【千葉県松戸市】業者指摘の不安解消で、スレート屋根の点検事例

【千葉県松戸市】業者指摘の不安解消で、スレート屋根の点検事例

屋根で損する人をゼロにしたい、みんなの屋根の相談所、石川弘樹です。

千葉県松戸市で、アスベスト入りのスレート屋根の点検の事例を紹介します。

今回は、

「 ある業者から屋根の棟板金が浮いていると指摘を受け、業者が屋根に昇り調査したところ棟板金の釘が抜け浮いていました。（業者がスマホで撮った写真を見せられました。）
屋根は一応棟板金をマスキングテープで仮止めし、棟板金の見積をお願いしてみました。業者は棟板金の貫木が腐食しているのでこの交換も必要で棟板金と貫木を取り換える見積を作成してきました。（貫木については樹脂が耐久性が高いのでこちらで見積しました）
そこまでは良かったのですが、見積をいただき検討したいと言うと、業者は「材料発注もあり契約をしてほしいと」言ってきました。とりあえず今日は契約はしないとつたえ一応昨日は終了しました。見積金額は62万円と言っています。この業者に疑念をもちました。どの様に対応したらよいかご相談させて頂きたくご連絡しました。」

ということで、現状確認で屋根の点検に伺いました。

今回の屋根点検のポイントは、業者が指摘したことの事実確認

すべての飛び込み業者や訪問販売業者が悪意がある、とは思いませんが、屋根にまつわるトラブルの多くは、ここからはじまっていることも少なくありません。

なので今回の点検のポイントは、先入観をもたないように、ぼくたちがはじめて屋根の点検をしにきたという気持ちで、現状把握するように、心がけます。

とはいえ今回、飛び込み業者さんが指摘したのは、

「 棟板金の釘が抜けていて、芯材の木材が腐食しているので交換が必要 」

とのことだったので、その部分もしっかりと確認していきます。

点検の結果、応急処置すれば問題なし。器物損壊、リフォーム詐欺に近いモノと判明

先に点検の結果をお伝えすると、指摘された棟板金の釘の抜けは、抜けていたというよりは、その業者さんが強引に抜いたような形跡がありました。

やられていたのは１ヶ所だけで、あまり大事にはなっていなかったので、応急処置で固定釘を増し打ちして、問題ない状態にはなっていますので、ご安心くださいませ。

これらの判断をした、具体的な屋根の状態を確認していきます。

実際のアスベスト入りのスレート屋根の状況は？

今回の、アスベスト使用のスレート屋根の、屋根点検の流れはこんな感じです。

アスベスト入りのスレート屋根の屋根点検の流れ

1. 手順① ドローンで、屋根の撮影 【５〜１０分】
2. 手順② 屋根にあがっての、点検調査 【１５〜３０分】
3. 手順③ 屋根裏の確認 【１０〜２０分】
4. 手順④ 撮影写真による、口頭での屋根の説明 、質疑応答【３０〜６０分】
5. 手順⑤ 点検完了 【合計１〜２時間】
6. 手順⑥ 後日、撮影写真と点検報告の送付 【当日〜１週間程度】

順番に屋根の点検の様子を、写真つきで解説します。

手順① ドローンで、屋根の撮影 【５〜１０分】

■ 全景

■ 東面

■ 南面

■ 西面

■ 北面

西面と北面で写っている、テープが貼られている部分が、業者さんが指摘して修理したという部分なのでしょう。

ただ養生テープは、粘着力が弱く、雨にも弱いので、強風対策として貼っていったにしてもほぼ効果はなく、現実に半分は剥がれてしまっています。

この、

「 壊れいた→ 養生テープ→ 修理見積もり 」

という手口はよくある詐欺の例のひとつなので、ドローン撮影の時点で少し警戒を強めます。

つづいて、棟部分もドローンで確認します。

■ 棟

業者さんの養生テープの部分以外でも、釘の浮きはある程度確認できます。

手順② 屋根にあがっての、点検調査 【１５〜３０分】

つづいて実際にハシゴをかけて、屋根に上がります。

直前のドローン撮影で、詐欺業者の可能性があるので、状況証拠保全のため、ぼくはこの段階では屋根に触れていません。

その業者さんが登ったときの手形、足跡が確認できます。

■ 手形、足跡

１枚めの写真の手形付近から、２枚め３枚めのように足跡があり、足跡終わりの部分の棟に手形がたくさんあるのが確認できます。

この棟の裏側の少し下がった部分が例の養生テープの部分なので、手形と足跡から、おそらく一直線にそこに向かっていることになります。

これは推測ですが、ちょうどその位置が道路側からも、ベランダ側からも見えないような場所なので、悪さをするならそこが最適なので、まっすぐそこに向かったモノと思われます。

