「洋瓦」といっても様々な種類がございますので、まずはそちらをご覧に入れたいと思います。
洋瓦の種類
F型瓦
こちらは「F型瓦」です。シャープで軽やかなデザインが特徴です。
S型瓦
続いてこちら「S型瓦」です。S型の「S」はスパニッシュに由来します。洋風建築にマッチするデザインが特徴です。
「F型」の進化版
続いてこちら、「F型」の進化版です。リズミカルなウェーブが南欧の海に揺れる波のような美しさが特徴です。
また、洋瓦の中でも「乾式洋瓦」または「セメント瓦・コンクリート瓦」と呼ばれる瓦もございます。
陶器ではなく文字通りセメントで固められた瓦で、現在は生産されていない瓦になります。
そちらに関しましてはまた別の機会にご紹介させていただいておりますので、リンク先からご覧ください。
【セメント瓦(乾式洋瓦)の屋根塗装工事の時にやっておくと良い屋根のメンテナンス工事まとめ】
洋瓦の不具合事例
メンテナンスのお話しをする前に、まずは洋瓦の不具合事例をご覧に入れます。
こちらは築約30年、漆喰は剥がれ中の土が徐々に出てきています
築約20年、漆喰が剥がれ中の土が見えているのがご覧になれます。
こちらは築約20年、強風の影響で棟瓦が外れてしまった状況です。
こちらは棟瓦の留め付け釘が浮いてしまった状況です。
不具合の原因について
これらの不具合に共通するのは「築年数が20年以上である」ということです。
今から20年前と言えば、皆様もご記憶にある1995年の阪神淡路大震災が発生した年です。
それから5年後の2000年には鳥取県西部地震が発生、この年に「建築基準法」は改正されましたが、屋根の施工方法について抜本的な改革が実施されたのは、その翌年の2001年「瓦屋根 標準設計・施工ガイドライン」の制定まで待たなければならなかったことが挙げられます。
つまり、これらの不具合が生じた建物は「施工ガイドライン」が確立される以前に施工されたものであり、それらの建物が地震や台風によって被害が発生したのは、この「ガイドライン」が旧態依然の状況下で施工されていたといことになります。
過去をさかのぼって法律や条例など、時代が変わるにつれその時代に合った法律や条例が制定されたように、屋根業界も時代に合わせた改革を実施しているのです。
しかし、この「ガイドライン」が制定されているにもかかわらず、残念ながら明かな手抜き工事を行った結果の不具合が発生している事実もございます。
洋瓦のメンテナンス方法 その①
まずは定期的な点検を実施し、屋根の状態を常に把握しておくことが必要です。
では、実際の不具合事例とその修理方法をご覧に入れたいと思います。
こちらは築20年の屋根で、「袖瓦」と呼ばれるところです。
袖瓦を固定していた釘が抜けてきています。
袖瓦を外してみると...
固定用の垂木に腐食が見られました。これは経年劣化による腐食もございますが、20年前には存在しなかった「捨て水切り」と呼ばれる部材が入っていなかったことも原因のひとつです。そこで今回、新たに「捨て水切り」を設置し、復旧させていただきました。
まず劣化した材木を撤去、新しい材木(防腐処理済み)を設置します。
続いて「捨て水切り」を設置します。
「捨て水切り」設置後に瓦を復旧、袖瓦の固定はパッキン付きステンレスビスを使用します。
これで工事は完了となります。
☑次回予告
今回は「袖瓦」のメンテナンスについてお話しさせていただきましたが、次回は「棟瓦」のメンテナンスについて、皆様に施工事例を交えながらお話しさせていただきたいと思います。
▼▼ 次回 ▼▼
【洋瓦の種類とメンテナンス方法まとめ②】
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