ー教えて屋根屋さん! 第126回ー
屋根リフォームをする前に
屋根リフォームをしようと思っても、どんなリフォーム法があるのか分からない!
そんな方のために、屋根リフォームの種類や理想的な屋根リフォームの方法についてお伝えします。
屋根リフォームの種類
まず屋根リフォームは大きく分けると、3種類あります。
1.屋根材の交換・修理
瓦やコロニアルなどの屋根材が割れたり、板金がはがれたり、穴が空いたりしたときに行う、交換や修理のこと。金額的にも5万円前後で収まる、一番簡単なメンテナンスです。
2.屋根の部分補修
屋根の一部分を補修すること。例えば、コロニアル、アスファルトシングル、板金、瓦などの棟部分の補修工事などを指します。費用は10万~30万円程度かかります。
3.屋根の全交換
屋根をまるごと交換するリフォーム法。 カバー工法、葺き替え、葺き直しの3つの種類があります。 それぞれ、
カバー工法……スレート系やアスファルトシングルの屋根材の上に、板金などの新たな屋根材を被せる工法。
(詳しくは、「屋根のカバー工法って流行ってるらしいけど実際どうなの?」をご覧ください)
葺き替え……いったんすべての屋根材をはがして、新しい屋根材で葺くこと。
葺き直し……下地だけ補修して、今まで使っていた屋根材を再利用すること。 例えば、土葺き工法の屋根を引っ掛け桟工法に直して、いったんはがした瓦で再度葺くなどの使い方があります。瓦限定の工法です。
(土葺き工法や引掛け桟瓦葺き工法について詳しく知りたい方は「瓦屋根にお住まいの方必見! 土葺き工法と引っ掛け桟工法の見分け方」をご覧ください)
どんなシチュエーションのとき、どのようなリフォーム法を採用すべきかは、被害状況・今後の家との付き合い方・懐事情などによって変わってしまうので、断言するのは難しいです。
でも、一つ気をつけていただきたいのは、プロの屋根屋であれば方法は無限にあるということ。
例えば、屋根屋のなかには、1枚瓦を交換するだけでも、「この屋根材はすでに生産が終了しているので1枚だけ交換することはできません」と全交換を勧めてくる業者もあります。
しかし、生産終了だからといって、必ずしも対処の方法が全交換しかないとは限りません。
「雨漏りを止めてほしい」という要望でしたら、屋根材を交換しなくても、対処できることはあります。
そのため、少し見ただけで、すぐ「葺き替えしましょう」と提案してくる業者には注意が必要です。
理想的な屋根リフォームとは
弊社が考えている理想的な屋根リフォームとは、屋根・外壁・雨樋・窓周りなど外回りを一括で行うリフォーム。
なぜかというと、これらのリフォームをするには、足場が必要です。
30坪の家の場合、平均的に足場費用は約30万円かかります。
例えば、今年は屋根、来年は壁、再来年は雨樋、再々来年は窓周りといった具合に4回に分けてしまうと、単純計算で90万円近く損してしまうのです。
「お金がないから、今回は屋根だけで……」という方はたくさんいますが、90万円もあればリフォームの予算もだいぶ増えるはず。
この4者はメンテナンスサイクルも10年前後と共通していますので、費用を下げるためにもまとめてリフォームしちゃいましょう!
次回は、「屋根材選びのポイントは? 何を基準に選ぶのがベスト?」についてお話しいたします。
創業75年、屋根専門石川商店の三代目。
石川弘樹(いしかわひろき)です。
【資格】 1級かわらぶき技能士
瓦屋根工事技士
全日本瓦工事業連盟認定 瓦屋根診断士
全日本瓦工事業連盟認定 耐震化講師
耐震プランナー
増改築相談員
古民家鑑定士
ホームインスペクター(住宅診断士)
ジュニアリフォームソムリエ
リフォームスタイリスト1級
リフォーム提案士
ライフスタイルプランナー
【趣味】 ワンピース(マンガ)
【目標】 2級建築士
瓦割り世界大会初代チャンピオン
【ブーム】 ブラッククローバー
【困り事】 いくら寝ても眠い
DIYで作った個人ブログはじめました。
37歳おっさんが残りの半生での日々のチャレンジを綴っています。
http://hiroki-ishikawa.info
屋根で損する人をゼロにしたい、屋根屋の三代目です。
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