本記事の目次
はじめに
「屋根の雨漏り対策をしたいけれど、ウレタン防水で本当に大丈夫?」「屋根に防水工事をする場合、どの工法を選べばいいの?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
ウレタン防水は、液体状の防水材を施工箇所に塗り重ねることで、防水性の高い膜を形成する工法です。複雑な形状にも対応しやすく、ベランダや屋上などで広く採用されています。一方で、「すべての屋根に適しているわけではない」「施工方法によって耐久性や仕上がりが変わる」といった注意点もあります。
この記事では、「ウレタン防水 屋根」というキーワードをもとに、ウレタン防水の基本的な仕組みから屋根への施工が向いているケース、主な工法、メリット・デメリット、費用相場、工事の流れ、業者選びのポイントまで詳しく解説します。屋根の防水工事について知識がなく、不安を感じている方にもわかりやすく紹介していきます。
ウレタン防水とは?屋根に施工する前に知っておきたい基礎知識

液体状の防水材で防水層をつくる工法
ウレタン防水とは、液体状のウレタン樹脂を施工面に塗布し、乾燥・硬化させることで防水層を形成する工法です。
シート状の防水材を貼り付ける工法とは異なり、液体の状態で施工するため、凹凸のある場所や複雑な形状にも対応しやすいという特徴があります。防水材を複数回に分けて塗り重ねることで、継ぎ目の少ない防水層をつくることができます。
そのため、屋根の中でも特に陸屋根や屋上、傾斜が緩やかな屋根など、防水性能が重要になる場所で検討されることがあります。
ウレタン防水の基本的な構造
ウレタン防水では、一般的に下地処理を行った後、プライマー、防水材、トップコートなどを施工します。
まず、施工面の汚れや劣化部分を確認し、必要に応じて補修を行います。その後、防水材の密着性を高めるための下塗り材を施工し、ウレタン防水材を塗り重ねて防水層を形成します。
最後に、防水層を紫外線や雨風などから守るため、トップコートを塗布するのが一般的です。
このように複数の工程を経て仕上げるため、単純に「防水材を塗るだけ」の工事ではありません。下地の状態や施工環境によって必要な工程も変わるため、事前の現地調査が重要になります。
屋根塗装とウレタン防水の違い
屋根塗装とウレタン防水は混同されることがありますが、目的が異なります。
屋根塗装は、屋根材の表面を塗膜で保護し、美観の維持や劣化の進行を抑えることが主な目的です。一方、ウレタン防水は、防水層そのものを形成し、建物内部への水の侵入を防ぐことを目的としています。
もちろん、塗装にも一定の防水性はあります。しかし、屋根材の状態や構造によっては、塗装だけでは十分な防水対策にならない場合もあります。
「雨漏りしているから塗装をすれば直る」と単純に考えるのではなく、雨漏りの原因を特定したうえで、塗装、防水、補修、葺き替えなど、適切な方法を選ぶことが大切です。
どのような屋根でも施工できるわけではない
ウレタン防水は柔軟性のある工法ですが、すべての屋根に適しているわけではありません。
例えば、一般的なスレート屋根や金属屋根、瓦屋根など、ある程度の傾斜がある屋根では、通常の屋根塗装や屋根材の補修が適しているケースもあります。
一方、陸屋根やほとんど傾斜のない屋根では、雨水が屋根の表面に長時間とどまりやすいため、より高い防水性能が求められます。
「屋根の防水=ウレタン防水」と決めつけるのではなく、自宅の屋根の形状や劣化状況に合った工法を選ぶことが重要です。
ウレタン防水が屋根に向いているケースとは?