という感じの確認を入れつつ、いったん他の部分の棟を確認します。

■ 棟

業者さんが指摘したところ以外でも、棟板金の固定釘の浮きは散見される状況でした。

屋根塗装の塗料の状態から、釘は屋根塗装時点ですでに浮いていて、そのまま塗装した痕が確認できます。

意図的に抜けているというよりは、こちらは経年劣化で抜けている感じです。

つづいて抜けていたとされる部分を、確認します。

■ 破損個所

養生テープは、ほぼ固定力もなく邪魔なので、撤去します。

■ 養生テープ撤去後の該当部分

残念ながら壊れていたというよりは、その業者さんが壊したような形跡がありました。

この部分の棟板金だけ不自然にひしゃげていたり、塗装してくっついているはずの棟板金と屋根材の設置部分の塗料が剥がれていたり、棟の下地木材が釘を打っていた部分だけ裂けていたりしていて、これらはこの部分の棟を強引に手で持ち上げたことにより壊された可能性が高いです。

幸いにも壊されていたのはこの部分だけで、下地木材も腐ってグズグズという感じではないので、周辺部に固定釘を増し打ちして応急処置をすれば問題なさそうです。

■応急処置前
  

■応急処置後

黒い釘頭が、増し打ちした釘になります。

釘を打った感触でも、中の木材が腐っている感じではなかったので、しばらくは問題ないでしょう。

とはいえ全体的に、棟の固定釘の浮きが散見されました。
もちろんすぐに雨漏りするわけではないので、今すぐ工事が必要ではりません。

ただ災害予防の観点からすると、棟部分の交換はしてもよい時期ではあります。

次の外壁塗装とあわせて、メンテナンスすることをおすすめします。

手順③ 屋根裏の確認 【１０〜２０分】

屋根裏の状態も、必要に応じて確認します。

手順④ 撮影写真による、口頭での屋根の説明 、質疑応答【１５〜３０分】

ドローンで撮影した写真や、屋根にあがってから撮影した写真などを、ご覧いただきながら、屋根の状況説明をいたします。

■ 口頭での説明のイメージ

わからないことや疑問があれば、ご納得いくまで、ご質問くださいませ。

手順⑤ 点検完了 【合計２０〜４０分】

以上で、屋根のドローン点検の当日はおしまいです。

点検料は、後日の点検報告と、写真のお渡し時に、請求書をお付けすることになるので後払いです。
点検当日に、現金をご準備する必要はございません。

手順⑥ 後日、撮影写真と点検報告の送付 【当日〜１週間程度】

早ければ当日、遅くても１週間前後で、撮影した写真データと点検報告を、インターネット上での共有や、郵送、メールなどで、お送りします。

また点検の結果、修理が必要であれば、その修理の見積書もあわせてお送りいたします。

【参考】屋根ドローン点検１０,７８０円 (税込) 石川商店の屋根点検メニューの紹介

石川商店の屋根点検のメニューは、こちらの記事で確認できます。

■ ドローンで『屋根に上がる前に撮る』から安心。屋根点検の内容と価格 | 石川商店

ドローンで『屋根に上がる前に撮る』から安心。屋根の有料点検の内容と価格

屋根の押し売りチェックシートでまずは予防

もちろんすべての訪問販売が悪だとは思いません。ただ屋根の場合、かんたんに見れない、状態が分からないので注意が必要です。

ではどうやって業者を見分ければよいのでしょう？

詐欺やボッタクリ目的の場合、「私詐欺です」とは言ってくれません。

気付かれないような言い回しをしてくるので注意しましょう。

屋根の場合は、だいたい決まった言い回しをしてくるので、それを一覧にまとめました。

■ あやしい押し売りチェックシート

この『　押し売りチェックシート　』は地元の消費者センターや警察署にも置いてもらっていて、なかなかの評判を戴いています。

万が一に備えて、冷蔵庫にでも貼っておく用に印刷しておくといいかもしれません。

■屋根の押し売りチェックシート　印刷用
→このシートの印刷用のデータはこちらから

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石川 弘樹

屋根で損する人をゼロにしたい、屋根屋の三代目です。