冬将軍も間近に迫ってきてだいぶ肌寒くなりましたね。衣替えも済ませていなくて慌てて冬着を漁ったおにゃがわらです。もう少ししたらこたつ出そうかな…
10/15から10/27まで、国立新美術館で開催されていた「現代瓦造形と建築文化祭」。ここで瓦を使ったアートや、小さな瓦屋根が展示がされていると話を聞いて、どんなものだろうかと少しうきうきしながら見に行ってきました。
設立2007年と思ったより最近できたばかりの美術館。日本最大の美術館と言うだけあり、中の広さは半端ではありません…。
ここでは毎日何かしらの企画展、公募展など展示会が開かれているようで、今回見に行った際も幾つか展示会が開かれていました。
さて、肝心の瓦造形の展示は野外展示場の方で行われている模様。ぐるっと回って裏手に向かいます。
裏手、めっちゃ寒い。
この日は綺麗に晴れていて日差しも暖かく心地良い日でしたが…野外展示場はちょうど建物の影になっていて、話によると1日中日が当たらないとか。寒い。
ですが、作品に多かったいぶし瓦独特の質感が濃く出ていて、凛々しい雰囲気になっていました。
受付後にもらった目録によると、作品には、アート系のものと小さな屋根のものに分かれているようで、作品数は34個と結構多い…
その為、気になったものをピックアップしてご紹介します。
受付を済ませ、展示場に入った所で真っ先に目についたこちらの作品。熨斗の切り方や反り具合がとてもスタイリッシュで目を剥きました。鳥の顔の鬼瓦に、ケラバ(屋根の右部分)が羽にも見えて飛びそうです。これはずるい。シャキンと尖った先の部分も鋭くてカッコイイ。こんなの目につくに決まってます。ずるい。
瓦と同じ素材でできた可愛らしいジャック・オ・ランタン。後ろに蓋がついていて、ちゃんと中に明かりを入れられるようになっているみたい。思わず持って帰りたくなるくらい…いえいえ冗談ですけども。
同じように、可愛らしい作品があってちょっとほっこりしました。でも、これは瓦…?というより瓦の時に使う部材なんじゃ…?と思うものもちらっと。ですが、瓦も硬くて強いイメージもありがちなので、こうした可愛い物もいいですね。
床の間に飾ってありそうなオブジェ。真ん中の瓦と瓦を合わせたもの以外はほんとに重ねてあるだけなんだとか。絶妙なバランスです。
【花】と名前が付けられただけあり、華やかで雅でダイナミック。しかし細かな部分含め全部計算して切ることができるとは……瓦職人てすごい。
細かな字が刻まれた石碑……ですが、瓦の素材なので瓦碑。何が書いてあるのか?とよーく見てみたら隙間なく「般若心経」が掘られていました。一つ一つ掘られているのかと思うと、、、気が遠くなりそうです。
そういえば昔般若心経を暗記してたなと思って久しぶりに暗唱してみたら、どうしても最後の最後あたりでループしてしまって最後の「般若心経」までたどり着きませんでした。極楽行ける気がしない。
一瞬「倒れそう!?」と不安になるようなくらい高く積まれただけの瓦?よーく見たら中に太い金属の棒が入っていて、倒れないようになっていました。初見だと近くを通りたくないくらいには不安になります。
風車のようにくるくると桟瓦が組み合わされたオブジェ。庭先に置いたり花壇に埋めたりしてみたいですね。きっと和風の景観にぴったりです。
アート部門には他にもユニークな作品が多くありました。一つ一つ作られた仏像や、画像内の様に針金を組んで瓦を組み合わせた物など。かなり自由度が高くてびっくりです。でもよくよく考えれば元は粘土なので、作りたいものは作れてしまうのかも。もちろん、技術や焼くときの具合も関わるので簡単には作れないと思いますけども…
めっちゃのし瓦使われまくってる…のしのししてる屋根が……のし瓦大好きか……
と思ってたら我が社の三代目による作品でした。やっぱりか!でも、あまり見ない形でシンプル。これも別な意味でスタイリッシュでカッコイイ。現代建築に合いそうだなあ。
寄棟になったらどうなるのかがとても気になります。
んん?何やら丸い平べったい物体があちこちに貼ってある……しかも棟の形が右から左へと違いますね。なんだろう…?と、3分位固まって、「あ、汽車か!」と気が付きました。棟のところに車輪のような丸い瓦が付けてあって、ちょっとかわいいです。題は「ワシノミチ」とされていました。
地元ではまだ汽車が走っていて、夕方には「ぽーぉ」と大きく音が響きます。ちょっと思い出して懐かしくなりました。
水彩で塗ったような、独特な色合いの瓦。屋根の天辺がお城か神輿のようになっていて、ちょっとおもしろいですね。ん?何やら鬼瓦が左右で違う…
まじか。いぶし瓦の銀さんまじか。
架台部門は他に、見たことのない桟瓦と「どうしたんだろう?」と気になるような、両脇がぼろぼろになってしまっている瓦が使われている屋根や、ガラス瓦にハロウィンの絵が入っている屋根、間近で見るのは初めてな天然石スレートの屋根が置かれていました。形式には則っているけども、その中で様々な趣向が凝らされていてこれもまた斬新で新鮮。瓦も、種類や場所で違うだけでなく、同じ場所に使う同じ種類なのに形が違うものもあってかなり多彩。形が合うものであれば、交互に使って見た目を工夫して遊んでみたりするのも楽しそうです。
架台部門もアート部門も、「瓦」という素材を使って自由に作られていたので、刺激になりました。瓦というと、波の様な形で整然と葺かれていて、というイメージがやはり大きいので、こうした自由度の高い作品を見ていると、型にはまらずもっと自分の思うようにこだわったり楽しみながら作ったりしてもいいのかな、と少し思います。
この現代瓦造形と建築文化祭は、瓦造形会という団体が主催していて、来年の3月末には「瓦といけばな」という作品展示会が行われる模様。是非行ってみたいものですね。
ちなみに、弊社ではお客様の「こんな屋根にしたい!」というこだわりや遊びごころを全力でお手伝いできます(笑)
この記事で、「私も瓦でちょっと楽しいもの作りたい」「ちょっと普通とは違う屋根できないかなあ」と私のように刺激されちゃった方は、お気軽にご連絡くださいませ。
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入社三年目のしがない事務員『おにゃがわら』
事務したり現場お邪魔したりあっちこっち。
【趣味】 読書、昼寝、考察、夢を文章に起こす。
【目標】 文章構成力の上達。某舞台のDVD揃える。
【最近】 きのこがおいしくてご飯がとまらない
【一言】 お腹のお肉ううううううう
屋根専門石川商店HP:riverstone-roofing.com
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入社四年目の事務員
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