陸屋根や屋上の防水工事
ウレタン防水が特に検討されやすいのが、陸屋根や屋上です。
陸屋根とは、一般的な三角形の屋根のような大きな傾斜がなく、平らに見える形状の屋根を指します。完全に水平というわけではありませんが、雨水を排水するためのわずかな勾配が設けられているのが一般的です。
こうした屋根では、雨水を屋根材からすぐに流すのではなく、防水層によって建物内部への浸水を防ぎます。そのため、防水層の状態が建物の維持に大きく影響します。
ウレタン防水は施工面に合わせて防水層を形成しやすいため、陸屋根や屋上の防水工事で選択肢の一つとなります。
複雑な形状をした屋根
屋根には、設備の基礎部分や立ち上がり、排水口周辺など、施工が複雑になる箇所があります。
シート状の防水材を施工する場合、形状によっては細かい加工が必要になることがあります。一方、液体状のウレタン防水材は施工面に塗布するため、複雑な形状にも比較的対応しやすいというメリットがあります。
特に細かい凹凸や立ち上がり部分が多い場合には、ウレタン防水の施工性が活かされることがあります。
ただし、複雑な形状だからといって必ずウレタン防水が最適とは限りません。既存の防水層や下地の状態によって、別の工法が適しているケースもあります。
既存の防水層を活用したい場合
既存の防水層の状態によっては、すべてを撤去せず、その上から新しい防水層を施工できる場合があります。
これを「かぶせ工法」や「重ね施工」と呼ぶこともあります。既存の防水層を撤去する必要がない場合、工事期間や撤去費用を抑えられる可能性があります。
ウレタン防水は既存の下地に施工できるケースも多いため、改修工事との相性がよいとされています。
ただし、既存の防水層に大きな膨れや剥がれ、下地の腐食などがある場合は、そのまま施工すると不具合につながる可能性があります。重ね施工ができるかどうかは、必ず専門業者による診断を受けて判断しましょう。
部分的な補修が必要な場合
ウレタン防水は、施工範囲に合わせて防水材を塗布できるため、部分的な補修にも対応しやすい工法です。
例えば、防水層の一部にひび割れや剥がれが発生している場合、劣化部分を補修したうえで防水材を施工する方法が検討されることがあります。
ただし、部分補修で対応できるのは、劣化が限定的な場合です。防水層全体が寿命を迎えている場合には、部分的な補修を繰り返すよりも、防水層全体を改修したほうが結果的に安心できるケースもあります。
屋根に施工されるウレタン防水の主な工法
密着工法
密着工法は、ウレタン防水材を下地に直接密着させて施工する方法です。
下地処理を行った後、プライマーを塗布し、その上からウレタン防水材を施工して防水層を形成します。
比較的シンプルな施工方法であるため、条件によっては工期や費用を抑えやすいというメリットがあります。また、防水層を形成する際の厚みも比較的抑えられるため、建物への負担を軽減しやすい点も特徴です。
ただし、下地の影響を受けやすいため、下地に含まれる水分や劣化状況には注意が必要です。下地の状態によっては、別の工法が適していることもあります。
通気緩衝工法
通気緩衝工法は、下地と防水層の間に通気性を持たせるシートを施工し、その上からウレタン防水材を塗布する方法です。
建物内部や下地に含まれる水分が蒸気となった場合、その影響によって防水層が膨れることがあります。通気緩衝工法では、こうした水蒸気の影響を軽減することを目的としています。
既存の防水層を改修する場合や、下地の状態に不安がある場合などに検討されることがあります。
密着工法と比較すると施工工程が増えるため、費用は高くなる傾向があります。しかし、下地の状態によっては長期的な防水性能を維持するために適した選択肢となる場合があります。
メッシュ補強を併用する方法
ウレタン防水では、施工箇所や下地の状態によって補強材を併用する場合があります。
例えば、ひび割れが発生しやすい部分や、立ち上がり部分、既存下地の動きが懸念される場所などでは、補強用のメッシュやクロスを使用することがあります。
補強材を適切に使用することで、防水層の安定性を高められる可能性があります。
ただし、補強材を入れれば必ず耐久性が大幅に向上するというわけではありません。重要なのは、施工箇所に合わせた適切な材料や工法を選択することです。
トップコートによる防水層の保護
ウレタン防水の施工後には、トップコートを塗布するのが一般的です。
ウレタン防水層は紫外線の影響を受けるため、表面を保護する役割を持つトップコートが重要になります。
トップコートが劣化すると、防水層そのものに紫外線などの影響が及びやすくなるため、定期的な点検やメンテナンスが必要です。
