皆さまは、ご自宅の屋根に乗っているものを何と呼びますか?
テレビなどでは、屋根に使う建材の総称として「瓦」という言葉を使い、「屋根瓦」「スレート瓦」「金属瓦」と言われていますよね。
ご相談いただく際も、「屋根瓦が割れていて…」「薄い瓦が乗っています…」といったお言葉を頂戴することが多いです。
ですがこれ、実は違うんです。本来屋根瓦は「屋根の瓦」という意味ですので、そのまま陶器瓦のことを指します。
では、屋根に使われるものの総称は何か?と言いますと、正確には【屋根材】と言います。
そんなのあんまり聞いた事ない?調べてもよく分からない?そもそも何がどう違うの!
ここでは、正直よく分からないそんなあなたに「屋根材」の基礎知識を5つに分けてわかりやすくご紹介いたします!
あなたのご自宅の屋根材はどれでしょう?
今回は皆様おなじみ【瓦】と呼ばれる屋根材をご紹介致します!
屋根材【瓦】編
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瓦ってそもそも何?
『粘土を一定の形に固めて焼いた屋根材』の事。瓦と言うと日本の他に中国等アジアで使われているイメージが強いですが、ヨーロッパ各地やアメリカなど意外に世界中で使われていて、その中でも日本の土で作られているものを『日本瓦』と呼びます。※セメント瓦は厳密には瓦ではない為、その他をご覧ください。
色には陶器の様に釉薬を塗って焼いた各色の『釉薬(ゆうやく)瓦』と、何も塗らずに焼いて土の色を出す『素焼き』、素焼き後に燻化させて炭素被膜(銀色)を付けた『いぶし』があり、
形には一般的に、お寺などでよく見る『和型(J型)』と、ヨーロッパで見られる『スパニッシュ型(S型)』、真っ平らな『平板(F型)』があります。
また、瓦はその土地の土によって性能が若干異なり、現在国内での主流は、性能のバランスが良いとされる『三州瓦』、きめ細かい質感と滑らかな色に定評のある『淡路瓦』、凍害塩害に強く耐久力に定評のある『石州瓦』の3つとなっています。
※写真はおにゃの個人(?)的なイメージです
「瓦」の特徴
「焼き物は人類が作った素材の中で最も耐久性の高いもの」と言われている様に、耐久性に優れている屋根材です。(神社仏閣や城の瓦の葺き替えは大体100年に一度。遺跡で数千年前の瓦が出土する事も)
1000℃〜1300℃という高温で焼き締められている為燃える事は無く、陶器と同じで紫外線による劣化や錆びによる腐食がありません。また、吸水率が12%以下と低く「水返し」と呼ばれる部分も共通である為防水性も高いです。
現在では8割以上の瓦が「防災瓦」という瓦と瓦が噛みあうものになっている上、震度7の地震にも崩れない施工方法が指定されている為、強風や地震でずれたり落ちたりする事がありません。また、 屋根板に直接施工せず、「桟木」と呼ばれる木を枕にして施工される為、屋根と屋根材の間に空気層が生まれるので、断熱性があり、建物の痛みの原因である「結露」が起こりにくく、夏も冬も過ごしやすいです。
和風建築はもちろん洋風建築や現代建築にも合わせる事ができ、見た目に質感がある為家全体に風格が出ます。
割れが発生しても1枚からの差し替えで済み、天候によって色が落ち無いので見た目が変わらず塗り替えする必要が全くありません。その為、他の屋根材に比べ費用が安価で済みます。
ここに気をつけて!
自然のものである粘土を焼いて作られている為、粘土の成分や性質・気圧や焼く時の窯の具合でほんの少し色にムラが出てしまったり、ピンホールと呼ばれる小さい凹みが出来てしまったりすることがありますが、瓦自体の性能や品質に問題はありません。
ですが粘土の性質が土地に合っていないと、海風による塩害や寒い地域で起こる凍害によって瓦がぼろぼろと脆くなってしまう場合があります。その為、瓦にしたい!と希望する場合は、デザインだけでなくご自宅の地域の風土に合った土・瓦を選ぶ事が重要です。
屋根材の重さを気になさって瓦を選ばれない方がいらっしゃったり、工法による屋根自体の重さではなく「屋根材が重い事」を口実に葺き替えを勧める業者も多いですが、屋根材が重い事が原因で災害時に家への被害が大きくなるという事はなく、逆に瓦屋根が震災時に地震や津波に耐えた事例があります。(原因は家自体の強度だと言われています。どうしても重さが気になる方は、現在の瓦や工法に変えるだけで軽くなります。数十年前に比べて瓦一枚の重さが約半分程軽くなっている上、土を多く使わない工法になっています)
ですが、昔の施工法である「土葺き」(土を敷き詰めて瓦を並べる方法)で葺かれていたり、瓦をしっかりクギで止めていないという固定不足が原因で、地震の時に瓦がずれたり風で飛んでしまったりすることがあります。また、瓦ではなく土の劣化で「棟の崩れ」が起こってしまう場合もあります。
瓦は初期費用が掛かってしまいますが、メンテナンスがあまり必要ない為、他の屋根材と瓦とで同じ30年でも瓦の方が結果的に費用が安く済みます。ただ、「瓦屋根だけど親御さんの代から住んでいて点検した覚えがない」「ずっと前に割れた所があるけど放っといてる」「最近土埃がひどい」という方は一度点検することをおすすめします!
まとめ
屋根材にはそれぞれ種類や特徴があり、使う道具も修理の仕方もがらっと違います。
その為、修理の時どの屋根材か?という事を初めに教えて頂ければ、
屋根屋さんも正しい点検や工事をスムーズにできます。
また、ご自宅の屋根材を知る事は悪徳業者への対策にもなり、屋根を守る事にも繋がります。
あなたの屋根材はこれでしたか?
「違う」、または「別な屋根材の事も知りたい」と言う方は下のリンクからどうぞ!
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入社三年目のしがない事務員『おにゃがわら』
事務したり現場お邪魔したりあっちこっち。
【趣味】 読書、昼寝、考察、夢の文章起こし
【目標】 文章構成力の上達。MMD扱い覚える。
【最近】 階段から落ちてごりゅっと捻挫
【一言】 いたい(;ω;`)
屋根専門石川商店HP:riverstone-roofing.com
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入社四年目の事務員
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