本記事の目次
【東京都府中市】築17年、アスベスト未使用のスレート屋根の今後のメンテナンス相談で、屋根点検の事例
屋根で損する人をゼロにしたい、みんなの屋根の相談所、石川弘樹です。
東京都府中市で、築17年、アスベスト未使用のスレート屋根の今後のメンテナンス相談で、屋根点検の事例を紹介します。
今回は、築9年頃に屋根と外壁を塗装し、その5年後くらいに、スレート落下の危険があることが、たまたま近所で作業中の業者の指摘で発覚し修理したものの、昨年12月に、近所で作業中の業者から、またスレートが割れているとの指摘があったということで、屋根の現状確認と、今後のメンテナンス方法の相談したいとのことでした。
ひび割れの状況や、業者指摘の妥当性はもちろん、今後のメンテナンス方法を検討していくための強度確認などを、重点的に確認していきます。
今回の屋根点検のポイントは、業者指摘の妥当性と、強度の確認
アスベスト未使用のスレート屋根材のひび割れの前回の修理状況と、全体のどれくらいの割合であるか、ボソボソに風化しているモノが何枚くらいあるのかを確認がポイントです。
その具合で、応急処置で済ませるのか、カバー工法が安全なのかの判断材料となるからです。
また応急処置で済ませるにしても、被災しやすい棟は、しっかりと強度確認をしていきます。
そういった屋根の現状と、保たせたい年数に必要なメンテナンスの時期や方法を、現地確認しながら考えていきます。
点検の結果、ひび割れ5〜7%、風化0枚、棟の強度は少し不安なので棟交換を提案
先に点検の結果をお伝えすると、業者さんが指摘したような、今すぐの工事が必要な状況ではありませんでしたが、ひび割れは30枚くらいで5〜7%、風化は0枚でした。
よって、アスベストを使用していないスレート屋根材の、平均的な劣化具合であると判断しました。
また、ひび割れのほとんどは、接着補修済みでもあるので、まだまだ長く住んでいくし、築15年ではカバー工法は早いので今回は、
- ● 一部ひび割れの、接着補修
- ● 棟の釘の増し打ち、もしくは棟交換
の組み合わせで、2つのメンテナンス修理を提案し、それぞれの見積りを作成しました。
【補足】ひび割れについて
築15年前後のスレート屋根材は、アスベストが入っていません。
新築時の踏み割れや塗装時の作業で、それなりにひび割れが入ってきている状態です。
もっとも、このせいで雨漏りするということではありませんが、ひび割れが進行して完全に分離すると、割れた屋根材が落下したり、強風で飛散するという意味では、心配な要素ではあります。
もっとも、ひび割れが全体の5%前後くらいであれば、ひび割れしている屋根材に、接着剤を注入する応急処置でも十分だと判断しています。
【補足】風化 (ふうか) について
スレート屋根材が、はじっこからボソボソと「 クッキー 」みたいに、くずれてしまう症状を風化と呼んでいます。
これは2、3枚あるかないかくらいが、平均的な状態です。
では実際に、屋根の状態を確認していきましょう。
実際のアスベスト未使用のスレート屋根の状況は?