「防水工事をしたら、その後は何もしなくてよい」というわけではありません。防水層を長持ちさせるためには、適切なタイミングでトップコートの塗り替えや補修を行うことが大切です。
屋根にウレタン防水を施工するメリット
複雑な形状にも施工しやすい
ウレタン防水の大きなメリットは、液体状の防水材を使用するため、施工面の形状に柔軟に対応しやすいことです。
屋根や屋上には、排水口や配管、設備の基礎、立ち上がり部分など、平らではない箇所が存在することがあります。
シートを貼る工法では加工や接合部分の処理が必要になりますが、ウレタン防水は施工面に沿って防水材を塗布できるため、こうした場所にも対応しやすいという特徴があります。
継ぎ目の少ない防水層をつくれる
防水工事では、施工方法によっては材料同士の接合部分が生じます。
接合部分は施工状態によって劣化や剥がれの原因になる可能性があるため、適切な施工が必要です。
ウレタン防水では、液体状の防水材を連続して施工することで、継ぎ目の少ない防水層を形成できます。
特に複雑な形状の施工面では、継ぎ目を少なくできる点がメリットとなる場合があります。
改修工事に対応しやすい
既存の防水層の状態によっては、撤去を行わずに改修できる場合があります。
既存防水層の撤去には時間や費用がかかることがあるため、重ね施工が可能であれば、工事全体の負担を抑えられる可能性があります。
ただし、前述のとおり、既存の防水層の状態が悪い場合には撤去や下地補修が必要です。費用だけを重視して重ね施工を選ぶのではなく、建物の状態に合った方法を選びましょう。
比較的軽量で建物への負担を抑えやすい
ウレタン防水は、施工後の防水層が比較的軽量であることも特徴の一つです。
既存の建物を改修する場合、新しい材料によって建物にどの程度の負担がかかるかも重要なポイントになります。
特に既存の屋根や防水層の上から施工する場合には、重量の増加についても確認する必要があります。ウレタン防水は、比較的軽量な防水層を形成できるため、建物への負担を抑えたい場合にも検討されます。
屋根にウレタン防水を施工するデメリットと注意点
職人の技術力によって仕上がりが左右される
ウレタン防水は、現場で液体状の材料を施工するため、施工する職人の技術や管理によって仕上がりに差が出る可能性があります。
防水材の厚みが十分でなかったり、施工ムラが発生したりすると、期待される防水性能を十分に発揮できないことがあります。
また、下地処理が不十分な場合には、施工後に剥がれや膨れなどの不具合が発生する可能性もあります。
そのため、ウレタン防水を屋根に施工する場合は、価格だけで業者を選ぶのではなく、防水工事の施工実績や診断内容、工事内容をしっかり確認することが大切です。
施工中は天候の影響を受けやすい
防水工事は屋外で行うため、雨や湿度などの天候条件によって工事スケジュールが左右されます。
施工中に雨が降ると、防水材の施工ができなかったり、十分に乾燥させることができなかったりする場合があります。
無理に工事を進めると施工不良につながる可能性があるため、天候によって工期が延びることもあります。
「予定どおりに終わらない」と不安に感じる方もいるかもしれませんが、適切な施工のために天候を考慮しているのであれば、むしろ品質管理の一環と考えることができます。
定期的なメンテナンスが必要
ウレタン防水は施工後も、定期的な点検やメンテナンスが必要です。
特にトップコートは、紫外線や雨風の影響を受けて徐々に劣化します。表面の色あせやひび割れ、剥がれなどを放置すると、防水層自体の劣化につながる可能性があります。
早い段階でメンテナンスを行えば、大規模な防水改修を避けられる場合もあります。
施工後も定期的に屋根や屋上の状態を確認し、異常がないかチェックすることが重要です。
傾斜のある屋根には適さない場合がある
「屋根の防水工事」と聞くと、どの屋根にもウレタン防水が施工できるように思うかもしれません。
しかし、一般的な勾配屋根では、ウレタン防水よりも屋根材に適した塗装や補修、カバー工法などが適している場合があります。
屋根の構造によって雨水の流れ方や求められる性能が異なるため、陸屋根と勾配屋根ではメンテナンス方法も変わります。
自宅の屋根に本当にウレタン防水が必要なのかを確認するためにも、現地調査を依頼し、複数の選択肢を比較することをおすすめします。
ウレタン防水の屋根工事にかかる費用相場
費用は施工面積だけで決まらない
ウレタン防水の費用を考える際、「1平方メートルあたりいくらなのか」だけで判断するのは注意が必要です。
実際の工事費用は、施工面積だけでなく、既存の防水層の状態、下地補修の必要性、選択する工法、使用する材料、施工箇所の形状などによって変わります。
