テレビアンテナの屋根馬(アンテナの足部分)の錆びが、屋根のてっぺん部分『棟』の板金にうつってしまい、点検業者さんに「このままでは雨漏りの可能性がでてくる」と言われたそうですが、急に言われても何をどうしたら最善なのか分からないですよね?
ということで修繕について以下のご質問いただきました。
・すぐにでも修繕したほうがいいか
・どんな工事が必要か
・予算はどれくらいかかるか
それともう一つ、棟の釘も浮いているということも心配されていました。
この『釘の浮き』はメンテナンス方法を決めるのに重要なキーワードです!
本記事の目次
棟板金にテレビアンテナからのもらい錆び、放置すると雨漏りに繋がる?
テレビアンテナの金属が劣化して、雨や風によって錆びが飛散して別の素材にうつることはよくある現象です。
この錆びが棟板金に穴を開け雨漏りへとなってしまうのでしょうか。
社内で聞くところによると、例えば築40年でずっとアンテナ設置したままで錆びがうつった棟でも、それが原因で雨漏りしたというケースはいままでないとのことです。
それより『釘の浮き』のほうが心配です。もらい錆びより釘の浮きのほうが心配という理由を書いていこうとおもいます。
『釘の浮き』があることでわかる、今の棟の状態と対策
釘が浮いているということでしたが、その現象で棟板金の下に設置してある木材が劣化してしまっていることがわかります。
なぜわかるかというと、棟は屋根と屋根の勾配の頂点部分に下地になる木材を施工し、その上に金属製の蓋をかぶせて釘を打ち込む構造ですが、この下地の木材が腐食し留めつけ用の釘が抜けて来てしまっている状態。
劣化した材木にいくら新しく打ち直しても、土台がスカスカしているのでまたすぐ浮いてしまいます。
根本的な解決をしないで放置しておくと、台風や突風で棟板金が剥がれ飛んでいく危険性があり、昨年の大型台風でもこの棟板金の飛散がとても多くありました。
築20年未満なら、今やったほうがいい修繕は『棟交換』
棟は屋根の中で一番風雨の衝撃を受けている場所です。ここがしっかりとしていれば台風でも心配がありません。おおよそ15年ごとに棟交換するのがベストなメンテナンス方法です。
その棟交換とはどんな工事かというと
一旦古い棟を全部外します。
防腐処理された木材または樹脂製の不ラスチック木材を施工します。材木は経年によって反る習性があり、ちゃんと上下を見て施工しないと、時が経った時に反り返った材木が棟板金を持ち上げてしまうこともあるそうです。ちゃんと見極められる職人さんにお願いしたいところです。
棟板金にしっかりステンレスのビス打ち込み完了です。
棟交換の費用相場
おおよそ1万円/m
住宅街の一般的な建売住宅くらいの平均的な棟の長さで計算すると、
1万円×10m=10万円
これ前後をおおよその目安としていただくといいかもしれません。
この他かかる費用として、法律で決められている安全対策費。
足場(20~30万円)を組まず代わるものとして、屋根に設置するフック式(約5万円)もあります。
ですが、一番おすすめは外壁をやるタイミングで一緒にやれば、足場を共有できて一番経済的だとおもいます。
まとめ
もらい錆びが雨漏りに直結はしませんが、釘の浮きは棟の劣化を反映しているため交換が必要です。スレート屋根は築約15年で棟の交換、築約30年で屋根全体の葺き替え、途中点検しつつ『ひび割れ』の補修などしていくというメンテナンススケジュールでいくと、台風にも強い屋根になります。
・5年おきのひび割れ修理
・築15年での棟交換
・築30年での葺き替え
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それではまた
日々会社に舞い込むお困り事や作業内容を基に、
いつか立派な屋根屋スタッフになれる日を夢見て勉強中。
- 井上 利里子(イノウエ リサコ)
- 【ニックネーム】 Ri-chang
- 【最近】 桜は満開なのに外出しちゃいけないなんて~
屋根専門石川商店HP:riverstone-roofing.com
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