今回の、アスベスト未使用のスレート屋根の、屋根点検の流れはこんな感じです。
- アスベスト未使用のスレート屋根の屋根点検の流れ
- 手順① ドローンで、屋根の撮影 【5〜10分】
- 手順② 屋根にあがっての、点検調査 【15〜30分】
- 手順③ 屋根裏の確認 【10〜20分】
- 手順④ 撮影写真による、口頭での屋根の説明 、質疑応答【30〜60分】
- 手順⑤ 点検完了 【合計1〜2時間】
- 手順⑥ 後日、撮影写真と点検報告の送付 【当日〜1週間程度】
順番に屋根の点検の様子を、写真つきで解説します。
手順① ドローンで、屋根の撮影 【5〜10分】
石川商店では、屋根にあがる前に、ドローンで屋根を撮影します。
ぼくらが屋根に上がる前の状態を、写真で保存するためです。
これは、屋根にあがって自分たちで壊すような悪徳業者ではないという証明のためと、ぼくらも注意してても屋根材を踏んで割ってしまうことがあるのと、正直、それを隠してやり過ごしたくなる気持ちを抑えるため、でもあります。
また、屋根全体が1枚の写真におさまるため、お客さまに屋根の状況説明をするときに、どの部分がどうなっているという解説がお互いにわかりやすくなるのも、もうひとつの理由です。
■ 全景
■ 南面
■ 北面
つづいて屋根にあがった後の写真で、詳しく見ていきましょう。
手順② 屋根にあがっての、点検調査 【15〜30分】
つづいて実際にハシゴをかけて、屋根に上がります。
■ ひび割れ
ひび割れは、全部で30枚強といったところでした。全体からすると7%前後なので、屋根の形状と塗装履歴などを考慮すると、許容範囲内です。
■ 棟
施工時の下地木材の固定方法などから、棟板金は確かに浮いていました。多少の棟の釘浮きはあるものの、手で強度確認をしてみても、それなりに固定されている状態でした。
つづいて、実際に棟の下地木材に釘を打って、その釘を引き抜く強度を測定して、木材の状態確認をしていきます。
強度確認する箇所は、弱い部分の数値を確認するのがより安全率が高くなるので、浮いている部分を数カ所、選んで測定します。
■ 棟の下地木材の強度確認
3ヶ所を測って、20、20、27と出ました。
通常は新品の木材で、50〜60くらいになるので、現在の測定値が30〜40、少なくとも半分以上であれば、釘の増し打ち可能という判断をしています。
釘の増し打ちは、既存の釘の間にもう1本釘を打つので、結果的に2倍の釘で固定したことになるので、下地の強度が半分以上であれば、新品の強度以上になるという想定です。
もちろん部分的な強度確認の結果なので、あくまでも目安にはなります。
ただ今回は、つなぎ目部分のシールが切れかけていたり、施工方法の不安もあるので、数年後にメンテナンスをするのであれば、やはり棟交換をするのがおすすめだとは思います。
手順③ 屋根裏の確認 【10〜20分】
屋根裏の状態も、必要に応じて確認します。
手順④ 撮影写真による、口頭での屋根の説明 、質疑応答【30〜60分】
ドローンで撮影した写真や、屋根にあがってから撮影した写真などを、ご覧いただきながら、屋根の状況説明をいたします。
■ 口頭での説明のイメージ
わからないことや疑問があれば、ご納得いくまで、ご質問くださいませ。
手順⑤ 点検完了 【合計1〜2時間】
以上で、屋根点検の当日はおしまいです。
点検料は、後日の点検報告と、写真のお渡し時に、請求書をお付けすることになるので後払いです。
点検当日に、現金をご準備する必要はございません。
手順⑥ 後日、撮影写真と点検報告の送付 【当日〜1週間程度】
早ければ当日、遅くても1週間前後で、撮影した写真データと点検報告を、インターネット上での共有や、郵送、メールなどで、お送りします。
また点検の結果、修理が必要だったり、その後のメンテナンスの参考として、その見積書もあわせてお送りいたします。
【参考】 スレート屋根材のメンテナンスの方法と時期と価格
スレート屋根材のメンテナンスの方法と時期と価格の詳細は、こちらの記事で確認できます。
■ スレート、コロニアルの台風対策。予防のための補修や工事方法と費用 | 石川商店
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- 創業75年、屋根専門石川商店の三代目。石川弘樹(いしかわひろき)です。
- 【継続は力なり】
- 禁煙2009年〜、ダイエット2010年〜、禁酒2017年1月〜、筋トレ2018年6月〜、禁チョコ爆食い2018年12月〜
- 【資格】
- 1級かわらぶき技能士、瓦屋根工事技士、全日本瓦工事業連盟認定 瓦屋根診断士、全日本瓦工事業連盟認定 耐震化講師、耐震プランナー、増改築相談員、古民家鑑定士、ホームインスペクター(住宅診断士)、ジュニアリフォームソムリエ、リフォームスタイリスト1級、リフォーム提案士、ライフスタイルプランナー
- 【趣味】
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- 瓦割り世界大会初代チャンピオン
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屋根で損する人をゼロにしたい、屋根屋の三代目です。
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