同じ面積の屋根でも、劣化が少なく下地処理が簡単な場合と、大規模な補修が必要な場合では、費用に差が出ます。
そのため、概算の単価だけで比較するのではなく、見積書の工事項目を確認することが重要です。
密着工法の費用傾向
密着工法は、通気緩衝工法と比較すると工程が少ないため、比較的費用を抑えやすい傾向があります。
ただし、下地の状態が悪い場合には、補修費用が追加されることがあります。また、既存防水層の撤去が必要になれば、その分の費用も発生します。
見積書を見る際には、防水工事一式という表記だけでなく、下地処理、防水材の施工、トップコート、端部処理などの内容がどこまで含まれているか確認しましょう。
通気緩衝工法の費用傾向
通気緩衝工法は、通気シートの施工などが必要になるため、密着工法よりも費用が高くなる傾向があります。
しかし、下地の水分や湿気の影響が懸念される場合には、費用だけで密着工法を選ぶと、将来的な不具合につながる可能性があります。
初期費用が安い工法が必ずしも最も経済的とは限りません。建物の状態や今後どの程度住み続ける予定なのかも考慮しながら、長期的な視点で判断することが大切です。
下地補修費用にも注意
防水工事では、防水層を施工する前の下地処理が重要です。
ひび割れ、浮き、剥がれ、腐食などがある場合には、そのまま防水材を施工することはできません。必要に応じて補修工事を行う必要があります。
現地調査を行わず、電話やインターネットだけで極端に安い金額を提示する業者には注意が必要です。
実際に現地を確認しなければ、正確な工事内容を判断することは難しいため、適切な調査と説明を行ってくれる業者を選びましょう。
ウレタン防水による屋根工事の基本的な流れ
現地調査と劣化状況の確認
まずは、屋根や既存の防水層の状態を確認します。
防水層のひび割れや膨れ、剥がれ、排水口周辺の状態、雨漏りの有無などをチェックし、必要な工事内容を判断します。
この段階で、ウレタン防水が適しているかどうかも検討されます。
もし雨漏りが発生している場合には、単純に表面を防水するだけでなく、どこから水が侵入しているのかを確認することが重要です。
高圧洗浄と下地処理
施工面に汚れやコケ、古い塗膜などが残っていると、防水材の密着性に影響する可能性があります。
そのため、必要に応じて高圧洗浄を行い、施工面をきれいな状態にします。
その後、ひび割れや浮きなどがあれば補修を行います。
この下地処理は、施工後には見えなくなる部分ですが、防水工事の品質を左右する非常に重要な工程です。
プライマーや補強材の施工
下地処理が完了したら、防水材の密着性を高めるためのプライマーを施工します。
必要に応じて、ひび割れが発生しやすい部分や立ち上がり部分などに補強材を施工する場合もあります。
工法によっては、この段階で通気緩衝シートなどを施工します。
使用する材料や工程は建物の状態によって異なるため、契約前にどのような工事を行うのか確認しておくことが大切です。
ウレタン防水材の塗布とトップコート仕上げ
その後、ウレタン防水材を複数回に分けて施工し、必要な厚みの防水層を形成します。
十分に硬化したことを確認した後、防水層を保護するためのトップコートを施工します。
工事が完了したら、施工ムラや塗り残しなどがないか確認します。
工事内容について疑問がある場合は、完工後ではなく施工中でも確認することをおすすめします。施工写真を残してもらえる業者であれば、普段見ることが難しい屋根の工事内容も確認しやすくなります。
ウレタン防水の屋根を長持ちさせるメンテナンス方法
定期的に防水層の状態を確認する
防水工事を行った後も、定期的な点検が大切です。
防水層の表面にひび割れや剥がれ、膨れなどがないか確認しましょう。
ただし、屋根や屋上の状態を自分で確認するために、高所へ無理に上がるのは危険です。転落事故につながる可能性があるため、自分で確認できない場合は専門業者に点検を依頼することをおすすめします。
特に台風や大雨、強風などの後は、異常が発生していないか確認すると安心です。
トップコートの劣化を放置しない
トップコートは、防水層を紫外線などから保護する重要な役割を持っています。
表面の色あせや摩耗が進んでいる場合には、防水層そのものが劣化する前にメンテナンスを検討することが大切です。
比較的早い段階でトップコートを塗り替えることで、防水層全体の改修時期を延ばせる可能性があります。
ただし、適切なメンテナンス時期は施工環境や材料によって異なるため、施工業者や防水専門業者に確認しましょう。
排水口や周辺の清掃も重要
