設
5節 下葺の内容改定
・透湿ルーフィング葺を、標準仕様として採用
6節 粘土瓦葺の内容改定
・高耐久仕様 (屋根通気下地構法を基にした仕様) の新規追加
11節 折板葺の対象工法の追加
・二重折板葺を標準工法として追加
14節 とい (樋) の内容改定
・といの要求性能として排水性能を明記
・ドレンに関する記述を削除
15節 棟換気 (屋根換気) の新設
・小屋裏換気の給気、排気口の工事のうち、棟換気の設置は屋根工事に含まれるため、新設
参考資料の整備
・防水性能の検証 (試験) 方法の整備
・「 棟換気 」のJASS本体格上げに伴う「 軒用換気部材 」の掲載
屋根で損する人をゼロにしたい、屋根屋の三代目です。
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