陸屋根や屋上では、排水口周辺に落ち葉やゴミが溜まることがあります。
排水口が詰まると雨水がスムーズに流れず、防水層に長時間水が溜まる原因になります。
そのため、可能な範囲で排水口周辺の状態を確認し、ゴミが溜まっている場合には適切に取り除くことが重要です。
ただし、安全に作業できない場所の場合は、無理をせず専門業者に依頼してください。
小さな劣化の段階で補修する
防水層のひび割れや剥がれなどを発見した場合、「まだ雨漏りしていないから大丈夫」と放置するのはおすすめできません。
防水層の小さな不具合から水が侵入し、時間の経過とともに下地まで劣化が進行する可能性があります。
早期に補修すれば比較的軽微な工事で済む場合でも、放置することで大規模な修繕が必要になることがあります。
定期的な点検と早めの対応が、結果的にメンテナンス費用を抑えることにもつながります。
屋根のウレタン防水と他の防水工法を比較する際のポイント
シート防水との違い
シート防水は、塩化ビニルやゴムなどのシート状の防水材を施工面に貼り付ける工法です。
施工条件によっては品質を安定させやすく、広い面積の施工に適している場合があります。
一方、複雑な形状の場所ではシートの加工や接合部分の処理が必要になります。
ウレタン防水は液体状の材料を使用するため、複雑な形状にも対応しやすいのが特徴です。
どちらが優れているというよりも、施工する屋根の形状や既存の状態に応じて選択することが大切です。
FRP防水との違い
FRP防水は、繊維強化プラスチックを利用して防水層を形成する工法です。
強度が高く、比較的硬い防水層を形成できることが特徴です。そのため、ベランダなど人が歩く場所で採用されることもあります。
一方、施工面の広さや建物の動きなどによっては、ウレタン防水の柔軟性が適している場合もあります。
屋根や屋上の防水工事では、使用目的や施工面の状態も考慮して工法を選ぶ必要があります。
アスファルト防水との違い
アスファルト防水は、長い歴史を持つ防水工法の一つです。
耐久性が期待できる一方で、施工方法によっては工事規模が大きくなったり、建物への荷重を考慮する必要があったりします。
ウレタン防水は比較的軽量で施工しやすく、改修工事にも対応しやすいという特徴があります。
ただし、防水工法にはそれぞれメリットと注意点があるため、単純に「新しい工法だからよい」「費用が安いからよい」と判断するのではなく、建物に適した方法を選ぶことが重要です。
屋根のウレタン防水でよくある失敗と後悔を防ぐポイント
価格だけで業者を選んでしまう
防水工事の見積もりを比較すると、業者によって金額に差が出ることがあります。
少しでも費用を抑えたいと考えるのは当然ですが、極端に安い見積もりには注意が必要です。
必要な下地処理が含まれていなかったり、防水材の使用量が十分でなかったりする場合、施工後に不具合が発生する可能性があります。
価格だけではなく、使用する材料、施工工程、保証内容などを比較しましょう。
自宅の屋根に合わない工法を選んでしまう
「ウレタン防水が人気だから」「知人におすすめされたから」という理由だけで工法を決めるのはおすすめできません。
同じ屋根でも、建物の築年数や既存の防水層、下地の状態、雨漏りの有無などによって適した工法は異なります。
複数の工法について説明を受け、それぞれのメリットやデメリットを理解したうえで判断することが大切です。
雨漏りの原因を確認せずに工事をする
雨漏りが発生している場合、防水層だけが原因とは限りません。
外壁のひび割れ、サッシ周辺、屋根材の破損など、別の場所から水が侵入している可能性もあります。
原因を特定せずに防水工事を行うと、費用をかけたにもかかわらず雨漏りが改善しない可能性があります。
雨漏りがある場合には、原因調査をしっかり行ったうえで必要な工事を判断しましょう。
工事後のメンテナンスを考えていない
防水工事は、一度施工すれば永久に効果が続くわけではありません。
施工後も紫外線や雨風による影響を受けるため、定期的な点検やメンテナンスが必要になります。
契約前に「次回のメンテナンスはどのくらいの時期を目安に考えればよいのか」「保証の対象となる範囲はどこまでなのか」を確認しておくと安心です。
ウレタン防水の屋根工事で信頼できる業者を選ぶ方法
防水工事の施工実績を確認する
屋根や屋上の防水工事では、塗装工事とは異なる専門的な知識や施工技術が求められる場合があります。
そのため、業者を選ぶ際には、防水工事の施工実績を確認することが重要です。
ホームページや施工事例などを確認し、自宅と似た形状の屋根や屋上の工事実績があるかをチェックしましょう。
ただし、施工事例の件数だけで判断するのではなく、どのような状態に対して、どのような工法を提案しているかを見ることも大切です。
現地調査を丁寧に行ってくれるか
信頼できる業者を見極めるうえで、現地調査の内容は重要なポイントです。
屋根や防水層を十分に確認せず、すぐに「ウレタン防水が必要です」と提案する業者には注意が必要です。
劣化状況を確認し、なぜその工法が必要なのか、他の工法では対応できないのかを説明してくれる業者であれば、納得して工事を検討しやすくなります。
調査結果について写真などを使いながら説明してもらうと、普段見ることができない屋根の状態も把握しやすくなります。
見積書の内容がわかりやすいか
見積書に「防水工事一式」とだけ記載されている場合、具体的にどのような工事が行われるのか判断しにくくなります。
下地処理、補修、防水材の施工、トップコートなど、工程ごとに内容が記載されているかを確認しましょう。
また、使用する防水材の商品名や施工面積、単価なども確認すると、複数の業者を比較しやすくなります。
わからない項目があれば、そのまま契約せず、納得できるまで質問することが大切です。
保証やアフターフォローも確認する
防水工事は施工後の対応も重要です。
万が一不具合が発生した場合に、どのような保証が受けられるのか、定期点検があるのかなどを確認しておきましょう。
ただし、「保証期間が長いから安心」と単純に判断するのではなく、保証の対象や条件も確認する必要があります。
施工不良による不具合が対象なのか、自然災害による損傷は対象外なのかなど、細かい条件を事前に確認しておくと安心です。
屋根のウレタン防水に関するよくある質問
最後に、屋根のウレタン防水についてよくある疑問をまとめます。
ウレタン防水はどのくらい持ちますか?
ウレタン防水の耐久性は、使用する材料や施工方法、施工環境、メンテナンス状況などによって異なります。
日当たりや雨風の影響を強く受ける環境では劣化が早まる可能性もあります。そのため、施工から一定年数が経過したら状態を確認し、トップコートの塗り替えや必要な補修を検討することが重要です。
「何年経ったら必ず工事が必要」と考えるのではなく、定期点検によって実際の状態を確認することをおすすめします。
ウレタン防水の上から塗装することはできますか?
防水層の保護を目的として、適切なトップコートを施工することは一般的です。
ただし、どの塗料でも使用できるわけではありません。既存の防水材との相性を確認せずに塗装すると、密着不良や剥がれが発生する可能性があります。
メンテナンスを行う際には、既存の防水層の種類を確認したうえで、適切な材料を選ぶことが大切です。
雨漏りしている屋根にウレタン防水をすれば直りますか?
雨漏りの原因が防水層の劣化であれば、適切な補修や防水工事によって改善できる可能性があります。
しかし、雨漏りの原因は一つとは限りません。
屋根以外の場所から水が侵入している場合には、ウレタン防水だけでは改善しない可能性があります。まずは雨漏りの原因を調査し、その結果に応じた工事を行うことが重要です。
自分でウレタン防水を施工することはできますか?
市販の防水材を使用してDIYで補修すること自体は可能な場合もあります。
しかし、屋根や屋上の防水工事には、高所作業による転落リスクがあります。また、下地処理や材料の選定、適切な施工量の管理ができていないと、十分な防水性能を得られない可能性もあります。
特に広い範囲の施工や雨漏りが発生している場合には、専門業者への依頼をおすすめします。
まとめ
ウレタン防水は、液体状の防水材を施工面に塗布して防水層を形成する工法で、陸屋根や屋上、複雑な形状をした場所などで検討されることがあります。継ぎ目の少ない防水層を形成しやすく、既存の防水層を活用した改修工事に対応できるケースがあることもメリットです。
一方で、ウレタン防水は施工する職人の技術力によって品質に差が出る可能性があり、施工後も定期的な点検やトップコートのメンテナンスが必要です。また、一般的な勾配屋根では、必ずしもウレタン防水が最適とは限りません。
「屋根の劣化が気になる」「雨漏りが発生している」「防水工事と屋根塗装のどちらを選べばよいかわからない」という場合は、まず専門業者による現地調査を受け、自宅の屋根にどのような工事が必要なのか確認することが大切です。
ウレタン防水の特徴やメリット・デメリットを理解したうえで、費用だけにとらわれず、屋根の状態に合った工法を選びましょう。適切な防水工事と定期的なメンテナンスを行うことで、大切な住まいを雨水や劣化から長く守ることにつながります。
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